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金融機関の包括根保証人に対する請求が信義則に反しないとされた事例
宇田川基
東京地裁平8.3.19
1 事情変更の原則と契約締結時の当事者の予見可能性及び帰責事由 2 ゴルフクラブ入会契約締結後のゴルフ場ののり面の崩壊という事情の変更とゴルフ場経営会社の予見可能性及び帰責事由
加藤新太郎
最高裁第三小法廷平9.7.1
禁治産者がその宣言前にした連帯保証契約等が、意思無能力を理由に無効と判断された事例
松本清隆
東京地裁平8.10.24
不動産売買において痴呆症の高齢者が代理権授与の際に意思能力を喪失していなかったとされた事例
大工強
東京地裁平8.11.27
1 フランチャイズ契約上の解約一時金の定めが公序良俗違反とされた事例 2 同契約上の違約金請求が認められなかった事例
波床昌則
東京高裁平7.2.27
事業が軌道に乗ったとき返済する旨のいわゆる出世払債務を不確定期限付債務とし、未だ期限は到来していないと判断した事例
前田英子
東京地裁平8.10.31
動産執行の申立書に請求権の一部について強制執行を求める旨を記載した場合に時効中断の効力はその一部にのみ生じるとされた事例
萩原秀紀
東京地裁平8.1.26
別件訴訟において債務者が根抵当権の被担保債権の存在を認める旨の証言をしたことが右債権の消滅時効の中断事由たる承認に当たるとされた事例
森冨義明
最高裁第三小法廷平9.5.27
連帯保証人に対する確定判決による時効延長の効果が主たる債務者に及ばないとされた事例
金田洋一
東京地裁平8.8.5
背信的悪意者からの転得者と民法177条の第三者
冨上智子
最高裁第三小法廷平8.10.29
複数の者によって隣接地に投棄された産業廃棄物が崩落し堆積した土地の所有者から投棄者各自に対する廃棄物の除去請求等が認容された事例
山垣清正
東京高裁平8.3.18
1 全面的価格賠償の方法による共有物分割の許否 2 全面的価格賠償の方法による共有物分割が許される特段の事情についての原審の判断に違法があるとされた事例(2例)
中本敏嗣
最高裁第一小法廷平8.10.31
留置権者が留置物の使用等の承諾を受けた後に留置物の所有権が移転した場合に、新所有者からの留置物の使用等を理由とする留置権の消滅請求の可否(消極)
中村愼
最高裁第一小法廷平9.7.3
未発生の賃料債権の譲渡は民法304条1項但書にいう「払渡又ハ引渡」に当たらない
原田敏章
東京高裁平9.2.20
譲渡担保権設定者の受戻権放棄による清算金支払請求の可否(消極)
佐賀義史
最高裁第二小法廷平8.11.22
抵当権者が抵当権に基づき抵当物件の賃貸借契約に基づく賃料債権を債権差押えの方法により差し押えたときに、抵当権者が右差押えにより他の債権者に優先して弁済を受けることができる利息金債権又は遅延損害金債権の範囲が民法374条の適用により最後の2年分に制限されるとした事例
牧賢二
東京高裁平8.9.26
更地に1番抵当権の設定を受けた者が、その後同地上に土地所有者が新築した建物に同順位の共同抵当権の設定を受けた場合に、法定地上権の成立が否定された事例
西島幸夫
東京地裁平8.6.11
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否
廣田民生
最高裁第三小法廷平9.2.14
免責の効力を受ける破産債権に基づく詐害行為取消権行使の許否(消極)
岡本岳
最高裁第三小法廷平9.2.25
任意整理において、債権者と主債務者との間で合意された期限の猶予ないし債権の放棄の効果が連帯保証人にも及ぶとされた事例
坪井祐子
東京地裁平8.6.21
譲渡禁止の特約のある指名債権の譲渡後にされた債務者の譲渡についての承諾と承諾前にあらわれた第三者
栂村明剛
最高裁第一小法廷平9.6.5
預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡を第三者に対抗するための要件
黒野功久
最高裁第二小法廷平8.7.12
生命保険会社がいわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者の代理人と称する者の申込みにより行った貸付けと民法478条の類推適用
