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1 加入電話契約者はNTTに対し加入電話契約者の息子が無断で利用した有料情報サービス(いわゆるダイヤルQ2)についての情報料の支払義務を負うか(消極) 2 NTTが右加入電話契約者に対し右有料情報サービスの利用に要した通話料の支払を請求することは信義則に反し許されないとされた事例
室田則之
大阪地裁平5.3.22
準禁治産者がした金員借入れに伴う根抵当権設定契約の締結について、詐術を用いたとして、右契約の取消しを認めなかった事例
佐藤陽一
名古屋高裁平4.6.25
1 準禁治産者が金銭借用に際し、住民票謄本、社会保険証を提示し、長年会社に勤務して相当の収入があると述べる等判示のような言動をとったとしても、詐術に当たらないとされた事例 2 保佐人の事後同意または法定同意があるとの貸主の主張が否定された事例
齊木敏文
名古屋地裁平4.10.7
株式会社の従業員株主と従業員持株会との間の全株式を持株会理事長に管理信託して持株会所有株式の共有持分を有する旨の契約が公序良俗に反し無効とされた事例
畔柳正義
東京地裁平4.4.17
1 親権者の代理権濫用行為と民法93条但書 2 親権者において子を代理してその所有する不動産を第三者の担保に供する行為と代理権の濫用
都築民枝
最高裁第一小法廷平4.12.10
民事調停法に基づく調停の申立てと民法151条による時効中断の効力
加藤美枝子
最高裁第二小法廷平5.3.26
建築基準法上の道路位置指定を受けている共有土地の分割請求の可否(積極)
松山恒昭
東京地裁平4.2.28
縦割りの区分所有建物である6階建ビルディングの専有部分と敷地の共有持分についての共有物分割請求において、部屋ごとに分割し、それに付随する敷地利用権を一体として区分所有権を分割した事例
草野芳郎
東京地裁平4.5.6
マンションの管理人室が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分(区分所有権の目的たる建物部分)に当たらないとされた事例
橋本眞一
最高裁第二小法廷平5.2.12
譲渡担保設定者の所有者利益と保険者の支払保険金額算定方法
都築弘
最高裁第二小法廷平5.2.26
共同抵当権の目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合と後順位抵当権者の代位
三浦潤
最高裁第二小法廷平4.11.6
被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」として設定された根抵当権の被担保債権と保証債権
原啓一郎
最高裁第三小法廷平5.1.19
1 同一の債権についての差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明な場合の差押債権者と債権譲受人との間の優劣(同順位) 2 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明な場合の当該債権についての供託金の還付請求権の帰属(案分)
宮川博史
最高裁第三小法廷平5.3.30
抵当権の被担保債権が弁済によって消滅した後に譲渡され、債務者が異議を留めないで債権譲渡を承諾した場合であっても、右弁済前の第三取得者に対する関係において、抵当権は復活しない
林圭介
最高裁第三小法廷平4.11.6
預金者以外の者が真正なキャッシュカードを使用し、正しい暗証番号を入力して現金自動支払機から預金の払戻しを受けた場合、カード取引規定の免責約款により銀行は免責されるとされた事例
杉田雅彦
最高裁第二小法廷平5.7.19
譲渡禁止の特約のある債権が譲渡された場合において、債務者からなされた民法494条に基づく債権者不確知供託が有効であるとされた事例
東京地裁平4.11.27
1 加入電話契約者以外の者が右契約者に無断でその加入電話から有料情報サービス(ダイヤルQ2)を利用した場合において、加入電話契約者が情報料債務を負担する根拠と解し得る約款などがないとして、加入電話契約者は情報料債務を負わないとされた事例 2 右の場合において、有料情報サービスの利用にかかるダイヤル通話料債務につき、右サービスがNTTの創設にかかるものであることや本件当時(平成2年末頃)の状況などからNTTが過大な通話料を請求することが信義則に反し許されないとされた事例
島岡大雄
