別冊判例タイムズ

話題の事例をより深く。歴史ある判例実務誌

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別冊判例タイムズ No.29


平成21年度主要民事判例解説

  • 平成21年度主要民事判例解説
    001 民法|民法総則
    大阪地裁平成20年8月27日判決

    西田祥平   

    過払金返還請求権について,旧会社更生法241 条による失権の主張が一部信義則に反するとして認められなかった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:18
  • 平成21年度主要民事判例解説
    002 民法|民法総則
    最高裁第二小法廷平成20年10月10日判決

    大畠崇史   

    振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求が権利の濫用に当たらないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:20
  • 平成21年度主要民事判例解説
    003 民法|民法総則
    大阪地裁平成19年7月26日判決

    南雲大輔   

    保険代理店の立場を利用して団体傷害保険の被保険者資格を有しないにもかかわらず同保険に加入して行った保険金請求が権利の濫用に当たり,クリーンハンドの原則に照らして許されないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:22
  • 平成21年度主要民事判例解説
    004 民法|民法総則
    名古屋地裁平成20年7月11日判決

    藤井聖悟   

    1 権利能力なき社団の代表者の構成員に対する行為が「職務を行うについて」(平成18 年法律第50 号改正前民法44 条1 項)した行為に該当しないとされた事例 2 権利能力なき社団の被用者の構成員に対する行為が「事業の執行について」(民法715条1項)した行為に該当しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:24
  • 平成21年度主要民事判例解説
    005 民法|民法総則
    名古屋高裁平成21年2月19日判決

    目黒大輔   

    不動産の形式上の共有名義人から根抵当権設定登記を得た者が民法94 条2 項の類推適用を主張したが,当該不動産の不動産登記簿には抹消予告登記がされており,民法94 条2 項類推適用の前提となる虚偽の外観が存在しないと判断された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:26
  • 平成21年度主要民事判例解説
    006 民法|民法総則
    東京地裁平成20年12月24日判決

    酒井正史   

    1 不動産売買契約が,売主の意思無能力を理由として無効とされた事例 2 売主の意思無能力を理由として無効とされた不動産売買契約の買主との間で抵当権設定契約を締結した抵当権者につき,民法94 条2項を類推適用すべきではなく,売主は抵当権者に対して当該不動産の所有権が買主に移転していないことを主張することができるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:28
  • 平成21年度主要民事判例解説
    007 民法|民法総則
    東京地裁平成20年12月19日判決

    宮崎拓也   

    商流に介入して締結された売買契約の目的物が無価値であった場合に買主の錯誤を理由に当該売買契約が無効とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:30
  • 平成21年度主要民事判例解説
    008 民法|民法総則
    名古屋地裁一宮支部平成20年12月16日判決

    髙島由美子   

    交通事故による損害賠償の示談について,要素の錯誤による一部無効が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:32
  • 平成21年度主要民事判例解説
    009 民法|民法総則
    [①事件]最高裁第三小法廷平成21年4月14日判決
    [②事件]最高裁第二小法廷平成21年9月11日判決(平21(受)第138号)
    [③事件]最高裁第二小法廷平成21年9月11日判決(平19(受)第1128号)

    三宅康弘   

    1 貸金業者が,借主に対し,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法があるとされた事例(①事件) 2 貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとされた事例(②事件) 3 貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例(③事件)

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:34
  • 平成21年度主要民事判例解説
    010 民法|民法総則
    東京高裁平成21年5月14日判決

    国分貴之   

    1 土地賃借人と賃貸借土地所有権の取得時効の援用の可否 2 土地及び賃借権の取得時効完成後に当該賃貸借土地を強制競売により取得して所有権移転登記を了した者が,土地賃借人に対する関係で背信的悪意者に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:38
  • 平成21年度主要民事判例解説
    011 民法|民法総則
    東京高裁平成20年10月30日判決

    齋藤岳彦   

    国有財産特別措置法5 条1 項5 号に基づき,土地の一括譲与を受けた地方公共団体が時効完成後の譲受人として,登記の欠缺を主張することが信義誠実の原則に反するとして制限された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:40
  • 平成21年度主要民事判例解説
    012 民法|民法総則
    東京地裁平成21年3月30日判決

    梶智紀   

    被相続人が実質所有していた借用名義株について,その相続人の一人が民法163 条に基づき株主権を時効取得することが認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:42
  • 平成21年度主要民事判例解説
    013 民法|民法総則
    東京高裁平成20年7月31日判決

    飯淵健司   

    社団たる医療法人がその存続中に退社した社員に対して出資金を返還すべき場合の返還額

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:44
  • 平成21年度主要民事判例解説
    014 民法|物権
    大阪地裁平成20年10月31日判決

    樋口正樹   

    1 再生債務者は民法177 条「第三者」に当たるか 2 再生手続開始前に登記を経なかった根抵当権者による,(1)再生債務者に対する根抵当権設定登記手続,(2)監督委員に対するその登記手続への同意の各請求がいずれも棄却された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:46
  • 平成21年度主要民事判例解説
    015 民法|物権
    東京高裁平成20年12月18日判決

    滝澤孝臣   

    神社が宗教法人法に基づく法人格を取得した場合と法人格を取得する以前に国から無償で貸与を受けて境内地として占有していた土地に対する占有の性質の変更

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:48
  • 平成21年度主要民事判例解説
    016 民法|物権
    横浜地裁平成20年6月27日判決

    吉野内庸子   

    併合審理された占有回収の訴えと本権の訴えにおいて,侵奪者の悪意の承継人であると認めて占有権に基づく占有回復請求権としての明渡請求を認容し(占有回収の訴え),留置権の抗弁を認めて所有権に基づく明渡請求(本権の訴え)を棄却した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:50
  • 平成21年度主要民事判例解説
    017 民法|物権
    東京地裁平成21年2月25日判決

    石川真紀子   

    借地人が借地上に建てた建物とその借地の隣接地上にある建物がその障壁を除去する等の工事により一棟の建物となった場合には,民法244 条の類推適用により,工事前にあった二棟の建物は附合し,各建物の所有者が共有する建物となった場合において,借地人が,当該工事を認識し認容していたことをもって,隣接地上にある建物の所有者に対し,借地権の一部を譲渡し,又は当該借地の一部を転貸したものといえ,民法612 条による土地賃貸借契約の解除が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:52
  • 平成21年度主要民事判例解説
    018 民法|物権
    最高裁第一小法廷平成20年7月17日判決

    日野直子   

    入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて,構成員全員が訴訟当事者として第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否(積極)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:54
  • 平成21年度主要民事判例解説
    019 民法|物権
    東京地裁平成19年11月14日判決

    加本牧子   

    マンションの区分所有者が管理費及び修繕積立金を滞納し続けた行為が,建物の区分所有等に関する法律6 条1 項の定める共同利益背反行為に当たり,かつ,他の方法によっては当該行為による区分所有者の共同生活上の著しい障害を除去してその共同生活の維持を図ることが困難な場合であるとして,同法59 条1 項に基づく競売請求が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:56
  • 平成21年度主要民事判例解説
    020 民法|物権
    最高裁第一小法廷平成21年4月23日判決

    渡辺健司   

    建物の区分所有等に関する法律70 条の憲法29 条適合性

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:58
  • 平成21年度主要民事判例解説
    021 民法|担保物権
    大阪地裁平成21年4月16日判決

