最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
Ⅴ 出来高をめぐる事件の審理モデル
第1 要件事実等
第2 典型的な争点
第3 早期に明らかにすべき基本的な事実関係
第4 早期に提出すべき基本的な書証
第5 主張立証,審理運営上のポイント
第6 参考書式等
[目次]
第1 基調講演 争点整理手続の過去,現在,未来―民事訴訟に対する市民と企業の信頼を支えるもの
1 はじめに―民事訴訟の目的と社会が民事訴訟に求めるもの
2 民事訴訟手続改革の20年
3 民事訴訟の現況に対する評価
4 改善の方向性
5 おわりに―民事訴訟制度が信頼されるために
第2 パネルディスカッション
1 パネリスト自己紹介
2 現行法の予定する訴訟審理の進行モデル
3 現行法施行直後の裁判所の実務の状況
4 現行法施行直後の弁護士の実務の状況
5 平成15年改正後の弁護士の実務の状況
6 平成20年以降の民事訴訟審理の傾向と利用者の意識=現状の問題点
7 三者の争点等の共通認識の不十分
8 審理期間の長期化の原因
9 争点整理手続期間の短縮を妨げている現状
10 争点整理手続の現状(裁判官の認識と代理人の認識)
11 運用改善の可能性
12 口頭議論の運用改善(裁判所)
13 口頭議論の運用改善(代理人)
14 議論の到達点等の共通認識の強化(裁判所)
15 議論の到達点等の共通認識の強化(代理人)
16 争点整理手続と合議制による審理(裁判所)
17 争点整理手続と合議制による審理(代理人)
18 訴訟手続等のIT化と争点整理手続
19 訴訟手続等のIT化への期待
20 市民のための民事訴訟を強化するための運用上の課題(裁判所)
21 市民のための民事訴訟を強化するための運用上の課題(代理人)
22 まとめ
23 終了挨拶
1 非接触事故(右折加害自動車を避ける目的で直進被害自動車が急激なハンドル操作及び急制動を実行)と被害自動車の助手席同乗者に発生した頚椎捻挫等の傷害との間の因果関係の存在が肯定された事例
2 自動車工学の専門家による事故態様についての私的鑑定書(非接触事故と被害自動車同乗者の傷害との間の因果関係の存在を否定)が排斥された事例
子を面会交流させることを内容とする債務名義に基づき抗告人が間接強制を申し立てた事案において,相手方が抗告人との別居から約3年間面会交流を拒否し続けたことなどから,相手方に面会交流させる義務を継続的かつ確実に履行させるためには,相手方の収入や経済状況等を踏まえ,相手方に面会交流を心理的に強制させるべき相応の額の強制金の支払を命じる必要があるなどとして,強制金の額を不履行1回につき5万円とした原決定を変更し,不履行1回につき20万円とした事例
抗告人が,主位的に,被相続人の祭祀財産の承継者を抗告人と定める処分を,予備的に,遺骨の分骨及びその引渡しを求めた事案において,本件各申立てをいずれも却下した原審判につき,主位的申立てについては被相続人の祭祀主宰者は相手方と認められ,予備的申立てについても祭祀の対象となる遺骨の一部を抗告人に分属させなければならない特別の事情があるとはいえないとして,抗告を棄却した事例
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である抗告人が,母である相手方に対して,子をその常居所地国であるフランス共和国に返還するよう求めた事案において,子はその意見を考慮に入れることが適当な年齢及び成熟度に達しており,返還を拒否する意向を示していることから,法28条1項5号の返還拒否事由があると認められるとして申立てを却下した原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
累犯前科を含む覚せい剤取締法違反による同種服役前科が6犯ある被告人について,再犯防止のために,施設内処遇に引き続き社会内処遇を実施することが必要かつ相当であるとして,被告人を全部実刑に処した原判決を破棄し,刑の一部につき執行猶予(付保護観察)に付した事例
被害者が解放後に借金全額を肩代わりして支払うことに向けられた暴行,脅迫の影響が強盗罪にいう反抗を抑圧するに足りる程度のものとは認められないとされた事例
刑事施設に収容中の受刑者である原告が,必要性がないのに保護室に収容されたこと,刑事収容施設法上明文の規定を欠く監視カメラの付いた単独室(いわゆるカメラ室)に216日間にわたって収容されたこと,処遇部長から侮辱的な発言を受けたこと等により精神的損害を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を請求した事案について,原告に対する侮辱的な言動があったこと及び原告の動静を厳重に監視する必要性がなくなったにもかかわらず,漫然と監視カメラの付いた単独室への収容を継続したことについて国家賠償法上の違法があるとして,原告の請求を一部認容した事例
1 第二次納税義務の納付告知処分を受けた原告が,当該処分の取消しを求める訴えの提起前に,当該処分に基づく地方税を完納した場合の訴えの利益(肯定)
2 第二次納税義務の前提として法人格否認の法理を適用した事例
1 都市計画法47条5項に基づく開発登録簿の写しの交付申請を拒否する行為の処分性の有無
2 行政不服審査法24条2項に基づいてされた審査請求を却下する旨の裁決が違法であるとして取り消された事例
破産債権者がした,①破産裁判所,②破産債権関連訴訟の受訴裁判所,及び③告訴状等提出先の検察官の職務に関する国家賠償法1条1項に基づく請求が棄却された事例
時給制契約社員又は月給制契約社員である原告らと,被告の正社員との労働条件の相違のうち,年末年始勤務手当,住居手当(平成26年4月以降に限る。)及び扶養手当に関する相違は不合理であり労働契約法20条に違反するが,夏期年末手当等に関する相違については不合理なものであるとまで認められないとして,原告らの損害賠償請求が一部認容された事例
原告が制作販売する結婚式招待状等の一部につき著作物性を認めた上,被告らが制作販売する結婚式招待状等はそれらの複製物ないし翻案物に当たらないと判断した事例
名誉毀損の表現を含む内容の陳述書を作成等した行為により名誉を毀損されたことを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求を棄却した事例
1 総合格闘家の男性が,約1年半の間に合計6回,スポーツジムでの練習時に負傷したとして,共済組合に対し,共済契約に基づく共済金を請求したのに対し,いずれも負傷事故の発生が認められず,又は「激しい運動中の過度の肉体の行使」に該当し「不慮の事故」に当たらないとして,請求を棄却した事例
2 同男性が,自身の共済金請求に対して,共済組合が不正請求を疑い,著しく不当かつ過度な調査を強要したことについて,共済契約上の債務不履行または不法行為(注意義務違反)に基づき慰謝料を請求したのに対して,同組合にかかる違反はないとして請求を棄却した事例
建物等に係る瑕疵担保責任の有無の判断に当たり,現にいわゆるシェアハウスとして賃貸されている建物等をシェアハウスとして使用するためにそのままの状態で購入したという売買の経緯等から,上記建物等は売買契約当事者間においてどのような目的物として予定されていたかを具体的に認定した上で,その有すべき通常の品質・性能に照らして瑕疵があるか否かを判断すべきであるとされた事例
送致された犯罪事実は認められなかったものの,それと同一性を有するぐ犯事実が認められて保護処分に付された少年に対する補償事件において,ぐ犯事実による逮捕・勾留は許されないことを考慮し,逮捕勾留期間は補償の対象とする一方,補償額の算定に当たっては,送致事実の嫌疑がぐ犯事実のぐ犯性によりもたらされたことを考慮し,逮捕勾留期間につき,1日1000円の割合による補償をした事例