リース会社が、ユーザーのリース料不払を理由にリース契約を解除した上、ユーザーに約定の残リース料相当損害金全額を請求することが、信義則上認められないとされた事例
山田徹
福岡高裁平4.1.21
クレジットカードがカード会員の家族によって不正使用された場合に、カード会員の支払義務はカード利用限度額の範囲に制限されるとした事例
牧野英之
大阪地裁平5.10.18
坑内において削岩作業に従事した労働者のじん肺罹患について使用者に安全配慮義務違反による損害賠償責任が肯定された事例 -日鉄鉱業松尾採石所じん肺訴訟控訴審判決
岩田好二
東京高裁平4.7.17
1 元請会社の下請会社従業員に対する安全配慮義務を認めた事例 2 トンネル工事、石炭採掘等を業とする4会社等に順次勤務している間に粉じんを吸入し、じん肺に罹患した労働者に対して、右4会社が損害全部について連帯して安全配慮義務違反による損害賠償義務を負うとされた事例 3 安全配慮義務違反による損害賠償請求権の消滅時効の起算日は、量も重い行政上の決定を受けた時であるとされた事例 -千葉じん肺訴訟第1審判決
安原清蔵
千葉地裁平5.8.9
競落された建物の敷地利用権が否定された場合と競売による売買契約の解除
安藤一郎
大阪高裁平5.2.26
1 民法566条3項にいう1年の期間の性質 2 瑕疵担保による損害賠償請求権の除斥期間と裁判上の権利行使の要否
山﨑英二
最高裁第三小法廷平4.10.20
委任者が受任者との間でした自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約と委任者の死亡による契約の終了
金山直樹
最高裁第三小法廷平4.9.22
株券を預かった受託者は特段の事情がない限り同種同量の株券を寄託者に返還すれば寄託契約上の返還義務を免れるとされた事例
相澤哲
東京地裁平5.2.25
経営委託契約名下になされた鉄道高架下施設物の一部分の利用を店舗等の賃貸借契約と解し、借家法の適用を認めた事例
石黒清子
最高裁第一小法廷平4.2.6
借地人の供託した著しく低額な賃料額と借地法12条2項の相当賃料
塩崎勤
最高裁第一小法廷平5.2.18
賃料増額請求権の行使と一定期間経過の要否
最高裁第二小法廷平3.11.29
1 賭博外国ツアー契約につき法例30条(平成元年法27号改正前)による公序条項の適用が否定され、賭博地の法律が適用された事例 2 刑事押収物の国庫帰属と実体法上の権利者による不当利得返還請求の可否(積極) 3 金銭引渡請求権の侵害に対して不当利得返還請求が認められた事例-ラスヴェガス賭博旅行事件
沼田寛
東京地裁平5.1.29
1 不法行為と同一の原因によって被害者又はその相続人が第三者に対して取得した債権の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲 2 地方公務員等共済組合法(昭和60年法律第108号による改正前のもの)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によって死亡した場合にその相続人が被害者の死亡を原因として受給権を取得した同法の規定に基づき遺族年金の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲
倉田卓次
最高裁大法廷平5.3.24
自動車損害賠償保障法10条の構内自動車が道路を走行中に事故が発生した場合に政府の自動車損害賠償保障事業の適用があるか(積極)
大工強
最高裁第三小法廷平5.3.16
損害賠償の算定に当たって加害行為前から存在した被害者の疾患をしんしゃくすることの可否(積極)
田村洋三
最高裁第一小法廷平4.6.25
日本に研修滞在中交通事故に遭い死亡した外国人の逸失利益の算定基準について
浦木厚利
東京地裁平5.1.28
交通事故の被害者がその後水難事故により死亡した場合、後遺障害による逸失利益の賠償は死亡時までに限られるか(積極)
彦坂孝孔
東京高裁平4.11.26
収入に労働能力喪失率を乗じて後遺障害による逸失利益を算定する場合、収入の額は統計上の平均給与額によるのが合理的であるとされた事例
貝阿彌誠
東京高裁平4.5.25
重篤救急患者のための第3次医療機関である市立病院が交通事故の被害者の受入れを拒否したことについて正当事由の存在を肯認し得ないとして不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例
齋藤隆
神戸地裁平4.6.30