    芹澤俊明   

    1 会社更生法88 条1 項の「支払の停止」に弁済期未到来の債務を支払うことができない旨の表示行為が含まれるか 2 同項の「支払の停止」のうち黙示的な支払停止の存否の判断基準 3 権利変動の対抗要件の否認における支払不能の要否とその立証責任の所在 4 2の黙示的な支払停止があると認められた事例 5 3の支払不能の不存在が認められなかった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:60
  • 平成21年度主要民事判例解説
    022 民法|債権総論
    東京地裁平成21年3月25日判決

    豊島英征   

    訴訟提起の遅延について,弁護士に債務不履行責任が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:62
  • 平成21年度主要民事判例解説
    023 民法|債権総論
    最高裁第二小法廷平成21年3月27日判決

    加藤新太郎   

    譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することの可否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:64
  • 平成21年度主要民事判例解説
    024 民法|債権総論
    名古屋高裁平成20年10月23日判決

    村田渉   

    クラブ(飲食店)を経営する会社の代表取締役が退任した際,会社との委任契約に基づく業務引継義務違反があったなどとして,債務不履行及び民法651 条2 項に基づく損害賠償請求がされた事案において,実質的には,いわゆる雇われママにすぎず,委任契約が適用されるべき代表取締役であったとは認められないとして責任が否定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:66
  • 平成21年度主要民事判例解説
    025 民法|債権総論
    最高裁第三小法廷平成21年3月24日判決

    浅井憲   

    相続人のうちの1 人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:68
  • 平成21年度主要民事判例解説
    026 民法|契約
    大阪高裁平成20年3月26日判決

    石黒清子   

    エンドユーザーが商品の売買契約を締結するに際して,直接の契約関係には立たない当該商品のメーカーが,信義則上,説明(情報提供)義務を負わねばならない場合について判示した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:70
  • 平成21年度主要民事判例解説
    027 民法|契約
    大阪地裁平成20年5月14日判決

    徳田祐介   

    弁護士が,法人から管理を依頼されて保管していた金員を,法人の代表者の親族によって私的に流用されることを知りながら,法人に返還した行為について,委任契約上の債務不履行に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:72
  • 平成21年度主要民事判例解説
    028 民法|契約
    千葉地裁平成19年8月30日判決

    和根﨑直樹   

    たこ焼き店のフランチャイズ契約の締結に際して,フランチャイザーが,自営業を営んだことのない主婦のフランチャイジー候補者(加盟候補者)に対し,その自己資金だけでは開業することが困難となるであろうことを告げず,初期投資総額の見込額等を記載した文書を交付せずに,加入金等を入金させた後にその不返還を定めた契約書に署名押印させるなどしたことが,加盟候補者に対し同契約を締結してフランチャイジーになるか否かにつき自由に意思決定をするに足りる必要かつ十分な情報を適時かつ正確に提供・開示すべき信義則上の義務を尽くしたとはいえないと判断するなど,フランチャイズ契約で問題となる多数の争点につき判断した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:74
  • 平成21年度主要民事判例解説
    029 民法|契約
    最高裁第二小法廷平成21年1月19日判決

    森鍵一   

    修繕義務の不履行に基づき賃貸人が賠償すべき損害(営業利益)の範囲と,賃借人の損害軽減義務

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:76
  • 平成21年度主要民事判例解説
    030 民法|契約
    最高裁第二小法廷平成21年7月17日判決

    安福達也   

    自動車の買主が,当該自動車が車台の接合等により複数の車台番号を有することが判明したとして,錯誤を理由に売買代金の返還を求めたのに対し,売主が移転登録手続との同時履行を主張することが信義則上許されないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:78
  • 平成21年度主要民事判例解説
    031 民法|契約
    東京高裁平成18年12月26日判決

    小野裕信   

    建築請負工事の請負人が特定建設業の許可を受けていなかったことや契約締結交渉中の一時期に一般建設業の許可を失効させていたこと等による注文者からの信義則違反を理由とする無催告解除を否定し,民法641 条に基づく注文者の損害賠償責任を認めたが,請負人に生じた損害の2 割を過失相殺により減額するのが相当であるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:80
  • 平成21年度主要民事判例解説
    032 民法|契約
    最高裁第二小法廷平成20年7月4日判決

    須藤典明   

    コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンの運営会社はその加盟店に対し加盟店に代わって注文し支払った商品仕入代金の具体的内容等について報告義務を負うとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:82
  • 平成21年度主要民事判例解説
    033 民法|契約
    最高裁第一小法廷平成21年1月22日判決

    鎌田泉   

    1 金融機関の預金者に対する預金口座の取引経過開示義務の有無(積極) 2 共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否(積極)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:84
  • 平成21年度主要民事判例解説
    034 民法|契約
    大阪高裁平成20年4月30日判決

    真野さやか   

    1 商業ビルの1 フロアの建物賃貸借契約における賃料増額請求について,賃貸借契約が締結された当時から,借地借家法32 条1 項所定の経済的事情等は,賃料増額の要因となる方向に変動していないが,賃貸借契約締結当時に,賃貸人が賃借人の事情に配慮して賃料を低額にし,賃借人もそのような賃貸人の配慮を認識することができたという現行賃料額決定の経緯等を考慮して,同項に基づく賃料増額請求権を認めた事例 2 相当賃料額の算定にあたり,当事者双方から提出された私的鑑定,裁判所による鑑定の各内容の合理性を検討し,裁判所による鑑定の一部を修正して相当賃料額を算定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:86
  • 平成21年度主要民事判例解説
    035 民法|契約
    札幌高裁平成21年2月27日判決

    波床昌則   

    携帯電話の無線基地局用の電波塔設置を内容とするマンションの屋上の賃貸借について,建物区分所有法17 条1 項及び管理規約にいう「共用部分の変更」には当たらず,管理組合が契約を有効に締結するためには総会で普通決議の要件を満たしていれば足りるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:88
  • 平成21年度主要民事判例解説
    036 民法|不当利得
    [①事件]最高裁第一小法廷平成21年1月22日判決
    [②事件]最高裁第三小法廷平成21年3月3日判決
    [③事件]最高裁第二小法廷平成21年3月6日判決
    [④事件]最高裁第二小法廷平成21年7月17日判決

    長尾貴子   

    1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入債務に充当する旨の合意を含む場合における,上記取引により生じた過払返還請求権の消滅時効の起算点(①,②,③事件) 2 過払金返還請求権の消滅時効が継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点から進行する場合と当該過払金に対する民法704 条所定の利息の発生時期(④事件)

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:90
  • 平成21年度主要民事判例解説
    037 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成21年4月28日判決

    葛西功洋   

    公立小学校の教員が,女子数人を蹴るなどの悪ふざけをした2 年生の男子を追い掛けて捕まえ,胸元をつかんで壁に押し当て大声で叱った行為が,国家賠償法上違法とはいえないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:94
  • 平成21年度主要民事判例解説
    038 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成20年4月15日判決

    朝倉亮子   

    弁護士会の設置する人権擁護委員会所属の弁護士が受刑者からの人権救済の申立てを受けた調査のため申し入れた他の受刑者との接見を拒否した刑務所長の措置につき,国賠法1 条1 項にいう違法がないとした事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:96
  • 平成21年度主要民事判例解説
    039 民法|不法行為
    東京地裁平成21年3月24日判決

    金子順一   

    1 国立大学法人の職員による職務行為は,国家賠償法1 条1 項の「公務員」による「公権力の行使」に当たるとされた事例 2 国立大学法人が国家賠償法1 条1 項の責任を負う場合,職員個人は責任を負わないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:98
  • 平成21年度主要民事判例解説
    040 民法|不法行為
    東京地裁平成20年11月12日判決