影浦直人
最高裁第一小法廷平9.4.24
不動産売買契約において義務不履行の場合の手付金の不返還又は倍額支払の定めと共に特別の損害を被った当事者は損害賠償請求ができる旨を定めた約定の意義
石井寛明
請負人の報酬債権と注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とが相殺された後の報酬残債務について注文者が履行遅滞責任を負う時期
松井和彦
最高裁第三小法廷平9.7.15
同1当事者間で締結された2個以上の契約のうち1の契約における債務の不履行を理由に他の契約を解除することができるとされた事例
原啓一郎
最高裁第三小法廷平8.11.12
売買の目的土地の近隣に暴力団事務所が存在することが目的土地の隠れた瑕疵に当たるとして、売主に対し代金額の2割相当の損害賠償責任が認められた事例
杉田雅彦
東京地裁平7.8.29
遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合
石黒清子
最高裁第三小法廷平8.12.17
賃借人の債務不履行による賃貸借の解除と賃貸人の承諾ある転貸借の帰すう
塩崎勤
小規模で閉鎖的な有限会社における実質的な経営者の交代と民法612条にいう賃借権の譲渡
和根崎直樹
最高裁第二小法廷平8.10.14
請負契約の注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬全額の支払との同時履行を主張することの可否
包括宗教法人による被包括法人の主管(代表役員)に対する罷免処分が、被包括関係の廃止を防ぐことを目的とする不利益取扱であり、宗教法人法78条に違反して無効であるとされた事例
藤原弘道
名古屋高裁平9.3.12
請負人が建築した建物を注文者に引き渡す前に第三者に賃貸して得た賃料を、民法575条を準用して取得することができるとされた事例
坂本倫城 横路朋生
東京高裁平9.3.13
債権執行による差押えと物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合において双方の差押債権者に対し二重に弁済をした第三債務者の不当利得請求権
岩木宰
漁業協同組合は、漁業権設定海域でダイビングを行おうとするダイバーから、一方的に潜水料を徴収する法的根拠を有しない
福井章代
東京高裁平8.10.28
医師が未熟児である新生児を黄疸の認められる状態で退院させ右新生児が退院後核黄疸に罹患して脳性麻痺の後遺症が生じた場合につき医師の退院時における説明及び指導等の措置に過失があったとされた事例
浦木厚利
大阪高裁平8.12.12
1 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の起因剤の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 2 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の発症日の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 3 顆粒球減少症の副作用を有する薬剤を長期間継続的に投与された患者に薬疹を認めた場合における開業医の義務
田中敦
交通事故により傷害を被ったことに基づく損害賠償の額を定めるに当たり、首が長いという被害者の身体的特徴をしんしゃくすることはできないとされた事例
市川昇
生命侵害を理由とする損害賠償請求訴訟における損害額の算定方法
河本雅也
千葉地裁平9.2.26
自己が運転する予定の自動車の荷台上で出発準備作業をしていた運転手が、第三者による当該自動車の短時間、短距離の運転によって荷台から転落し死亡した事故に関して、右運転手が自動車損害賠償保障法3条の「他人」に該当しないとされた事例
吉井隆平
東京高裁平8.11.21
ある者の前科等にかかわる事実が著作物で実名を使用して公表された場合における損害賠償請求の可否
増永謙一郎
最高裁第三小法廷平6.2.8