紛争の一方当事者が他方当事者に宛てた私信及び民事訴訟において提出した準備書面について、第3の紛争当事者に対する関係で、私信につき名誉棄損の成立が認められ、準備書面につき名誉棄損の成立が否定された事例
市川昇
東京地裁平4.8.31
写真週刊誌の記事による名誉侵害(不法行為)の成否を判断するにつき、いわゆる相当性の理論と公正な論評の法理に基づく免責を否定した事例
萩原秀紀
東京高裁平4.12.28
1 故意の共同不法行為者間の損害賠償請求ないし求償と民法708条の適否 2 故意の共同不法行為者間の損害賠償請求ないし求償につき、民法708条の精神等により請求の一部を認容した事例
笹村將文
名古屋地裁平4.11.9
登記義務者の娘夫婦から保証書の作成依頼を受けた者が右の事実を知りながら登記義務者本人に代理権授与等の事実を確認することなく保証書を作成した場合において右の保証書によりなされた所有権移転登記を信頼して融資及び根抵当権の設定をした者からの保証書作成者に対する損害賠償請求が認められた事例
齋藤憲次
東京高裁平4.3.25
利息制限法違反、割賦販売法違反の内容が含まれる準消費貸借契約公正証書の作成を代理人として嘱託した司法書士及び公証人に過失が認められた事例-釧路違法公正証書損害賠償請求訴訟第一審判決
井上直哉
釧路地裁平5.5.25
無免許運転で現行犯逮捕された女性被疑者に対する全裸の身体検査が違法であるとして損害賠償が認められた事例
中本敏嗣
東京高裁平4.9.24
私立大学の応援団員が上級生から暴行を受けて死亡した事故につき学校法人の使用者責任が認められた事例
増永謙一郎
最高裁第三小法廷平4.10.6
地方公共団体が溜池を事実上管理しているとはいえないとして国家賠償法2条1項の責任が否定された事例
金子順一
最高裁第三小法廷平4.3.3
別荘地内に高層リゾートマンションが築造されたことにより、別荘からの眺望が阻害されたとして、別荘所有者から求めた右阻害による資産価値の低下についての損害賠償が認められた事例
加登屋健治
大阪地裁平4.12.21
1 民事上の請求として自衛隊機の離着陸等の差止請求をする訴えは許されない 2 国に対する米軍機の離着陸の差止請求は認められない 3 自衛隊機・米軍機の騒音等による損害賠償請求において、飛行場の使用・供用が高度の公共性を有することだけで右被害が受忍限度の範囲内にあるとすることはできない
秋武憲一
最高裁第一小法廷平5.2.25
暴力団組長の自宅について、暴力団組事務所等として使用される可能性が高いとして、周辺住民がした人格権に基づく暴力団組事務所等としての使用の差止め請求が認められた事例
濱口浩
大阪高裁平5.3.25
P4実験室を利用してP4レベルのDNA組換え実験をしてはならないとの差止めが認められるか(消極)、同実験がなされた場合に損害賠償請求が認められるか(消極) -P4施設利用差止め等請求事件
中村哲
水戸地裁土浦支部平5.6.15
自己の不貞行為につき夫の許しを得た妻からの離婚請求
岡光民雄
東京高裁平4.12.24
妻との性交渉を拒否し、ポルノビデオを見ながら自慰行為に耽るなどの夫の行為が婚姻を継続し難い重大な事由に該当するとされた事例
山野井勇作
福岡高裁平5.3.18
1 夫婦の一方が婚姻中に他方の協力の下に稼働して得た収入で取得した財産は、実質的には夫婦の共有財産であるとされた事例 2 別居の際に持ち出された夫婦の実質的な共有財産の最終的帰属は、財産分与の際に決すべきであるとされた事例
北野俊光
東京地裁平4.8.26
重婚的内縁関係にあった妻に対し、戸籍上の氏を亡夫の氏に変更することを許可した例
島田充子
横浜家裁平4.7.8
父母が事実上離婚状態にある場合であっても、民法766条、家事審判法9条1項乙類4号を準用又は類推適用して、家庭裁判所が子の監護者を定めることはできないとした事例
田中優
高松高裁平4.8.7
産後の過労による精神不安定等から別居した妻が夫を相手方として乳児院に入所中の両名間の双子に対する面接交渉を求めた事案について、乳児院において同職員の同席のもとで毎月1回の面接交渉を認めた事例
深見玲子
大阪高裁平4.7.31
婚姻中の夫婦の一方が別居状態にある他方の監護している子について面接交渉権の行使として調整を求めることはできず、家庭裁判所も右権利の具体的行使等について審判することはできないとされた事例
田中由子
別居中の夫婦間の人身保護法に基づく幼児引渡請求において、拘束の顕著な違法性を肯定するには、拘束者による幼児の監護が子の幸福に反することが明白であることを要するか(積極)
吉田欣子
最高裁第三小法廷平5.10.19