    松井雅典   

    1 警察署長が振り込め詐欺に使用されている疑いがあるとして,金融機関に対し,その管理する口座の取引停止(凍結)を依頼するに際して被害者と想定している者本人から事情を聴取するなどして,説明の真偽を確認すべき義務があるとされた事例 2 警察署長から振り込め詐欺に使用されている疑いがあるとして,その管理する口座の取引停止(凍結)を依頼された金融機関において,更に振り込め詐欺の疑いについて調査する義務はないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:100
  • 平成21年度主要民事判例解説
    041 民法|不法行為
    仙台高裁平成20年3月19日判決

    蛭川明彦   

    1 国家賠償法3 条2 項の「内部関係でその損害を賠償する責任ある者」 2 県費負担教職員の違法行為により発生した賠償債務を支払った県が,学校の設置者である市に対して,国家賠償法3 条2 項に基づき求償権を行使した事案において,市が「内部関係でその損害を賠償する責任ある者」に該当するとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:102
  • 平成21年度主要民事判例解説
    042 民法|不法行為
    東京高裁平成19年12月17日判決

    阿保賢祐   

    医療法人の営業譲渡に関する契約締結上の過失を理由として慰謝料の支払を命じた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:104
  • 平成21年度主要民事判例解説
    043 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成21年3月10日判決

    真鍋美穂子   

    第三者の土地上に存在しその土地所有権の行使を妨害している動産について,当該動産の購入代金を立替払した者が,立替払債務の担保として当該動産の所有権を留保し,買主との契約上,期限の利益喪失による残債務全額の弁済期の到来前は当該動産を占有,使用する権限を有せず,その経過後は買主から当該動産の引渡しを受け,これを売却してその代金を残債務の弁済に充当できるとしているときは,当該所有権留保権者は,立替払債権の上記弁済期が到来するまでは,特段の事情がない限り,当該動産の撤去義務や不法行為責任を負うことはないが,上記弁済期が経過した後は,留保された所有権が担保権の性質を有するからといって,撤去義務や不法行為責任を免れることはできないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:106
  • 平成21年度主要民事判例解説
    044 民法|不法行為
    福岡高裁平成21年4月10日判決

    星野雅紀   

    パチンコ等遊技場に連れて来られた女児がその親の遊戯中に店外に出て交通事故で死亡した事故とパチンコ等遊技場の安全配慮義務

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:108
  • 平成21年度主要民事判例解説
    045 民法|不法行為
    名古屋高裁平成20年7月17日判決

    都築民枝   

    展覧会のために無償で貸し出された美術品について,「ドア・トゥー・ドアの過程において生ずる全ての事柄は美術館が保証」する旨の保証条項のある「貸し出しに関する要項・同意書」が作成されているときであっても,貸出前に発生していた損傷又は経時劣化による損傷若しくは修理の必要のない損傷に対しては,借主は責任を負わないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:110
  • 平成21年度主要民事判例解説
    046 民法|不法行為
    大阪地裁平成21年2月16日判決

    平城恭子   

    第三者の不法行為によって生じた事故を原因として被害者に支給された労災保険の休業給付及び障害一時金を,第三者の被害者に対する損害賠償債務についての遅延損害金に充当することの可否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:112
  • 平成21年度主要民事判例解説
    047 民法|不法行為
    最高裁第二小法廷平成21年9月4日判決

    坂野征四郎   

    貸金業者が借主に貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成する場合

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:114
  • 平成21年度主要民事判例解説
    048 民法|不法行為
    最高裁第二小法廷平成21年3月27日判決

    和久一彦   

    全身麻酔と局所麻酔の併用による手術中に生じた麻酔による心停止が原因で患者が死亡した場合において,麻酔医に各麻酔薬の投与量を調整すべき注意義務を怠った過失があり,同過失と死亡との間に相当因果関係があるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:116
  • 平成21年度主要民事判例解説
    049 民法|不法行為
    最高裁第二小法廷平成19年7月6日判決

    大門宏一郎   

    建物の設計者,施工者又は工事監理者が,建築された建物の瑕疵により生命,身体又は財産を侵害された者に対し不法行為責任を負う場合

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:118
  • 平成21年度主要民事判例解説
    050 民法|不法行為
    東京地裁平成21年5月20日判決

    古田利雄   

    共用サーバホスティングサービスの利用者にプログラムの作成管理を委託していた者等が,同ホスティングサービス事業会社に対し,サーバの故障によってプログラム及びデータが消失したことにつき,不法行為による損害賠償を求め,これが棄却された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:120
  • 平成21年度主要民事判例解説
    051 民法|不法行為
    東京地裁平成20年11月27日判決

    吉田尚弘   

    土地の売買による所有権移転登記手続を受任した司法書士が,買主に対し,売主についての誤った本人確認情報を提供したことにつき,不法行為責任が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:122
  • 平成21年度主要民事判例解説
    052 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成20年10月7日判決

    松葉佐隆之   

    交通事故の加害者が被害者に賠償すべき人的損害の額の算定に当たり,被害者の父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づき被害者が支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:124
  • 平成21年度主要民事判例解説
    053 民法|不法行為
    東京地裁平成18年7月28日判決

    吉井隆平   

    飲酒運転中の交通事故について,運転者と共に長時間飲酒した非同乗者について民法719 条2 項に基づく責任を肯定する一方,同乗も飲酒も共にしていなかった運転者の妻についてはその責任を否定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:126
  • 平成21年度主要民事判例解説
    054 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成21年4月28日判決

    飯田恭示   

    被害者を殺害した加害者が,被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため,被害者の相続人がその事実を知り得ないまま20 年以上が経過した後の損害賠償請求につき,民法724 条後段の除斥期間の適用はないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:128
  • 平成21年度主要民事判例解説
    055 民法|不法行為
    東京高裁平成20年2月20日判決

    日下部克通   

    外務省機密漏えい事件についての謝罪文交付・慰謝料請求訴訟控訴審判決 1 時効停止の規定を手掛かりとして民法724 条後段の効果を制限するための要件 2 有罪判決を受けた者からの検察官の再審請求権不行使の違法を理由とする国家賠償請求の可否(消極)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:130
  • 平成21年度主要民事判例解説
    056 民法|不法行為
    最高裁第三小法廷平成20年6月10日判決

    山之内紀行   

    不法行為に基づく損害賠償請求事件において,民訴法248 条により相当な損害額が認定されるべきであるとした事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:132
  • 平成21年度主要民事判例解説
    057 民法|不法行為
    東京地裁平成20年2月15日判決

    森田淳   

    不法行為による損害賠償請求権を法人の益金として計上すべき事業年度

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:134
  • 平成21年度主要民事判例解説
    058 民法|親族
    東京家裁平成21年3月30日審判

    近藤ルミ子   

    性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3 条1 項3 号の要件について,未成年の子が婚姻したことにより成年擬制が及ぶため「現に未成年の子がいない」場合に該当するとして申し立てられた男から女への性別の取扱いの変更申立てが,法の趣旨に反し,申立権の濫用にあたるとして却下された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:136
  • 平成21年度主要民事判例解説
    059 民法|親族
    大阪高裁平成20年10月8日決定

    榮春彦   

    婚姻費用分担の指針(基礎収入の評価)・稼働能力の評価の指針

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:138
  • 平成21年度主要民事判例解説
    060 民法|親族
    東京家裁平成20年7月31日審判