1 新聞記事による名誉毀損によって損害の発生する時期 2 名誉毀損による損害が生じた後に被害者が有罪判決を受けたことと名誉毀損による損害賠償請求権の消長 3 名誉毀損による損害について慰謝料の額を算定するに当たり損害が生じた後に被害者が有罪判決を受けたことをしんしゃくすることの可否
齋藤憲次
特定の新聞の編集方針等と名誉毀損の成否 -ロス疑惑報道「夕刊フジ事件」上告審判決
金子順一
破産管財人が、他の買受申出額より低い価額でなした不動産の売却処分につき、破産管財人としての注意義務違反があったとはいえないとされた事例
真邊朋子
東京地裁平8.9.30
1 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法 2 損害賠償額を過小に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後にこれを過大に算定した違法があるとしてされた附帯上告の適否
今中秀雄
最高裁第三小法廷平9.1.28
1 土地工作物の占有者の損害賠償責任が否定され、場屋営業者の寄託責任が認められた事例 2 旅館の宿泊客に対する信義則上の安全配慮義務に基づく損害賠償責任が認められた事例
山之内紀行
東京地裁平8.9.27
学習塾で小学6年生同士が喧嘩し被害者が2階階段から負傷した事案において、加害者及びその両親の不法行為責任を肯定した事例
大沼洋一
東京地裁平8.3.27
責任を弁識する能力のない未成年者の行為により火災が発生した場合に、親権者にその監督について重大な過失がなかったとはいえないとして損害賠償責任が認められた事例
彦坂孝孔
東京高裁平8.4.30
公職選挙法所定の詐偽投票罪の捜査のため投票済み投票用紙の差押え等がされた場合において、投票した選挙人の選挙の秘密に係る法的利益の侵害がないとされた事例
杉原則彦
最高裁第二小法廷平9.3.28
県立精神病院に措置入院中の精神分裂病患者が、院外散歩中に無断離院をして金員強取目的で通行人を殺害したことにつき、病院長、担当医師、看護士らに過失があったとして、県に損害賠償責任が認められた事例
男澤聡子
最高裁第三小法廷平8.9.3
養子からの虚偽嫡出子出生届に基づく父母子間の親子関係不存在確認請求が権利の濫用に当たらないとされた事例
梶村太市
最高裁第三小法廷平9.3.11
離婚請求を認容するに際し別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を命ずることの可否
村重慶一
最高裁第一小法廷平9.4.10
離婚に伴う財産分与において夫婦関係が円満に推移している間の婚姻費用の負担は清算を要しないとされた事例
青野洋士
高松高裁平9.3.27
20年間単身赴任先で妻以外の女性と同棲しながらも、妻の寛大な態度と貢献により社会的に栄達し、また月に何度も帰宅して妻の世話を受けていた夫が、社会の一線を退いた後に求めた離婚の請求について、夫婦関係の長期間の形骸化の要件を欠き、信義に反するとして、その請求が棄却された事例
井垣康弘
大韓民国国籍を有する夫婦間の離婚事件につき、原則として有責配偶者からの離婚請求を排斥する同国大法院判例上、例外的に離婚請求が認容される場合を明示した事例
吉田欣子
相続に関する不当な利益を目的としない遺言書の破棄隠匿行為と相続欠格事由
北野俊光
預託金会員制ゴルフクラブの会則等に会員としての地位の相続に関する定めがない場合に会員の死亡によりその相続人がこれを取得することができるとされた事例
清水節
最高裁第三小法廷平9.3.25
被相続人が経営していた会社への資金援助を被相続人への寄与と認め20パーセントの寄与分を認めた事例
坂梨喬
高松高裁平8.10.4
金銭債権も遺産分割の対象となりうるとしてこれを却下した原審判を取り消して差し戻した事例
雨宮則夫
福岡高裁平8.8.20
遺産である土地について、被相続人が共同相続人の一人に生計を営むために使用することを認めていたとして同相続人の使用借権を認定した上で、同相続人が使用借権を基礎として長期間にわたって園芸店の営業を継続しているなど使用借権の成立の経緯や内容を考慮して、土地の価格から使用借権の評価額として3割を除いた額を遺産の評価額とした事例
永井尚子
東京高裁平9.6.26
特別縁故者に対する相続財産分与の申立てについて、相続人の申出をした者の相続権の存否が争われている間は、相続権主張催告期間が満了しても相続財産分与の申立期間は進行しないとされた事例