第三者による養子縁組無効確認と訴えの利益
矢田廣髙
大阪高裁平4.5.27
民法891条5号所定の相続欠格事由となる遺言書の隠匿にあたらないとした事例
安倍晴彦
神戸地裁平4.3.27
1 推定相続人廃除申立を却下した審判に対する即時抗告申立事件において、相手方(被抗告人)らには、廃除事由に該当する重大な侮辱があるとして、原審判を取り消し、廃除を認めた事例 2 娘が暴力団員と婚姻し、父母が婚姻に反対なのに、父の名で披露宴の招待状を出すなどしたときに、娘を推定相続人から廃除できるとされた事例
東條宏
東京高裁平4.10.14
非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた民法900条4号ただし書前段の規定は、憲法14条1項の規定に違反する
田中恒朗
東京高裁平5.6.23
持回りで遺産分割協議がされる場合における合意成立の要件
近藤宏子
仙台高裁平4.4.20
包括遺贈に対し複数の遺留分権利者のした減殺請求権の行使と受遺者と共同相続人との法的関係-その場合に生じた共有関係の解消と訴訟手続によることの適否
東京高裁平4.9.29
土地の生前贈与に対する遺留分減殺請求により生じる共有の性質と遺産分割との関係
長秀之
東京高裁平5.3.30
特定の相続人に「相続させる」旨の遺言で対象になった土地について、第三者が所有権の確認と所有権移転登記手続を求める訴訟において、遺言執行者は被告適格を有するか(消極)
竹下史郎
東京地裁平4.4.14
1 被相続人と相続人との間の贈与契約の成立が否定された事例 2 「相続させる」趣旨の遺言について、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時に直ちに当該遺産が当該相続人に承継されるとの効果を認めることのできない特段の事情があるとされた事例
西口元
東京地裁平4.9.22
1 遺産分割終了後に認知を受けた相続人が行う相続分相当の価額請求は家事審判事項ではなく訴訟事項である 2 上記価額請求の申立が、審判として申立てられ、その後調停に付されたが、それも不成立となり、結局審判事項でないとして右申立が却下された場合でも、民法153条の催告があった場合に該当し、審判係属中は時効中断の効力を有するし、また、家事審判法26条2項を類推適用して、却下の審判ないし抗告審の決定正本を受領したときから2週間以内に訴えを提起すれば、審判申立のときに訴えの提起があったものとみなすのが相当である
鈴木經夫
名古屋高裁金沢支部平4.4.22
特別縁故者に対する相続財産分与の申立人の地位は相続されるか(積極)
松原正明
大阪高裁平4.6.5
1 公正証書遺言が遺言能力を欠き(アルツハイマー型痴呆)無効とされた事例 2 公正証書遺言が遺言能力を欠き(老人性痴呆)無効とされた事例 3 禁治産者のなした公正証書遺言が有効とされた事例
村重慶一
東京地裁平4.6.19
受遺者の選定を遺言執行者に委託する旨の遺言が有効とされた事例
山﨑勉
重婚的内縁の妻に対する全財産の包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例
原島克己
仙台高裁平4.9.11
方式違背により自筆遺言証書としては無効な書面につき死因贈与の意思表示の趣旨を含むものとは認められないなどとして死因贈与書面への転換が否定された事例
飯塚圭一
仙台地裁平4.3.26
遺留分減殺を理由とする共有持分移転の仮登記仮処分の申請人の負うべき疎明の内容
相澤眞木
東京高裁平4.11.6
婚姻費用分担義務は、夫婦間の扶養義務に関するものとして、扶養義務の準拠法に関する法律により、扶養権利者の常居所地法により規律される
南敏文
神戸家裁平4.9.22
相続分及び遺留分につき日本民法と異なる割合を定める中華民国民法の適用と公序
信濃孝一
東京地裁平4.6.26
手持金を貸し付ける貸金業者の貸付行為は、商法502条8号所定の「両替其他ノ銀行取引」には該当せず、また貸金業者であるというだけでは商人とはいえず、その者の貸付行為を商行為と推定すべき根拠はないとした事例
太田剛彦
東京高裁平4.4.28
住宅火災保険の目的建物が譲渡された場合において保険者への承認請求前の事故につき保険者は免責される旨の普通保険約款の解釈
佐賀義史
保険事故が保険契約者・被保険者の故意によるものとして保険会社の免責が認められた事例
大沼洋一
最高裁第二小法廷平4.12.18