    志村由貴   

    別居中の妻が夫に対して婚姻費用の分担を申し立てた場合において妻と同居している未成年者の子に対する実質的な監護費用に相当する部分を除いた妻自身の生活費に相当する部分の申立てが権利の濫用として許されないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:140
  • 平成21年度主要民事判例解説
    061 民法|親族
    大阪高裁平成21年1月16日決定

    二本松利忠   

    未成年者の心情の成長にとって重要であるとして,非監護親(父)との直接の面接交渉を認めた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:142
  • 平成21年度主要民事判例解説
    062 民法|親族
    東京高裁平成20年9月16日決定

    永山倫代   

    渉外子の監護に関する処分事件について,日本に国際裁判管轄を認めることができないとして申立てを却下した原審判が是認された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:144
  • 平成21年度主要民事判例解説
    063 民法|親族
    東京高裁平成20年5月14日判決

    村重慶一   

    有責配偶者である夫からの離婚請求を認容した原判決を取り消し,請求を棄却した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:146
  • 平成21年度主要民事判例解説
    064 民法|親族
    名古屋高裁平成20年4月8日判決

    髙橋信幸   

    別居から3 年3 か月の夫婦について,婚姻関係が改善することが期待でき,いまだに破綻しているとまではいえないとして,夫の離婚請求を認容した原判決を取り消し,請求を棄却した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:148
  • 平成21年度主要民事判例解説
    065 民法|親族
    名古屋高裁平成20年12月25日判決

    若林昌子   

    親子関係不存在確認請求控訴事件判決「藁の上からの養子」に対する親子関係不存在確認請求が著しく不当な結果をもたらすとまではいえず,権利の濫用にあたらないとして,請求が認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:150
  • 平成21年度主要民事判例解説
    066 民法|親族
    神戸家裁姫路支部平成20年12月26日審判

    中山直子   

    いわゆる代理出産により出生した養子となる者と卵子及び精子を提供した申立人ら(養親)との特別養子縁組の成立を認めた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:152
  • 平成21年度主要民事判例解説
    067 民法|親族
    青森家裁十和田支部平成20年3月28日審判

    南敏文   

    アメリカ人夫婦を養親とする養子縁組について隠れた反致を認めて特別養子縁組を認めた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:154
  • 平成21年度主要民事判例解説
    068 民法|親族
    福島家裁平成19年10月31日審判

    松原正明   

    民法892条の「著しい非行」に該当するものとして,推定相続人の廃除が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:156
  • 平成21年度主要民事判例解説
    069 民法|親族
    最高裁第二小法廷平成21年4月17日判決

    中路義彦   

    1 出生した子につき住民票の記載を求める親からの申出に対し特別区の区長がした上記記載をしない旨の応答は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか 2 母がその戸籍に入る子につき適法な出生届を提出していない場合において,特別区の区長が住民である当該子につき上記母の世帯に属する者として住民票の記載をしていないことが違法ではないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:158
  • 平成21年度主要民事判例解説
    070 民法|親族
    名古屋高裁平成20年2月1日決定

    牧真千子   

    年金分割についての原則的按分割合0.5 を変更すべき特段の事情があるとはいえないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:160
  • 平成21年度主要民事判例解説
    071 民法|相続
    大阪高裁平成20年11月28日判決

    稲田龍樹   

    共同相続人が相続し,準共有状態にある株式に関する権利行使者の指定及び株主総会での議決権行使が権利の濫用であって,許されないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:162
  • 平成21年度主要民事判例解説
    072 民法|相続
    大阪高裁平成20年10月24日決定

    大谷太   

    被相続人のいとこの子及びその配偶者である被相続人の成年後見人が特別縁故者に当たるとして相続財産の一部分与をした原審判を変更し,分与額を増額した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:164
  • 平成21年度主要民事判例解説
    073 民法|相続
    東京地裁平成20年11月13日判決

    東條宏   

    弁護士が関与して作成された公正証書遺言につき,遺言能力がなく,口授の要件を満たさないとして,無効とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:166
  • 平成21年度主要民事判例解説
    074 民法|相続
    東京高裁平成20年12月26日決定

    杉田薫   

    危急時遺言が遺言者の真意に出たものであるとするには,確信の程度に及ぶ必要はないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:170
  • 平成21年度主要民事判例解説
    075 民法|相続
    最高裁第一小法廷平成20年12月11日判決

    下澤良太   

    遺産分割調停調書に,相続人が遺産取得の代償としてその所有する建物を他の相続人に譲渡する旨の条項がある場合において,上記調書を添付してされた上記建物の所有権移転登記申請につき,登記原因証明情報の提供を欠くことを理由に却下した処分が違法とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:172
  • 平成21年度主要民事判例解説
    076 商事法|商事法一般
    東京高裁平成21年1月29日判決

    藤倉徹也   

    税理士が,相続税の期限後納付後に依頼を受けた更正の請求を怠り,依頼者に対して還付を受けられなかった税額に相当する額を損害賠償として支払った場合における,税理士職業賠償責任保険の契約約款に規定する免責条項(平成16 年7 月の改訂後のもの)の適用の有無

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:174
  • 平成21年度主要民事判例解説
    077 商事法|商事法一般
    最高裁第一小法廷平成21年6月4日判決

    橋本耕太郎   

    店舗総合保険契約に適用される普通保険約款中に,保険の目的が受けた損害に対して支払われる水害保険金の支払額につき上記損害に対して保険金を支払うべき他の保険契約があるときには同保険契約に基づく保険給付と調整する旨の条項がある場合における同条項にいう「他の保険契約」の意義

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:176
  • 平成21年度主要民事判例解説
    078 商事法|商事法一般
    最高裁第三小法廷平成21年6月2日判決

    新田和憲   

    1 生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676 条2 項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」に当たるか(①事件) 2 死亡給付金の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合における死亡給付金受取人の確定方法についての年金共済約款の解釈(②事件)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:178
  • 平成21年度主要民事判例解説
    079 商事法|商事法一般
    最高裁第二小法廷平成20年2月15日判決

    中山誠一   

    証券取引法(平成16年法律第97号による改正前のもの)17条に定める損害賠償責任の責任主体は,同法による発行者等に限定されないとした例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:180
  • 平成21年度主要民事判例解説
    080 商事法|会社法
    最高裁第三小法廷平成21年2月17日判決

    草野真人   

    株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じた時は持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:182
  • 平成21年度主要民事判例解説
    081 商事法|会社法
    最高裁第一小法廷平成21年7月9日判決

    松嶋隆弘   

    上場企業において内部統制システム構築義務違反の有無が問題となった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:184
  • 平成21年度主要民事判例解説
    082 商事法|会社法
    東京高裁平成20年9月24日判決

    松阿彌隆   

    役員退職慰労金内規に各役位別在任年数に役位別定額を乗じ,その合計(基本的退職金部分)をもって役員退職慰労金とし,功労加算ができる旨の定めがあり,減額や不支給の定めがない場合において,退任取締役に対する役員退職慰労金の支給に関し,会社内規に従い,金額,時期,方法については取締役会に一任する旨の株主総会決議があったときは,会社は,取締役会の決議を経ずとも,基本的退職金部分について役員退職慰労金の支払義務を負うとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:186
  • 平成21年度主要民事判例解説
    083 商事法|会社法
    最高裁第二小法廷平成21年4月17日判決

