《解 説》
1 本件は,Xが,その所有する賃貸用ビルの建替えに伴う消費税の取扱いにつき,顧問契約を締結していた公認会計士のYに債務不履行があったため,消費税法所定の「課税事業者選択届出書」を提出して消費税の還付を受けることができなくなった結果,当該還付金に相当する損害を被ったと主張して,Y...
《解 説》
本件は,被告人が,情交関係にあった女性を殺害し,その死体を遺棄した事案である。被告人の前科として,いずれも情交関係にあった2名の女性を,それぞれ別の機会に殺害し,その死体を遺棄した事案などにより無期懲役刑に処せられた一犯がある。本件は,その仮出獄中に犯したものである。
本判決...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Xらの子である幼児2名は,平成9年5月29日,西表島の県道沿いの国有林野内に存在する池(業者が土砂を採取した後に雨水が貯まって出現した池様の窪地。以下「本件池」という。)付近で遊んでいるうちに本件池に転落して溺死した。本件は,XらがY1(国)及びY2...
《解 説》
1 本件は,もともと国の河川堤防であった土地を占有しているX1らほか5名(1審原告・控訴人。以下「X1ら」という。)が,国(1審被告・被控訴人)に対して所有権等の確認を求めた事案である(以下,本件訴訟で所有権等の確認の対象となっている土地を「本件各係争土地」という。)。
X1...
《解 説》
一 本件は、原告が行った二件の融資について、各融資は長期にわたり原告の代表取締役を務めていた被告Y1の関連企業に対して融資することを目的とした違法な迂回融資であり、これに取締役として関与した被告らには善管注意義務若しくは忠実義務に違反する行為があり、又は各融資は利益相反取引に該...
《解 説》
1 原告X1(本件当時20歳)は,平成9年5月初めころから咳や痰が出始め,微熱や食欲不振が認められるようになったことから,甲医院において点滴治療を受けるなどしていたが,症状が改善しなかったため,同月12日,被告が開設する大学医学部附属病院(以下「被告病院」という。)の呼吸器外来...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、覚せい剤の自己使用及びホテル客室における覚せい剤所持の事案である。
本件摘発の発端は、ラブホテルに単身で投宿した被告人が、翌日チェックアウトの時刻になっても一向にその手続をしなかったため、無銭宿泊などの疑いを生じたことにある。ホテル側からの一一〇番通...
《解 説》
1 本件は,債権者Xが債務者Yに対する債務名義(執行力のある判決正本)に基づき預金債権の差押命令及び転付命令を申し立てたが,その対象となった本件預金債権の口座名義が漢字表記の「Y」そのものではなく,Yをカタカナ表記した場合と同じカタカナ表記の「ワイ」であったことから,本件預金債...
《解 説》
本件は,判文中「量刑事情」欄冒頭に要約されているとおり,平成10年から平成13年にかけて,被告人が,バイク窃盗,暴走族の暴走行為,これに関連する身代り作出,いわゆる美人局による恐喝,無断での他人の住民異動とこれに基づく国民健康保険被保険者証の詐取(一部未遂),車両窃盗とこれを用...
《解 説》
もと郵便局の副局長であったXは,平成11年11月19日,横領を理由として,北海道郵政局長から懲戒免職処分を受け,平成13年,同局長を被告として,札幌地裁にその取消訴訟を提起したが,訴訟係属中の平成15年4月1日,日本郵政公社が発足して郵政事業庁が廃止され,従前の被告であった北海...
《解 説》
1 本件は,肝硬変,糖尿病,食道静脈瘤等の既往を有する患者が消化管出血を発症するなどして被告病院に入院したものの,入院の翌日に死亡するに至ったことから,患者の遺族が被告に対し,適切な検査,治療等を怠り,また,不適切な治療を実施した過失があるとして,診療契約の債務不履行に基づき,...
《解 説》
一 本件は、XがYに対し商標権侵害に基づく損害賠償を求めた事案であるが、その概要は次のようなものである。
Xはカナダからメープルシロップ等を輸入販売している食品輸入会社であり、カナダ産メープルシロップを指定商品とする本件商標権を有している(但し、Xが実際に使用していた商標は、...
《解 説》
一 Xは、警視庁警察官採用試験Ⅰ類に合格し、大学院修士課程の終了後、警察学校への入校手続を完了して、警視庁警察官に任用された。警察学校は、Xに精密身体検査の一環として血液検査を行った。採取した血液により、HIV抗体検査も実施したが、このことは明示的には説明されなかった。警察学校...