著しく長期間に及ぶ就労拒否行為が健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格喪失事由に当たるとされた事例
生田治郎
仙台高裁平4.12.22
説明義務違反、議案審議の瑕疵などを理由としてされた株主総会決議取消の訴えが棄却された事例 -東京電力株式会社株主総会決議取消請求事件判決
三木昌之
東京地裁平4.12.24
取締役及び監査役を選任した株主総会決議について、右株主総会開催について取締役の決議も、招集通知もされていない場合、右招集手続における瑕疵が重大でなくかつ決議に影響を及ぼさないとして決議取消請求を裁量棄却した事例
丸地明子
高松高裁平4.6.29
会社の支配権維持を目的とする新株発行と取締役の損害賠償責任
長野益三
京都地裁平4.8.5
顧客に損失を補填した証券会社の取締役に対する株主代表訴訟が、経営判断の原則の適用、損益相殺等を理由に棄却された事例 -野村証券損失補填事件
青沼潔
東京地裁平5.9.16
株主代表訴訟において、被告取締役らが不相当に多額の借入れをし、それを資金として株式投資を行ったことは、会社に対する善管注意義務に違反するとして、株主の請求が認容された事例 -日本サンライズ損害賠償株主代表訴訟
川畑正文
東京地裁平5.9.21
取締役の報酬を無報酬に変更する旨の株主総会決議と取締役報酬請求権の帰すう
山口和男
弁護士である小会社の監査役について、任務懈怠による第三者に対する損害賠償責任が認められた事例
河野泰義
株主と主張する者の提起した新株発行不存在確認の訴えが訴えの利益を欠き不適法であるとされた事例
寳金敏明
最高裁第一小法廷平4.10.29
融通手形の被裏書人から右手形の交付を受けた第3者であっても、被融通者の責任で右手形の決済をする旨約するなどの事情があるときには、右手形の振出人に対し手形金の支払を請求することは信義に反し許されないとされた事例
春日通良
東京高裁平4.10.21
1 専属的管轄の合意は契約締結自体等を不法行為とする損害賠償請求訴訟にも適用される 2 著しい訴訟の遅滞を避けるために専属的合意管轄の裁判所に移送しないで受訴裁判所で審理できるとした事例
髙橋徹
仙台地裁平4.9.25
家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い
池田辰夫
縁組無効確認請求事件につき、準禁治産者である養親に意思能力が認められないとして訴えが却下された事例
宇田川基
浦和地裁平4.5.29
1 遺産分割調停の無効確認の訴えは、固有必要的共同訴訟である 2 (1)遺産分割協議の無効確認を求める訴えは固有必要的共同訴訟である (2)固有必要的共同訴訟において共同訴訟人とすべき者の一部を遺脱しているのに、第一審がこれを看過して実体判決をした場合、控訴審において右の者が共同訴訟参加をすることによって、右訴訟の欠缺は補正される (3)右第1審の判決が認容判決であり、控訴審の結論が第一審判決主文と合致する場合であっても原判決は取り消すべきである
島内乘統
福岡高裁平4.10.29
遺産確認の訴えは、これを提起した相続人の一人に、前訴の既判力により、被告に対し相続に基づく共有持分権を主張することができない者がいても適法である
仙波英躬
東京高裁平4.12.17
公示送達によって送達された判決に対する控訴期間経過後の控訴につき、控訴の追完が認められた事例
内藤正之
最高裁第三小法廷平4.4.28
更正決定にあたり判決確定後に提出された資料により明白な誤謬の有無を判断できるとされた事例
大阪高裁平4.11.30
1 和解調書の更正決定の許容される範囲-賃貸借終了に基づく施設の明渡を前提として成立した和解調書について右明渡条項を付加する旨の更正決定が違法とされた事例 2 和解調書の記載内容の同一性を阻害する更正決定がされた場合において当事者からの不服申立てがないままに確定したときと右更正決定の効力(無効) 3 和解調書の債務者に実体法上給付義務が存する場合において当該給付を命ずる更正決定が確定したときとその更正決定の違法を主張する請求異議訴訟の適否(積極)
後藤勇
東京高裁平4.6.22
役員退職慰労金贈呈の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該決議と同一内容の決議がされた場合と訴えの利益 -ブリヂストン株主総会決議取消上告審判決
吉川義春
1 旧請求の既判力に抵触するため、新請求に基づいて別訴を提起することができなくなるときは、請求の基礎に変更はないものとして請求の変更が許容された事例 2 新請求を追加して主位的請求とし、旧請求を予備的請求とするには、被告の同意が必要であるとされた事例