    山田知司   

    株式会社の代表取締役がした重要業務執行について取締役会決議を欠くことを理由とする無効主張は,会社以外の者は原則としてできない

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:188
  • 平成21年度主要民事判例解説
    084 商事法|会社法
    最高裁第三小法廷平成21年3月10日判決

    山口和男   

    株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:190
  • 平成21年度主要民事判例解説
    085 商事法|会社法
    最高裁第一小法廷平成21年1月15日決定

    難波孝一   

    会計帳簿等の閲覧謄写請求に関する最高裁決定 株主から会社に対する会計帳簿等の閲覧謄写請求に対し,会社がこれを拒絶するための要件としては,当該株主が会社と競業をなすものであるなどという客観的事実のみで足り,主観的要件までは不要とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:192
  • 平成21年度主要民事判例解説
    086 商事法|会社法
    最高裁第二小法廷平成21年4月17日判決

    本間健裕   

    株式会社の取締役又は監査役の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けても,上記訴訟についての訴えの利益は当然には消滅しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:194
  • 平成21年度主要民事判例解説
    087 民事訴訟法|判決手続
    最高裁第二小法廷平成20年7月18日決定

    片田信宏   

    地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合における同申立てを却下する旨の判断と地方裁判所の裁量

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:196
  • 平成21年度主要民事判例解説
    088 民事訴訟法|判決手続
    大阪地裁平成20年11月28日判決

    髙瀬保守   

    マンション管理組合を原告とする訴訟について,当該管理組合の内部の部会の代表者には当該管理組合の代表権がないとして,補正を命じることなく訴えを却下した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:198
  • 平成21年度主要民事判例解説
    089 民事訴訟法|判決手続
    最高裁第三小法廷平成20年11月25日決定

    武田瑞佳   

    1 金融機関を当事者とする民事訴訟の手続の中で,当該金融機関が顧客から守秘義務を負うことを前提に提供された非公開の当該顧客の財務情報が記載された文書につき,文書提出命令が申し立てられた場合において,上記文書が民訴法220 条4 号ハ所定の文書に該当しないとされた事例 2 金融機関を当事者とする民事訴訟の手続の中で,当該金融機関が行った顧客の財務状況等についての分析,評価等に関する情報が記載された文書につき,文書提出命令が申し立てられた場合において,上記文書が民訴法220条4 号ハ所定の文書に該当しないとされた事例 3 事実審である抗告審が民訴法223 条6 項に基づき文書提出命令の申立てに係る文書をその所持者に提示させ,これを閲読した上でした文書の記載内容の認定を法律審である許可抗告審において争うことの許否

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:200
  • 平成21年度主要民事判例解説
    090 民事訴訟法|判決手続
    最高裁第一小法廷平成21年1月15日決定

    佐賀義史   

    情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその開示を命じることの可否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:204
  • 平成21年度主要民事判例解説
    091 民事訴訟法|判決手続
    最高裁第三小法廷平成21年9月15日判決

    原啓一郎   

    宗教法人から擯斥処分を受けた住職に対して,宗教法人の所有する寺院土地の明渡しを求める訴えが,法律上の争訟に当たらず,不適法とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:206
  • 平成21年度主要民事判例解説
    092 民事訴訟法|民事執行
    [①事件]東京高裁平成20年11月6日決定(平20(ラ)1516号)
    [②事件]東京高裁平成20年11月6日決定(平20(ラ)1517号)

    浦木厚利   

    1 執行官の仮差押えの執行処分に対する執行異議の申立てを却下する裁判に対して,執行抗告をすることは許されない 2 追徴保全命令に基づく仮差押えの執行において,国の差押禁止動産の範囲変更を求める申立てが理由がないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:208
  • 平成21年度主要民事判例解説
    093 民事訴訟法|民事執行
    東京地裁平成20年11月17日判決

    内藤和道   

    1 金銭債権の債務名義について民事執行法23 条3 項を類推適用することの可否(消極) 2 権利能力なき社団の資産である不動産を目的とする強制執行のための執行文付与の方法

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:210
  • 平成21年度主要民事判例解説
    094 民事訴訟法|民事執行
    東京高裁平成20年10月1日決定

    井上泰人   

    債権差押命令の申立て前に債務者が持参した執行停止文書を裁判所が受理した場合と当該裁判所にその後に債権者がした債権差押命令の申立てに及ぼす影響

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:212
  • 平成21年度主要民事判例解説
    095 民事訴訟法|民事執行
    福岡高裁那覇支部平成21年5月20日決定

    榊原信次   

    無剰余を理由として強制競売の手続を取り消した決定に対する執行抗告において,優先債権者の同意を得たことが抗告審で証明されたことから,強制競売の手続を取り消す必要がないとして,原決定が取り消された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:214
  • 平成21年度主要民事判例解説
    096 民事訴訟法|民事執行
    最高裁第三小法廷平成21年7月14日判決

    志田博文   

    債権配当において,配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えて計算された金額の配当を受けることができるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:216
  • 平成21年度主要民事判例解説
    097 民事訴訟法|民事執行
    福岡高裁平成20年5月29日判決

    富田美奈   

    執行官が茶葉に対して行った動産執行が違法であり,これにより差押債務者に損害を生じさせたが,その額を立証することが極めて困難であるとして民事訴訟法248 条に基づき相当な損害額が認定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:218
  • 平成21年度主要民事判例解説
    098 民事訴訟法|民事執行
    東京高裁平成20年11月7日決定

    前澤利明   

    銀行の特定の普通預金口座に係る普通預金債権及び既発生利息債権を差し押さえるべき債権であるとしつつ,その時的範囲として,「命令送達の時から3 営業日以内に上記口座にかかる普通預金債権となる部分(本命令送達の時に存在する預金及び同日を含む3 営業日が経過するまでに受入れた金員によって構成される部分)」とした債権差押命令の申立てが,差押債権の特定を欠くとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:220
  • 平成21年度主要民事判例解説
    099 民事訴訟法|民事執行
    最高裁第二小法廷平成21年4月24日判決

    髙部眞規子   

    間接強制金の不当利得返還請求事件 保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において,当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,不当利得返還請求をすることの可否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:222
  • 平成21年度主要民事判例解説
    100 民事訴訟法|民事執行
    東京高裁平成20年10月31日決定

    宮永忠明   

    動産競売開始の許可決定の決定書正本による財産開示手続の可否(消極)

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:224
  • 平成21年度主要民事判例解説
    101 民事訴訟法|民事執行
    東京高裁平成20年5月26日決定

    園尾隆司   

    動産売買先取特権の物上代位による建物工事請負代金債権差押えの申立てにつき,請求債権の実体は請負契約に基づく債権であり,差押債権についても転売代金債権と同視しうる特段の事情が認められないとしてこれを却下した原決定を維持した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:226
  • 平成21年度主要民事判例解説
    102 民事訴訟法|民事執行
    東京高裁平成21年1月8日決定

    新谷貴昭   

    債務者につき破産手続開始決定がされた後,破産管財人が抗告人の債務者に対する債権差押命令の執行手続の取消しを上申したことを受けて,執行裁判所が同債権差押命令を取り消した原決定を是認した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:228
  • 平成21年度主要民事判例解説
    103 民事訴訟法|民事執行
    大阪高裁平成21年6月3日決定