東海林保
大阪高裁平9.5.6
被相続人が相続開始時に債務を有していた場合における遺留分の侵害額の算定
島田充子
最高裁第三小法廷平8.11.26
1 公証人法28条2項の「官公署の作成した印鑑証明書の提出に準ずべき確実な方法」としての証人は一人でも足りる 2 公正証書遺言について、証人二人以上の立会いという方式に違反しないとされた事例
仙台高裁平8.10.7
被相続人が作成した書面が自筆証書遺言として無効であることが1見して明らかとはいえない場合と遺言執行者の選任の要否(積極)
東京高裁平9.3.17
遺留分権利者からの不動産持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文
西口元
仕入れ会社と販売会社とを使い分けることが法人格の濫用にあたるとして法人格否認の法理が適用され、仕入れ会社の買掛金債務について、販売会社に支払義務が認められた事例
井上直哉
東京地裁平8.4.18
詐取された手形の第三取得者が有償取得の事実を立証しえない場合に振出人である会社の営業を譲り受けた新会社が独立の法人格を主張し手形金の支払いを拒むことが法人格否認の法理に反しないとされた事例
太田剛彦
東京高裁平7.9.28
1 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社が、意思表示の受領権限を有する者を欠く場合の、生命保険会社の保険金請求権の転付債権者に対する告知義務違反を理由とする解除の意思表示の可否 2 保険会社が告知義務違反による生命保険契約の解除原因を知った際に意思表示の受領権権限者がいない場合の、解除原因を知った後1か月を経過したときには契約を解除できない旨の約款の右期間の起算点
水野有子
最高裁第三小法廷平9.6.17
会社が従業員株主を他の株主よりも先に株主総会の会場に入場させて株主席の前方に着席させたことにより株主が希望する席に座る機会を失ったとしても、動議の提出など株主権の行使が妨げられない限り、株主の法的利益が侵害されたということはできないとされた事例
田中信人
1 会社財産の減少による保有株式の価値低下について、株主が商法266条ノ3に基づき、取締役の責任を追及することはできないとされた事例 2 申立手数料の節約を目的とする株主代表訴訟の提起が訴権の濫用に該当するとして却下された事例
坂倉充信
東京地裁平8.6.20
株式会社の取締役に対する株主代表訴訟において、当該株式会社が被告取締役側に補助参加することは許されないとされた事例
末吉幹和
名古屋高裁平8.7.11
新株発行不存在確認の訴えの被告適格
生田治郎
商法28○条ノ3ノ2に定める公告又は通知を欠くことと新株発行の無効原因
山口和男
株主が会社と競業をなす者であるとして帳簿閲覧謄写請求仮処分の申立てが却下された事例
小林邦夫
名古屋高裁平8.2.7
共同相続した社員権の権利行使者の指定方法
寳金敏明
有限会社において社員全員の承認がある場合の持分譲渡の効力
藤井正夫
最高裁第一小法廷平9.3.27
満期の日として振出日より前の日が記載されている確定日払の約束手形の効力
永井裕之
最高裁第一小法廷平9.2.27
損害保険の保険契約者が任意的訴訟担当により保険会社に対して被保険者に代わって保険金請求をした訴訟について、任意的訴訟担当が許容される場合に当たらず不適法として訴えが却下された事例
髙橋徹
東京高裁平8.3.25
(1) 所有権確認請求訴訟で敗訴した原告が、後訴において、共有持分の取得を主張することが、前訴の確定判決に抵触して許されないとされた事例 (2) 共同相続人の一部の間において、土地所有権確認請求を棄却する判決が確定した場合に、敗訴原告が、右土地につき、遺産確認の訴えを提起することの可否
後藤勇
最高裁第二小法廷平9.3.14
甲・乙両請求が論理的に両立し得るものであって、単純併合による審判の申立てをすることができる場合には、甲請求を主位的請求、乙請求を予備的請求とする併合の申立ては不適法であるとして、乙請求に係る訴えを却下した事例
滝澤孝臣
福岡高裁平8.10.17
相殺の抗弁の自働債権として主張した債権につき別訴により行使することは許されないとされた事例