黒津英明
別訴において訴訟物となっている債権を自働債権とする相殺の抗弁は許されるか(消極)
和根崎直樹
最高裁第三小法廷平3.12.17
1 訴状の有効な送達のないままされた判決が確定した場合と民訴法420条1項3号の再審事由 2 再審事由を現実に了知することができない場合と民訴法420条1項ただし書の適用
東松文雄
最高裁第一小法廷平4.9.10
不動産競売事件において差押の直前に競売物件を占有した第三者に対し、(1)建物退去、(2)執行官保管をそれぞれ命ずる売却のための保全処分が認められた事例
三代川俊一郎
東京地裁平4.7.23
不動産競売事件において、債務者・所有者以外の第三者は、民事執行法55条、77条の保全処分の相手方となるか(消極(1)(3)(4)(6)、積極(2)(5))
松丸伸一郎
大阪地裁平5.4.6
不動産競売事件において、当初の最低売却価額を2回の評価により合計約55パーセント減額したことが違法でないとされた事例
江口とし子
東京高裁平5.3.3
1 「不動産の引渡しを困難にする行為をするおそれがある」として、執行官保管の買受人のための保全処分が認められた事例 2 差引納付の申し出をした買受人に売却代金を納入させることなく買受人のための保全処分が認容された事例
中山節子
東京地裁平4.10.21
1 競売の申立債権の被担保債務者が、抵当権の設定登記前から建物を使用している場合でも、この者に対する引渡命令が認められる可能性が大きいとした事例 2 物件明細書に引渡命令の発令可能性が大きい旨の記載がされた事例
澤野芳夫
東京地裁平4.7.8
土地建物共同根抵当権設定後、建物を取り壊して建物を再築し、再築建物に旧建物と同一の順位、内容の抵当権等が追加設定された場合の法定地上権の成否及び国税債権との優劣
上田正俊
東京地裁平4.12.14
預金債権に対する差押命令申立書の差押債権の記載につき、金融機関の取扱店舗を特定せず、「第三債務者方の複数の支店に債務者の預金が存するときは、第三債務者における支店番号の若い支店から順次充当し」とするのみでは、差押債権が特定されているとはいえない
岡本岳
東京地裁平5.3.3
抵当証券に基づく不動産競売申立てにおいて、抵当証券に記載されている弁済期が未到来であるとき、抵当証券に記載されていない期限の利益喪失約款によって、実体法上は弁済期が到来していることを主張し、それを法定文書以外の文書で立証することの可否
小川浩
東京高裁平4.3.6
新築建物につき不動産工事先取特権の保存登記がなされているが、建物の表示登記がなされていない登記簿謄本は、民事執行法181条1項の法定文書(3号文書)に該当しない
森宏司
広島高裁松江支部平5.4.26
共同抵当の対象である土地・建物の所有者が建物を取り壊して再築した場合において、新建物について法定地上権が成立しないことを前提に抵当権者による土地と新建物の一括競売の申立てが認められた事例
志田博文
東京地裁平5.1.18
建物とその敷地が共同抵当の目的物の場合に建物が取壊された後再築されたときの法定地上権の成否と民法389条の一括競売の適否
廣田民生
大阪高裁平5.6.11
借入金による弁済でも、破産法72条1号の故意否認の対象とならないとされた事例
田中信人
最高裁第二小法廷平5.1.25
手形不渡り後の和議開始の申立てが破産法72条2号にいう「支払停止」に当たるとされた事例
井上薫
静岡地裁平4.12.4
破産債権者が破産者の支払不能の事実を知った後に破産者に対して債務を負担した場合には、破産法104条2号本文の類推適用により相殺が許されないとされた事例
井上哲男
神戸地裁平4.8.12
1 和議債権者の債権者集会における議決権行使額を届出債権額の2分の1と定めたことが適法とされた事例 2 和議債権者が特別利害関係人に当たらないとされた事例 3 和議条件によらずに特別利益を供与する行為に当たらないとされた事例 4 和議の決議が和議債権者の一般の利益に反しないとされた事例
山田知司
東京高裁平4.9.14
破産者に免責不許可事由があり、かつ、裁量による免責も相当でないとして免責が許可されなかった事例
酒井一
仙台高裁平4.5.7
日本法人から大韓民国法人に対する機械引渡請求事件について日本国裁判所の裁判管轄権が否定された事例
岡部純子
大阪地裁平4.1.24