    大門匡   

    集合債権譲渡担保権に対する担保権実行手続中止命令(民事再生法31 条)の類推適用の可否及び可とする場合における「不当な損害を及ぼすおそれ」の判断基準

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:230
  • 平成21年度主要民事判例解説
    104 民事訴訟法|民事保全
    名古屋高裁平成20年10月14日決定

    菊地浩明   

    債務名義を有する債権者が債務者所有の不動産に対して強制競売の申立てをしたが,無剰余を理由に強制競売の手続が取り消された場合について,権利保護の必要性があるとしてこの不動産につき仮差押命令を申し立てることができるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:232
  • 平成21年度主要民事判例解説
    105 民事訴訟法|民事保全
    東京地裁平成21年8月13日決定

    新井紅亜礼   

    1 契約上の不作為請求権に基づき会員に対する年会費徴収行為が差し止められた事例 2 仮処分命令の中で間接強制額20 億円の支払が認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:234
  • 平成21年度主要民事判例解説
    106 民事訴訟法|民事保全
    福岡地裁久留米支部平成21年3月27日決定

    八槇朋博   

    暴力団組事務所として使用されている建物について,その周辺住民が建物の使用の差止め等を求めた仮処分が一部認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:236
  • 平成21年度主要民事判例解説
    107 民事訴訟法|倒産手続
    大阪地裁平成20年10月31日判決

    内田義厚   

    委託を受けない保証人が主債務者の破産手続開始後に取得した事後求償権を自働債権とする相殺が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:238
  • 平成21年度主要民事判例解説
    108 民事訴訟法|倒産手続
    最高裁第三小法廷平成20年12月16日判決

    藤井正夫   

    いわゆるフルペイアウト方式のファイナンス・リース方式のファイナンス・リース契約においてユーザーに民事再生手続開始の申立があったことを解除事由とする特約の効力

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:240
  • 平成21年度主要民事判例解説
    109 民事訴訟法|倒産手続
    東京地裁平成20年11月10日判決

    荒井章光   

    再生手続中に再生債務者である賃借人が不動産賃貸借契約の中途解約を申し入れた後,再生手続が廃止されて破産手続が開始された場合において,中途解約に伴う違約金債権は破産債権に該当するが,解約後の不動産占有を理由とする不当利得返還請求権は財団債権に該当するとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:242
  • 平成21年度主要民事判例解説
    110 民事訴訟法|倒産手続
    東京高裁平成21年7月7日決定

    影浦直人   

    土地付き戸建分譲を主たる事業とする再生債務者所有の販売用土地が,担保権消滅請求における「当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことができないもの」との要件を充たすとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:244
  • 平成21年度主要民事判例解説
    111 知的財産法|特許
    知的財産高裁平成20年8月26日判決

    辻居幸一   

    「英語辞書を引く方法」事件 「英語辞書を引く方法」の「発明」該当性

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:246
  • 平成21年度主要民事判例解説
    112 知的財産法|特許
    知的財産高裁平成20年5月30日判決

    美勢克彦   

    ソルダーレジスト(除くクレーム)大合議事件

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:248
  • 平成21年度主要民事判例解説
    113 知的財産法|特許
    知的財産高裁平成21年1月28日判決

    田中成志   

    回路用接続部材事件 発明の容易想到性の判断基準

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:250
  • 平成21年度主要民事判例解説
    114 知的財産法|特許
    知的財産高裁平成21年5月29日判決

    城山康文   

    パシーフカプセル30mg 事件 「有効成分」及び「効能・効果」を同じくする別の医薬品につき薬事法所定の承認が先行して存在することを理由として特許権の延長登録出願を拒絶した審決につき,誤りがあるとしてこれを取り消した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:252
  • 平成21年度主要民事判例解説
    115 知的財産法|特許
    知的財産高裁平成20年7月14日判決

    大野聖二   

    生海苔異物除去機再審事件 特許無効確定に基づく特許権侵害差止認容確定判決に対する再審請求において,再審該当性が問題となった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:254
  • 平成21年度主要民事判例解説
    116 知的財産法|特許
    最高裁第三小法廷平成21年1月27日決定

    松本直樹   

    仮処分事件でも秘密保持命令があり得るとした最高裁決定

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:256
  • 平成21年度主要民事判例解説
    117 知的財産法|商標
    最高裁第二小法廷平成20年9月8日判決

    中平健   

    つつみのおひなっこや 「つつみのおひなっこや」の文字を横書きし,土人形等を指定商品とする商標と,いずれも土人形を指定商品とする「つゝみ」又は「堤」の文字からなる引用商標が類似しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:258
  • 平成21年度主要民事判例解説
    118 知的財産法|商標
    知的財産高裁平成20年6月26日判決

    岡本岳   

    コンマー/ CONMER 商標事件 剽窃的出願による商標の商標法4条1項7号「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標」該当性

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:260
  • 平成21年度主要民事判例解説
    119 知的財産法|商標
    知的財産高裁平成20年3月19日判決

    坂本三郎   

    ELLEGARDEN 事件 「ELLE」の文字からなる著名な原告商標とロックバンド名である「ELLEGARDEN」の文字からなる被告標章との類否につき,取引の実情を考慮して類似性を否定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:262
  • 平成21年度主要民事判例解説
    120 知的財産法|商標
    東京地裁平成20年12月26日判決

    末吉亙   

    黒烏龍茶事件 1 原告の商品表示の周知性を肯定しつつ,その著名性を否定した事例 2 原告の商品表示と被告らの二種類の商品表示との類否について,一方については類似性を肯定し,他方については類似性を否定した事例 3 原告の商品と被告らの商品とを比較する広告が原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するものであるとされた事例 4 登録商標の使用が商標としての使用に当たらないとされた事例 5 商品のデザインの著作物性が否定された事例 6 製造業者と販売業者の関係にある被告らの関連共同性が肯定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:264
  • 平成21年度主要民事判例解説
    121 知的財産法|著作権
    知的財産高裁平成20年9月30日判決

    柵木澄子   

    土地宝典事件 1 土地宝典について著作物性を認めた事例 2 国が,本訴請求に係る各土地宝典を各法務局に備え置いて利用者に貸し出すとともに,各法務局内に設置されたコインコピー機を用いた利用者による無断複製行為を放置していたことは,不特定多数の第三者による本件土地宝典の複製権侵害行為を幇助したものであって,国は,共同不法行為者とみなされるから,不法行為による使用料相当額の損害を賠償すべき責任を負うとされた事例 3 国は,民法703 条所定の利益を受けたとは認められないとして,不法行為の消滅時効が完成した期間に係る不当利得返還請求が認められなかった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:266
  • 平成21年度主要民事判例解説
    122 知的財産法|著作権
    知的財産高裁平成20年7月30日判決

    大西勝滋   

    黒澤映画DVD事件 旧著作権法の下で製作・公表された映画について,その著作者である映画監督の実名を表示して興行された著作物であり,同法6 条にいう団体名義の著作物には当たらないとして,著作権の存続期間の満了が否定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:268
  • 平成21年度主要民事判例解説
    123 知的財産法|著作権
    東京地裁平成20年5月28日判決

    宮川美津子   

    ロクラクⅡ事件第1審判決 インターネットを介したテレビ番組の録画・視聴サービスの提供者が,複製行為の主体とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:270
  • 平成21年度主要民事判例解説
    124 渉外
    仙台地裁平成21年3月19日判決