佐藤陽一
東京高裁平8.4.8
事実認定の根拠として判決に引用する文書が真正に成立したこと及びその理由を判決書に記載することの要否
徳岡由美子
最高裁第二小法廷平9.5.30
通常共同訴訟の被告らの一部に対する欠席判決が原審に差し戻された事例
須藤典明
東京高裁平9.2.19
督促手続において、債務者による異議申立てがない段階においては、第三者による当事者参加((1)事件)、異議の申立て((2)事件)は不適法であるとされた事例
坂本慶一
仙台高裁平8.6.14
請負契約約款に基づく仲裁契約の成立が認められた事例
松村和徳
東京地裁平8.8.22
更新前の賃貸借契約について作成された公正証書が更新後の賃貸借契約に基づく請求権について債務名義とはならないとされた事例
城所淳司
東京地裁平8.1.31
継続的給付を内容とする金銭債権に対する強制執行において、申立時以降の附帯請求を請求債権とすることができないとした事例
宮尾成明
福岡高裁宮崎支部平8.4.19
競売の対象となった土地建物のうち建物において自殺した者がありその事実を周辺住民が知悉していることをもって民事執行法53条の類推適用はできないとした事例
山田敏彦
東京高裁平8.8.7
執行官が現況調査を行うに当たり目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものとして国家賠償請求が認められた事例
内堀宏達
競売の対象物件である建物の評価に際して、評価人の建物立入り義務が否定された事例
東京高裁平8.11.1
1 留置権者がいったん占有を喪失した後、再び占有を取得した場合に留置権の主張が認められなかった事例 2 土地とその地上建物という利用上の牽連性がある場合に、各不動産ごとに剰余の有無を判断すると無剰余になるとしても、一括売却すれば剰余を生ずるときは一括売却を実施するのが相当であるとされた事例
町田政弘
東京高裁平9.3.14
買受人が都市計画法に基づく規制により建物の増築及び新築ができないことを知らないまま競売対象不動産の買受けの申出をした場合について、民事執行法75条により売却許可決定が取り消された事例
矢田廣高
東京高裁平8.7.19
債務者が複数である配当金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合における被担保債権への充当方法
廣谷章雄
最高裁第二小法廷平9.1.20
物上保証人に対する不動産競売事件における配当表につき競売申立てに係る被担保債権の債務者が配当異議の訴えを提起することの可否
原敏雄
再築建物のために法定地上権の成立すべき特段の事情がある場合に該当しないとされた事例
上田正俊
執行債権者が同一銀行の3支店における執行債務者の預金債権に順序を付して差押えを申し立てた場合に差押債権が特定されているとされた事例
戸田彰子
東京高裁平8.9.25
請求債権が仮差押えされている場合の転付命令の許否
松嶋敏明
広島高裁平8.10.1
共同抵当の対象建物が取り壊され、再築された建物の所有者が、土地につき抵当権設定者から信託を原因として第三者にされた所有権移転登記の受益者であることなどから再築建物に対する一括競売の申立てが認められた事例
小沼充
大阪高裁平8.10.21
抵当権設定者から管理業務の委託を受けた第3者が取得する賃料債権に対する抵当権の物上代位に基づく差押えの可否(積極)
峯俊之
東京高裁平8.4.15
連帯保証が破産法72条5号により否認することができないとされた事例
長井秀典
大阪地裁平8.5.31
仮登記仮処分命令に基づく仮登記と破産法74条1項による否認
清水信雄
最高裁第一小法廷平8.10.17
1 債務者の破産後における商事留置権の効力(消極) 2 手形について商事留置権を有していた銀行が、債務者の破産後、右手形を任意に取り立ててその取得金から優先弁済を受けることができるとされた事例
山田知司
大阪高裁平9.3.25
破産者の相続人による免責申立ての可否(消極)
久保田浩史
高松高裁平8.5.15
日本寄港中のロシア船舶に対する韓国企業の仮差押命令申立事件につき、わが国の国際裁判管轄権を肯定した事例
小田敬美
旭川地裁平8.2.9
