最も長い歴史をもつ判例実務誌
Ⅰ はじめに
Ⅱ 建築訴訟の審理モデルについて
第1 建築訴訟の審理の現状
第2 建築訴訟の審理モデルのねらい
第3 審理モデルの特色
第4 審理モデルについての留意点
Ⅲ 追加変更工事に関する事件の審理モデル
第1 要件事実等
第2 典型的な争点
第3 早期に明らかにすべき基本的な事実関係
第4 早期に提出すべき基本的な書証
第5 追加変更工事一覧表の活用
第6 付調停等による専門的知見の活用
第7 現地調査
第8 参考書式等
1 有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることと労働契約法20条にいう「その他の事情」
2 有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるか否かについての判断の方法
3 無期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給する一方で定年退職後に再雇用された有期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給せずに歩合給を支給するという
労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例
1 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合における当該有期契約労働者の労働条件の帰すう
2 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」の意義
3 労働契約法20条にいう「不合理と認められるもの」の意義
4 無期契約労働者に対して皆勤手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例
保健所の自動車運転手として勤務していた大阪府職員が,東日本大震災直後の被災地支援のため2回にわたり岩手県内に派遣され,保健師らと構成した公衆衛生チームの一員として避難所等を巡回する自動車運転業務に従事していたところ,上記2回目の派遣3日目の勤務終了後の夜間,宿泊先でくも膜下出血のため病院に搬送され,その6日後に死亡した事案につき,上記業務はくも膜下出血の発症要因となり得る程度の高度の負荷であったというべきであり,また,前駆症状の頭痛が生じた後も上記業務を継続せざるを得なかったこと等によって早期の治療機会を喪失したといえるとして,上記発症による死亡は地方公務員災害補償法にいう公務上の死亡に当たると判断して,被控訴人(地方公務員災害補償基金)大阪府支部長が控訴人(上記職員の妻)に対してした公務外認定処分を取り消した事例
1 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく遺族給付金の支給を受けた場合に,上記の遺族給付金との間で損益相殺的な調整を行うべき損害
2 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく遺族給付金の支給を受けたとして損益相殺的な調整をするに当たって,損害が填補されたと評価すべき時期
1 大手小売業者の産地偽装米販売問題を取り上げた週刊誌記事の「猛毒米偽装」などの広告記載及び見出しの記載が当該業者の名誉を毀損するとされた事例
2 大手小売業者の産地偽装米販売問題を取り上げた週刊誌記事の「猛毒米偽装」などの広告記載及び見出しの記載について,売上減少による損害賠償請求及び名誉回復のための社告・意見広告掲載費用の損害賠償請求がいずれも棄却された事例
3 大手小売業者の産地偽装米販売問題を取り上げた週刊誌記事の「猛毒米偽装」などの広告記載及び見出しの記載による名誉毀損の名誉回復措置として出版社のウェブサイト中にある週刊誌のバックナンバーの広告の一部削除が命じられた事例
1 区分所有建物の管理組合は,区分所有建物の共用部分について,民法717条の占有者に当たらない
2 管理組合がその責任と負担において共用部分の管理を行う旨の区分所有建物の管理組合規約は,管理組合の目的・権能を定めたものであって,区分所有者の管理組合に対する共用部分の修繕請求権を定めたものではない
証人尋問請求の際の検察官による代替開示措置(刑事訴訟法299条の4第2項)について,その要件該当性を検討した上で,裁定請求を棄却した原決定の判断を是認した事例
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律2条に定める対象行為の存否の認定手続については,刑事訴訟法の証拠調べに関する規定はそのまま準用されず,伝聞法則は適用されない
入院継続確認申立事件において,入院決定時と異なる診断名の疾病を認定した上で,医療観察法51条1項1号の該当性を認めて,対象者の入院を継続すべきことを確認した原決定について,一件資料のみからは,診断名が変更された具体的な理由,新しく認定された疾病と「対象行為を行った際の精神障害」との実質的同一性や本件対象行為との関係性,治療反応性等が明らかとはいえず,十分な資料に基づく合理的なものとはいえないから,疾病性,治療反応性等について更に調査を遂げた上,その結果を踏まえて入院継続の必要性の有無を判断すべきであるとして,これを取り消して原裁判所に差し戻した事例
太陽光パネルが設置された土地について,地目を雑種地と認定し,固定資産評価基準に従って算定された固定資産の登録価格には,造成費控除等の補正をしなかった点を含めて違法はない
実質的に差押禁止債権である給与自体を差し押さえることを意図して行われた滞納処分としての差押処分が,地方税法が準用する国税徴収法76条1項に反する脱法的な差押処分として違法であるとした事例
地方自治法242条の2第1項4号に基づき,市長に対し公金の支出の相手方への不当利得返還等の請求を求めた前訴住民訴訟において,被告市が同不当利得返還請求権等を適法に放棄したことを理由に請求が棄却された場合には,同条12項の「勝訴」した場合には当たらないとして,上記住民訴訟における原告ら訴訟代理人弁護士に支払うべき報酬相当額の支払請求を棄却した事例
国立公園の特別地域内における工作物の新築工事が完了した場合における当該工作物の新築許可の取消しを求める法律上の利益
1 元々は,厚生労働省の一部局であった国立研究開発法人と独立行政法人間の人事異動について,労働者の同意が必要な転籍出向にあたると判断した事例
2 配偶者の精神疾患を理由として人事異動命令に従わなかったことを理由にされた懲戒解雇について,当該人事異動命令は人事権の濫用にあたるから無効であり,懲戒解雇事由を欠くと判断した事例
1 行政書士が受託した遺産相続の手続業務に係る委託契約が弁護士法72条に違反するもの(非弁行為に当たる)であり,公序良俗に反するとして無効とされた事例
2 上記手続業務に関して,非弁行為に当たる部分を除き,当該行政書士に背信行為や詐欺行為までがあったとは認められないとして,不法行為責任が一部否定された事例
1 担当医師の専門外の疾患について,患者に対する診療契約上の専門医紹介義務及び同義務違反が認められた事例
2 診療契約上の債務不履行に基づく損害賠償が認められる範囲
3 患者の疾患(身体的素因)と過失相殺の規定の類推適用の可否(肯定)
乱闘状況下で被害者を取り囲み暴行を加え死亡させたとされる傷害致死事件において,被告人3名については暴行を行った者らとの共謀が認められず無罪とされた事例