    島岡大雄   

    船舶が最初に到達した地を管轄する裁判所に提起された外国船籍の船舶間の公海上での衝突事故に基づく外国法人間の損害賠償の訴えにつき,民訴法5 条10 号の裁判管轄が認められず,我が国で裁判を行うことが当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期するという理念に反する特段の事情があるとして,我が国の国際裁判管轄が否定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:272
  • 平成21年度主要民事判例解説
    125 渉外
    東京地裁平成20年6月11日判決

    小池晴彦   

    我が国に普通裁判籍を有さない外国会社の取締役の責任を追及する訴えについて,我が国の裁判所の国際裁判管轄が否定された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:274
  • 平成21年度主要民事判例解説
    126 渉外
    東京地裁平成20年3月19日判決

    本多知成   

    外国会社への法人格否認の主張と国際裁判管轄

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:276
  • 平成21年度主要民事判例解説
    127 渉外
    福岡高裁平成21年2月10日判決

    目代真理   

    アルゼンチンで発生した日本人運転者の交通事故により日本人同乗者が死亡した交通事故についてアルゼンチン法を準拠法とした上で,アルゼンチン民法を適用して損害賠償額を算定することは公序に反するとして,その適用を排除した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:278
  • 平成21年度主要民事判例解説
    128 行政法|租税
    最高裁第二小法廷平成20年9月12日判決

    谷口哲也   

    宗教法人が死亡したペットの飼い主から依頼を受けて葬儀等を行う事業が法人税法2 条13 号所定の収益事業に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:280
  • 平成21年度主要民事判例解説
    129 行政法|租税
    最高裁第三小法廷平成20年9月16日判決

    濱口浩   

    PHS 事業者が事業の用に供したエントランス回線利用権につき,1 回線に係る権利が,それぞれ一つの減価償却資産であり,法人税法施行令(平成16 年政令第101 号による改正前のもの)133条所定の少額減価償却資産に当たるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:282
  • 平成21年度主要民事判例解説
    130 行政法|租税
    最高裁第二小法廷平成21年7月10日判決

    太田幸夫   

    法人税の確定申告において配当等に係る所得税額控除の計算を誤って控除金額を過少に記載したことを理由とする更正の請求が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:284
  • 平成21年度主要民事判例解説
    131 行政法|租税
    福岡高裁平成20年10月21日判決

    太田幸夫   

    建物譲渡による損失について損益通算を廃止した租税特別措置法を公布日前の譲渡に遡及適用することが憲法84 条の趣旨に反しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:286
  • 平成21年度主要民事判例解説
    132 行政法|租税
    東京地裁平成20年8月28日判決

    髙須要子   

    1 租税特別措置法(平14 法79 号改正前)40 条の4 第1 項は,日星租税協定7 条1 項に違反しないとされた事例 2 租税特別措置法40 条の4 第3 項が規定する適用除外要件のうち,非持株会社等基準を充足しないから同条1 項に基づく課税処分が適法とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:288
  • 平成21年度主要民事判例解説
    133 行政法|地方自治
    最高裁第三小法廷平成21年7月7日判決

    田中良武   

    市議会の会派に交付する政務調査費の使途を「会派が行う」調査研究活動と定める函館市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則(平成13 年函館市規則第4 号)の下で,会派の代表者の承認を得て政務調査費が会派から所属議員に支出された場合において,議員が行う調査研究活動は所属会派の代表者の承認があるだけでは「会派が行う」ものとはいえないとし,上記の支出は上記の定めに適合しないとした原審の判断に違法があるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:290
  • 平成21年度主要民事判例解説
    134 行政法|地方自治
    大阪地裁平成20年5月16日判決

    光岡弘志   

    1 同一の行政処分について取消訴訟と無効確認訴訟が併合提起された場合における無効確認訴訟の訴えの利益の有無(原則消極) 2 地方自治法126 条ただし書に基づいて地方議会議長がした地方議会議員の辞職許可処分が取り消された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:292
  • 平成21年度主要民事判例解説
    135 行政法|地方自治
    最高裁第三小法廷平成21年4月28日判決

    加藤就一   

    市が発注した工事に関し談合したとされる業者らに対して市長が不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことが違法な怠る事実に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:294
  • 平成21年度主要民事判例解説
    136 行政法|地方自治
    最高裁第一小法廷平成21年4月23日判決

    高橋心平   

    住民訴訟弁護士報酬請求訴訟最高裁判決 1 地方自治法(平成14 年法律第4 号による改正前のもの)242 条の2 第7 項にいう「相当と認められる額」の意義及び算定基準 2 地方自治法(平成14 年法律第4 号による改正前のもの)242 条の2 第7 項にいう「相当と認められる額」についての原審の認定判断に違法があるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:296
  • 平成21年度主要民事判例解説
    137 行政法|行政法一般
    最高裁第二小法廷平成21年6月5日判決

    佐久間健吉   

    浄化槽の清掃により引き出される汚泥等の収集運搬に必要な一般廃棄物収集運搬業の許可を有しない者に対してされた浄化槽清掃業不許可処分を違法とした原審の判断に違法があるとして差し戻された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:298
  • 平成21年度主要民事判例解説
    138 行政法|行政法一般
    最高裁第三小法廷平成20年11月25日判決

    杉山正己   

    建築基準法第3 章の規定が適用されるに至った際,幅員4m 未満の道のうち一方の端から特定の地点までの部分には現に建築物が立ち並んでいたが,同地点から他方の端までの部分には建築物が存在しなかった場合において,後者の部分が同法42 条2 項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:300
  • 平成21年度主要民事判例解説
    139 行政法|行政法一般
    最高裁第一小法廷平成20年2月28日判決

    長屋文裕   

    生活保護下のバンコク渡航事件 生活保護を受け始めて間もない時期に外国への渡航費用を支出した者に対する,同渡航費用の金額を超えない金額を生活扶助の金額から減じて差し引く旨の保護変更決定が,適法であるとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:302
  • 平成21年度主要民事判例解説
    140 行政法|行政法一般
    東京高裁平成21年8月5日判決

    一原友彦   

    旧軍人として戦病死した亡夫が無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていた妻の旧恩給法72 条1 項の「遺族」としての恩給(公務扶助料)の受給権は,離婚無効の判決が確定して戸籍の訂正がされるまでの間,その権利の行使について法律上の障害があり,時効消滅しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:306
  • 平成21年度主要民事判例解説
    141 行政法|行政訴訟
    大阪地裁平成21年1月30日決定

    髙橋信慶   

    1 学校設置条例(昭和39 年大阪市条例第57 号)の一部を改正する条例(平成20 年大阪市条例第86 号)の制定によって養護学校が廃止されたことが,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例 2 相手方がした養護学校の廃止が,その裁量権の範囲を超え,又はこれを濫用したものということはできず,違法であるとはいえないとして,行政事件訴訟法25 条4 項の「本案について理由がないとみえるとき」に該当するとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:308
  • 平成21年度主要民事判例解説
    142 行政法|行政訴訟
    長野地裁平成20年7月4日判決

    西口元   

    産業廃棄物処理業を営む原告に公共下水道を使用させる義務があるとして,被告に対し,公共下水道を使用させることを命じた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:310
  • 平成21年度主要民事判例解説
    143 行政法|行政訴訟
    大阪地裁平成20年12月25日判決

    片山健   

    公立学校の教職員の勤務評定制度に基づく自己申告票の提出義務の不存在確認の訴えについて,確認の利益が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:312
  • 平成21年度主要民事判例解説
    144 行政法|行政訴訟
    最高裁第二小法廷平成21年2月27日判決