アメリカ合衆国国籍の原告がバージニア州に居住する同国籍の元の夫に対して提起した離婚に伴う財産分与及び慰謝料請求の実質を有する訴訟につき、原告がわが国に住所を有しないとしてわが国の裁判管轄権を認めなかった事例
小澤一郎
東京高裁平5.3.29
船舶先取特権の成立及び効力についての準拠法が、法廷地法である日本法であるとされた事例
小野寺規夫
東京地裁平4.12.15
カリフォルニア州裁判所の確定判決のうち懲罰的損害賠償を命じた部分につき日本での強制執行を許さなかった事例
須藤典明
東京高裁平5.6.28
1 子の引渡を命じたアメリカの裁判所の判決につき、執行判決がなされた事例 2 確定した執行判決のない外国裁判所の判決に対する請求異議の反訴が不適法とされた事例
西野喜一
東京地裁平4.1.30
遺贈に対する遺留分減殺請求について価額による弁償が行われた場合と所得税法59条1項1号の遺贈
梶村太市
最高裁第一小法廷平4.11.16
国又は地方公共団体に対する個人の寄付金に関する所得控除について限度額を定める所得税法78条1項、2項1号の規定と憲法14条1項、84条
小磯武男
給与等の受給者が支払者により誤って源泉徴収をされた金額を税額から控除して確定申告をすることの可否
石原直樹
最高裁第三小法廷平4.2.18
代表取締役の就学中の子女を取締役として登記していた法人が右子女に対する役員報酬を損金に算入してした青色申告に対してされた法人税の更正が、理由附記の不備のために一部適法でないとされた事例
長屋文裕
東京地裁平5.3.26
酒税法9条、10条10号の規定が、立法府の裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理であるということはできず、右規定が憲法22条1項に違反するものということはできない。
近田正晴
最高裁第三小法廷平4.12.15
相続税法55条にいう「相続分」には、共同相続人間において譲渡された相続分が含まれるか(積極)
最高裁第三小法廷平5.5.28
従前の給与条例に違反した昇給及びその支給は、条例改正により遡って適法になり得るか(積極)
榮春彦
最高裁第一小法廷平5.5.27
公金亡失の7年以上後になされた住民監査請求について、地方自治法242条2項但書の「正当な理由」があるとされた事例
内田義厚
那覇地裁平4.3.3
町議会における東南アジア議員研修旅行決議が違法であり、その違法性が公金の支出に承継されるとして町議らに旅費相当額の損害賠償を命じた事例
成川洋司
高松高裁平5.1.28
市と地元企業等の共同出資で設立された株式会社に市が職員を派遣し、その給与等を負担したことを違法として、当該株式会社に対しその給与等相当額の不当利得返還を求める住民訴訟が認容された事例
中込秀樹
浦和地裁平4.3.2
地方自治法242条の2第1項1号に基づく差止請求権を被保全権利として民事保全法上の仮処分を求めることができないとされた事例
永谷典雄
函館地裁平4.12.16
1 国籍法2条3号の「父母がともに知れないとき」の意義及び立証責任 2 出産後行方不明となった女性を母として日本で出生した者について、母が知れないとして日本国籍が認められた事例
塚本伊平
東京地裁平5.2.26
1 生活保護費等を源資とする預貯金を保有していることを理由に生活扶助費を減額した保護変更処分を違法として取り消した事例 2 生活保護法27条1項に基づき被保護者に対し預貯金の1部の使途を限定した指導指示が行政処分に当たるとし、無効とした事例 -秋田生活保護費貯蓄訴訟第1審判決
佐久間健吉
秋田地裁平5.4.23
東京都公文書の開示等に関する条例7条に基づいてされた公文書の非開示決定が理由付記の要件を欠き違法であるとされた事例
加藤就一
1 高速増殖炉から約29ないし58キロメートルの範囲内に居する者は当該炉の設置許可処分の無効確認を求める法律上の利益を有する者に当たるとされた事例 2 高速増殖炉の周辺に居住する住民が当該炉の建設ないし運転の差止めを求める民事訴訟を提起している場合において右住民が提起した右炉の設置許可処分無効確認の訴えの適法性(積極) -もんじゅ行政訴訟上告審判決
太田幸夫
1 原子炉設置許可処分についての司法審査の方法及び証明責任の所在((1)事件) 2 原子炉設置許可の段階における安全審査の対象((1)、(2)事件)
ゴルフ場開発事業の計画者が条例に基づき提出した知事との事前協議を求める協議申出書の町長による返戻行為が、抗告訴訟の対象となる知事の行政処分にあたるとされた事例
石栗正子
千葉地裁平4.10.28