使用裁決により10年分の賃料相当額の補償金が支払われた場合においてその年分の不動産所得として課税されたことが公平の原則に違反しないとされた事例
高須要子
福岡高裁那覇支部平8.10.31
更正理由は必ずしも適切ではないが、なお理由不備による違法があるとまではいえないとされた事例
増田稔
東京地裁平8.11.29
相続税延納許可申請者が税務署長のした相続税法39条2項に定める担保変更の求めに応じないことを理由としてされた相続税の延納申請却下処分が適法とされた事例
水谷里枝子
千葉地裁平8.10.28
遺産である土地の共有持分を他の共同相続人にいったん相続させた上、自ら買い取る旨の遺産分割調停条項の履行としてされた共有持分の取得が地方税法73条の2第1項の「不動産の取得」に当たるとされた事例
篠田賢治
東京地裁平9.3.13
市長から評価の根拠とした資料等の提出を受けることなくなされた固定資産評価審査委員会による審査申出を棄却する旨の決定に審理不尽の違法はないとされた事例
團藤丈士
福島地裁平8.4.22
1 町のモーテル類似施設建築規制条例が憲法94条、地方自治法14条1項に反しないとされた事例 2 町のモーテル類似施設建築規制条例の適用が憲法29条に反し無効であるとされた事例
齋藤大已
盛岡地裁平9.1.24
1 財務会計上の行為が違法・無効であることに基づく実体法上の請求権が右行為の時点では発生しておらず又はこれを行使することができない場合における右請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求と地方自治法242条2項の適用 2 市長の違法な土地転売行為により市が被った和解金相当額の損害の賠償請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求につき和解の日を基準として地方自治法242条2項の規定を適用すべきであるとされた事例
杉山正己
県や地元企業等が共同出資して設立された株式会社に県が職員を派遣し、その給与を負担したことが違法であるとして、右会社に対して給与相当額の不当利得返還を求める住民訴訟が認められた事例
加藤就一
岡山地裁平8.2.27
市の報償費及び食糧費の支出が違法であるとして住民が提起した市長公室長に対する損害賠償請求が一部認容された事例 -泉南市食糧費等返還請求住民訴訟控訴審判決
太田幸夫
大阪高裁平8.11.22
1 県が靖国神社又は愛媛県護国神社の挙行した例大祭、みたま祭等に玉串料等を公金から支出したことと憲法20条3項、89条 2 複数の住民が提起する住民訴訟の共同訴訟としての性質 3 複数の住民が共同訴訟人として提起した住民訴訟において共同訴訟人の一部がした上訴又は上訴の取下の効力
中込秀樹
最高裁大法廷平9.4.2
住民訴訟において解決金が支払われ、訴えの取下げ条項を含む和解が成立した場合も地方自治法242条の2第7項にいう「勝訴した場合」に該当するとされた事例
近田正晴
大津地裁平8.11.25
在留外国人に生活保護法を適用しないことが憲法14条・25条等に違反するか(消極)
加藤正男
東京高裁平9.4.24
就労先がなく野宿等をしている者からの生活保護申請に対し、就労能力の活用が不十分であるとして生活扶助及び住宅扶助を認めなかった処分が違法として取消された事例
白石研二
名古屋地裁平8.10.30
国を起業者とするダム建設のための土地収用裁決がアイヌ民族の文化を軽視ないし無視した事業認定の違法性を承継して違法ではあるが、同裁決を取り消すことは公共の福祉に適合しないとして事情判決がされた事例 -二風谷ダム事件第一審判決
札幌地裁平9.3.27
1 土地収用法133条所定の訴訟における補償額についての審理判断の方法 2 被収用者が土地収用法133条所定の訴訟において補償金増額分に対する収用の時期以降の法定利率相当の金員を請求することの可否
宇賀克也
主位的に収用委員会を被告として収用裁決の取消しを求め、予備的に起業者である県を被告として損失補償を求める訴えの主観的予備的併合が許されないとされた事例
名古屋高裁平9.4.30
1 がけ崩れのおそれが多い土地等を開発区域内に含む開発許可の取消訴訟と開発区域周辺住民の原告適格(積極) 2 開発許可の取消訴訟を提起した開発区域周辺住民の死亡と訴訟承継の成否(否定)
