《解 説》
一、本件事案の概要は次のとおりである。Xは、昭和五〇年五月から運送会社の従業員として雇用され、山口・広島間における大型貨物自動車の定期便運転手として稼働していたが、昭和六〇年七月一二日午後八時ころ、右定期便の運行中、脳内出血を発症し、十分な運転操作をすることができず、停車中の貨...
《解 説》
原告は、被告が、当時、町長であった被告補助参加人町の住民であるが、被告補助参加人が、業者との間で随意契約の形で締結したし尿処理施設建設工事請負契約が、地方自治法及び施行令が例外的に随意契約によることができると定めた場合に当たるとする旨の積極的かつ合理的な理由がないとして、住民訴...
《解 説》
本件は、コンピュータソフトウェア作成をめぐる紛争に関するものである。Yはソニー株式会社から受注したキャプテン文字入力システムのプログラム開発をXに一括して開発させる旨の契約を締結したが、Xはこれを開発することができなかった。そのような事情を背景として、XはYに対して、約定により...
《解 説》
X1(昭46・11・11生まれ、男子、気管支喘息の持病あり)は、昭59・11・15医師Yの執刀により虫垂炎の手術を受けることになり、YはX1に対してネオペルカミンSを用いて腰椎麻酔をしたところショック状態となり、高度の血圧低下によって心停止に近い状態に陥ったことに起因する低酸素...
《解 説》
一、本件は、原告会社(X)が、被告千葉県地方労働委員会(Y)が発した救済命令(①参加人Z組合の組合員に対し他の従業員と仕事上の差別取扱いをしてZ組合の運営に支配介入することの禁止命令、②Z組合の組合員一〇名に対する仕事上の差別取扱いがYにおいて不当労働行為と認定されたこと及びこ...
《解 説》
一、本件の事案は、次の通りである。Aの祖先は、Bの祖先の家臣であったところ、Bは、徳川時代から続いている茶道石州流の一四代家元であったが、Aの息子のCがBの養子となり、昭和三一年頃、Aが死亡した後は、Cがその一五代家元となった。ところで、X1(原告、被控訴人)は、茶道家元制度の...
《解 説》
Xら三名はK市民であるが、K市の「新交通六甲アイランド線建設事業」が住吉川河川軸景観等を破壊し、倚松庵(旧谷崎潤一郎邸)を変容させるのは違法であるなどと主張して監査手続を経、K市長Yに対し公金支出差止めを求める住民訴訟(前訴)を提起した。その審理中、右公金が支出されたことを知ら...
《解 説》
一、本件は、同業者間での腕利き営業マンの引抜きにつき、債務不履行ないし不法行為が問題とされた事例である。
原告X社は、英会話教材販売、英会話学校経営を目的とする会社であるが、被告Y2はそこで営業本部長の地位にあり、配下に数名の部課長及び二〇名以上のセールスマンを擁していて、Y...
《解 説》
一、福岡地・家裁甘木支部は、平成元年一二月二八日に公布された「地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則及び家庭裁判所出張所設置規則の一部を改正する規則(平成元年最高裁判所規則第五号)」により廃止された。そこで、右甘木支部の管轄区域内である福岡県朝倉郡に居住する住民である甲らが原告と...
《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。X(抗告人)は、Y(相手方)を相手方として、昭和六三年八月二九日、京都市内の右京簡易裁判所に、本件土地の賃料増額請求の民事調停を申立てが、平成元年七月二一日、右調停事件は不成立により終了したので、Xは、同月二六日、京都地方裁判所に本件土地の賃料増...
《解 説》
本件は四階建鉄筋コンクリート造りマンンョンの分譲を受けたXら一三名と分譲会社であり、マンションの区分所有者でもあるYとの間で、Yの管理費の支払義務及びYが駐車場として賃貸しているマンション一階のピロティー部分が区分所有者全員の共有に属するか否かが争われた事案である。本判決は、Y...
《解 説》
一、訴外Aは、昭和六二年九月当時、東京都立本所高校二年に在籍していた者であるが、同月二七日午後、東京都葛飾区東水天所在のコーポにおいて、退学した元同級生Bらの暴力グループに集団暴行を加えられ、同日、外傷性ショックにより死亡した。
そこで、Aの父親X1と母親X2は、学校は在学す...
《解 説》
X(本訴原告)は、債務者AとY(本訴被告)間のブロイラー成鳥の売買契約が債権者を害するものであると主張し、Xの本店所在地を管轄する徳島地裁阿南支部(原審)に右契約の取消し及び価額賠償金の支払いを求めて出訴したところ、Yは民訴法三〇条及び三一条に基づき、Aの本店所在地である大分地...
《解 説》
本件はY1(A助手席に同乗)とY2との交差点内の自動車同士の衝突事故でAが死亡したことによる損害について、Aの遺族らであるXらが、Yらに対して賠償請求をしたケースである。一審判決に対して、Xらが控訴(Yらが附帯控訴)をしたのが、本件判決である。ここで紹介したいのは、Y1が契約し...
《解 説》
Xら夫婦は、郷里の村に合計一億二〇〇〇万円を寄付し、所得金額の申告に当たり、これを控除して申告したところ、Y税務署長は所得税法七八条一項の定めるところに従い、右寄付金額を所得金額の二五パーセントを限度とし、これから一万円を引いた額のみを控除額として更正及び過少申告加算税賦課決定...