1 公法上の当事者訴訟を本案とする執行停止の申立てが適法と認められた事例 2 退学許可処分の執行停止について、回復困難な損害が発生するおそれがあるとは認められないとされた事例
高知地裁平4.3.23
公職選挙法(平成4年法律第97号による改正前のもの)13条1項、別表第1、附則7ないし10項の衆議院議員定数配分規定の合憲性
青野洋士
最高裁大法廷平5.1.20
県議会議員候補者の氏名に近似するが、その亡父で地元では著名な者の氏名に合致する投票が候補者に対する有効投票とは認められなかった事例
最高裁第二小法廷平5.2.2
定住外国人は、憲法上、地方公共団体の選挙の選挙権を保障されるか(消極)
大阪地裁平5.6.29
業務命令権の行使と不法行為の成否
吉田肇
最高裁第二小法廷平5.6.11
管理職従業員に対して整理解雇の法理が適用された事例
山川隆一
東京地裁八王子支部平5.2.18
ビル設備の保守等の業務に従事する従業員の仮眠時間が、労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例
蓮井俊治
東京地裁平5.6.17
タクシー会社の乗務員が月ごとの勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合に皆勤手当を支給しない旨の約定が公序に反する無効なものとはいえないとされた事例
岡田健
最高裁第二小法廷平5.6.25
化学工業会社の工場でコールタール揮発物のばく露を受けるおそれのある作業に従事していた者の肺がんによる死亡につき、業務起因性が認められた事例
福岡高裁平4.3.12
保育園勤務の保母の頚肩腕症候群と業務との相当因果関係が認められないとされた事例
小佐田潔
東京高裁平5.1.27
1 業務と業務に関連のない基礎的疾患等が共働して当該疾病が発生した場合、業務起因性が肯定されるには、業務に内在ないし通常随伴する危険が当該疾病発症に相対的に有力な原因となったと認められることが必要である 2 脳動静脈奇形の基礎疾病を有する夜間定期便大型自動車運転手が、運行業務中にクモ膜下出血を発症した事案について、右疾病の業務起因性を否定した事例
飯塚宏
広島高裁平5.3.29
1 中学校教諭の修学旅行引率中の小脳内出血による死亡につき、転勤とその直後の修学旅行の準備等による持続的な肉体的・精神的疲労及びストレスによるとして、公務起因性を認めた事例 2 高校教諭の家庭訪問途上の転倒事故による負傷から4日後の自宅休養中の脳出血発症につき、過重な公務が遠因となり、右事故後の極度の身体的消耗と情動ストレスが誘因となったとして、公務起因性を認めた事例
松本光一郎
大阪高裁平5.2.24
労働組合の、使用者の取引先に対する使用者との取引停止の要求が、正当な争議行為の限界を逸脱しておらず違法とはいえないとされた事例
高田健一
大阪高裁平5.4.28
1 労働組合の元組合員らに対する前払犠牲者救援金の返戻請求権の行使が認められた事例 2 性格上相入れない別個の労働組合に加入することにより元の労働組合の組合員としての地位を喪失したものとされた事例 3 政治的活動の費用を組合費として徴収することは許されず、その不納付などを理由とする除名は無効であるとされた事例
長谷川誠
東京地裁平4.7.16
タクシー会社におけるストライキに際し組合側の争議手段として行われた座込みなどによる営業用自動車の運行阻止の行為が正当な争議行為に当たらないとされた事例
坂本宗一
最高裁第二小法廷平4.10.2
請負契約に基づき派遣された他企業の労働者を自己の作業秩序の中に組み込み自己の労働者と同様に指揮監督してその業務に従事させているラジオ・テレビ放送会社は右派遣された労働者の「就労に関する諸条件」について労組法7条2号の「使用者」に当るとした救済命令が違法とされた事例
林豊
東京高裁平4.9.16
1 使用者が、団体交渉において1旦成立した合意を内容とする労働協約の締結を拒否しても不当労働行為とならないとされた事例 2 組合が、組合員に対する使用者からの求償権の行使等の撤回を議題とする団体交渉の開催を要求した場合に、会社がこれを拒否したことが不当労働行為になるとされた事例
野々上友之
東京地裁平5.1.21
既に60歳定年制を採用している企業において、職員構成の高齢化に対応するために55歳以降の賃金等の労働条件を切り下げることを主内容とする就業規則の変更がなされた場合、右変更後の就業規則はこれに同意していない労働者にも適用されるか -みちのく銀行専任職発令無効確認等訴訟第一審判決
山之内紀行
青森地裁平5.3.30