佐久間健吉
都市公園法11条1項に基づく除却命令の代執行がされた後に同命令の取消しを求める訴えの利益が認められた事例
名古屋高裁平8.7.18
退去強制令書の執行による本邦からの出国と難民不認定処分の取消しを求める訴えの利益の存否(消極)
内田義厚
市議会議員選挙に当選した直後に他の市への転出の届出をした当選人が被選挙権の要件としての当該市の住所を失ったとはいえないとされた事例
最高裁第二小法廷平9.8.25
参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性 -参議院定数訴訟大法廷判決
最高裁大法廷平8.9.11
1 公職選挙法251条の3の規定は、憲法前文、1条、15条、21条、31条に違反しない 2 公職の候補者を当選させる目的で会社の指揮命令系統を利用して選挙運動を行った会社の代表取締役等が公職選挙法251条の3第1項に規定する組織的選挙運動管理者等に当たるとされた事例 -青森県議会議員連座制当選無効訴訟上告審判決
成川洋司
最高裁第一小法廷平9.3.13
車の持込運転手(傭車運転手)が労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例
森鍵一 中路義彦
最高裁第一小法廷平8.11.28
会社と第一組合との間で成立している、所属組合員の配転に関し事前の通告を行うこと等を内容とする労使慣行が、第二組合との間では成立が否定された事例
古谷健二郎
東京地裁平9.1.22
製薬会社の医療情報担当者に対する東京から名古屋への転勤命令が違法とはいえないとされた事例 -帝国臓器事件
山川隆一
東京高裁平8.5.29
断続的労働と割増賃金労基法違反と付加金支払命令
林豊
大阪地裁平8.10.2
使用者が代替要員確保のために尽すべき通常の配慮をせず、また、恒常的な要員不足のために代替要員の確保が困難であったとして、時季変更権の行使が違法とされた事例
仙波啓孝
金沢地裁平8.4.18
使用者が労働者に対して行う懲戒の適否は、その理由とされた非違行為との関係において判断されるべきであり、懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることはできない
三浦隆志
最高裁第一小法廷平8.9.26
1 職能資格や等級の使用者による一方的引き下げにその権限の根拠が必要か(積極) 2 降格・減給を基礎づける就業規則の新設には高度の必要性に基づいた合理的な内容であることを要する 3 就業規則の変更と諸手当の減額
片田信宏
東京地裁平8.12.11
定年年齢を延長し、賃金を減額する旨の就業規則の変更に合理性があるとされた事例 -第四銀行事件
長久保尚善
最高裁第二小法廷平9.2.28
長期海外出張中の労働者の自殺について業務起因性が肯定された事例
中園浩一郎
神戸地裁平8.4.26
労働者が職場外で行われた会社の管理職としての経営知識の勉強会に参加して帰宅する途中で遭遇した事故を通勤災害と認めた事例
井上泰人
仙台地裁平9.2.25
高血圧症等の消防署副署長が部下の自殺未遂に対する救助活動後に発症した脳梗塞につき、公務遂行性、公務起因性を認め、公務外認定処分を取り消した事例
松本光一郎
大阪地裁平8.7.29
心筋梗塞の既往歴をもつ高校教諭の心筋梗塞による死亡につき公務起因性を認め、公務外認定処分を取消した事例
夏井高人
千葉地裁平8.9.25
社長の女性従業員に対する性的嫌がらせが不法行為にあたり、社長個人とともに会社も責任を負うとされた事例
梅本圭一郎
東京地裁平9.2.28
郵政職員に対して氏名札(ネームプレート)の着用を義務づける職務命令が正当であるとされた事例
白石史子
大阪地裁平8.7.17
1 管理職らの脱退勧奨、組合否認等の発言や組合員の仕事外し、配転命令、組合のアンケート調査の妨害などが支配介入にあたるとした都労委命令を是認した事例 2 混合組合が労組法上の労働組合にあたることを認め、その支部に団体としての独立性を認めた事例
谷口安史
東京地裁平8.3.28
2つの労働組合が併存するバス会社が行った組合間の差別的取扱等の不当労働行為について、不法行為の成立を認め、組合及び組合員の損害賠償請求が認められた事例
島岡大雄
大阪地裁平8.6.5