    西川知一郎   

    自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者が,当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:314
  • 平成21年度主要民事判例解説
    145 行政法|行政組織
    最高裁大法廷平成21年9月30日判決

    吉野内謙志   

    公職選挙法14 条・別表第3 の参議院選挙区選出議員の議員定数配分規定の合憲性

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:318
  • 平成21年度主要民事判例解説
    146 行政法|情報公開
    東京地裁平成21年5月27日判決

    杜下弘記   

    渋谷区長車等ガソリン明細書事件 情報公開条例に基づいて公開請求された公文書の存否

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:320
  • 平成21年度主要民事判例解説
    147 行政法|情報公開
    最高裁第一小法廷平成21年7月9日判決

    宇賀克也   

    出所情報ファイルの有効活用等を要請する通達文書の不開示決定の適法性

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:322
  • 平成21年度主要民事判例解説
    148 行政法|情報公開
    大阪地裁平成21年5月15日判決

    桃崎剛   

    平成19 年度全国学力・学習状況調査(本件調査)における各中学校別平均点の情報(本件情報)公開請求につき,枚方市情報公開条例(本件条例)6 条4 号の「市が国,他の地方公共団体又はこれらに準ずる団体(国等)と協力して行う事務事業又は国等から依頼,協議等を受けて行う事務事業に関して作成し,又は取得した情報であって,公開することにより,市と国等との協力関係を著しく損なうと認められるもの」(国等協力関係情報)に該当するとした非公開決定が適法とされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:324
  • 平成21年度主要民事判例解説
    149 行政法|情報公開
    名古屋地裁平成20年1月31日判決

    高石直樹   

    開示請求権者の子の死亡に係る死体見分調書中の飛降現場断面図及び現場見取図並びに「死体の状況」及び「見分官の判断」のうち,犯罪捜査に係る着眼点,捜査手法及び関心事項に関する情報並びに写真撮影報告書中の写真及び写真撮影の状況に関する情報が,いずれも愛知県個人情報保護条例(平成16 年愛知県条例第66 号。平成19 年愛知県条例第47 号による改正前のもの)17条6 号所定の非開示事由に該当しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:326
  • 平成21年度主要民事判例解説
    150 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成20年11月18日判決

    木村元昭   

    1 会社を退職した従業員の会社に対する競業避止義務が認められるとされた事例 2 競業避止義務に基づき退職した従業員が本判決確定から2 年間上記会社が施工ないしフランチャイズ事業化している技術と同一内容の技術を用いた事業を行うことの差止請求等が認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:328
  • 平成21年度主要民事判例解説
    151 労働法|個別労働関係
    福岡高裁平成21年2月9日判決

    白石哲   

    三菱長崎造船所じん肺事件第2 審判決 造船所やその下請会社などで稼働していた労働者がじん肺に罹患したことにつき,造船所経営会社の安全配慮義務違反が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:330
  • 平成21年度主要民事判例解説
    152 労働法|個別労働関係
    札幌高裁平成20年8月29日判決

    三浦隆志   

    ホテル従業員の石綿ばく露労災損害賠償訴訟控訴審判決 昭和39 年ころからホテルの設備係として勤務してきた者が悪性胸膜中皮腫に罹患して死亡したことにつき,同疾患の原因が多量の石綿(アスベスト)を吸引する可能性の高い作業に従事したことによるものであり,使用者であるホテルの経営会社に安全配慮義務違反があったとして,遺族の損害賠償請求が認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:332
  • 平成21年度主要民事判例解説
    153 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成20年9月10日判決

    蓮井俊治   

    適格年金制度の廃止が有効であり,年金の分配に関し,債務不履行があったとはいえないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:334
  • 平成21年度主要民事判例解説
    154 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成20年9月22日判決

    上田賀代   

    1 配転命令が不当労働行為に該当して無効であり,不法行為にも該当するとして,労働者及び組合の損害賠償請求を認めた事例 2 使用者の取引先による組合からの脱退勧奨と評価される事実が認められないとして,労働者及び組合につき,団結権侵害による損害賠償を認めなかった事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:336
  • 平成21年度主要民事判例解説
    155 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成21年1月19日判決

    中園浩一郎   

    公立学校教員が,再雇用・再任用職員の採用選考において,卒業式の国歌斉唱の際に起立斉唱するよう命じる校長の職務命令に違反したことにより戒告処分を受けたことを理由に不合格とされたことについて,教育委員会に裁量権の逸脱・濫用があるとして,国家賠償請求が認容された事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:338
  • 平成21年度主要民事判例解説
    156 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成20年6月13日判決

    松本光一郎   

    外資系金融企業の従業員が懲戒解雇され,解雇無効を主張して地位確認訴訟(前訴)を提起して敗訴した後,追加退職金の支払を求める訴訟(後訴)を提起し,追加退職金規定上の不支給事由に該当する事由があるか否かが争点となった事案において,追加退職金は労基法上の「賃金」にあたらず,追加退職金を不支給とするためには勤続の功労を抹消するほどの背信性がある場合に限られないが,後訴を提起することが信義則上許されないとはいえないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:340
  • 平成21年度主要民事判例解説
    157 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成20年5月20日判決

    足立堅太   

    日本美術刀剣保存協会事件 1 ほぼ60 歳で退職した後,有期の嘱託で雇用され,雇止め時点で年金受給可能な年齢に達していた場合,若年労働者ほどには雇用継続の必要性も強いとはいえず,解雇権濫用法理を類推すべきものとはならないとされた事例 2 雇止めについて,①期間の定めのある契約と実質的に異ならない状態になっておらず,②雇用継続の期待が不十分で解雇権濫用法理の類推適用がなされない場合でも,恣意的な理由による雇止めは許されず,契約の終了には合理的な事由が必要であるとされた事例 3 定年を間近に控えた原告らにつき,特に終期を定めず,地位を確認し,賃金等の請求を認容した事例

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:342
  • 平成21年度主要民事判例解説
    158 労働法|個別労働関係
    東京地裁平成21年5月18日判決

    増尾崇   

    技術者の精神障害につき,複数の要因が重層的に発生して心理的負荷を亢進させたとして業務起因性が認められた事例

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  • 平成21年度主要民事判例解説
    159 労働法|団体労働関係
    東京地裁平成21年4月22日判決

    又賀輝子   

    個人業務委託契約を締結しているカスタマーエンジニアは,会社の事業組織の中に組み入れられており,その労働力の処分につき会社から支配監督を受け,これに対して対価を受けていると評価できるから,労組法上の労働者にあたるとされた例

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  • 平成21年度主要民事判例解説
    160 労働法|団体労働関係
    東京地裁平成21年6月25日判決

    中垣内健治   

    1 単位労働組合の下部組織である組合支部についても,当該支部限りの交渉事項に当たるものについては,組合本部の統制に服するものの独自に団体交渉を行う権限があり,当該支部による団体交渉申入れの交渉議題は,当該支部限りの交渉事項であり,組合本部が当該支部の団体交渉権限に制約を加えていない場合には,当該支部と使用者との間の義務的団体交渉事項であるとされた事例 2 使用者には,組合支部限りの団体交渉事項について,当該支部との間で個別の団体交渉に応じる義務があり,当該支部が組合本部及び組合各支部が提示した団体交渉の議題を一括して取り上げる方式(連名方式)による団体交渉を拒否しているのに,使用者が前記方式による団体交渉に固執して実質的な交渉に入れなかった場合には,使用者が当該支部との間の団体交渉を実質的に拒否したものと評価できるとされた事例

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