最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
はじめに
第1 口頭議論の意義・目的
第2 口頭議論の対象と在り方
1 主張事実の整理及び証拠の整理
2 法律上の問題点
第3 口頭議論の具体的な進め方
1 事前の予告等
2 事前の準備
3 口頭議論を行う期日への当事者本人や担当者の関与
4 口頭議論の方法
5 暫定的な心証開示
6 専門的知見の調達と活用
7 口頭議論の可視化
8 口頭議論活性化のためのルール
9 口頭議論活性化のためのツール
おわりに-本局面のまとめ
[目次]
第1 はじめに
第2 本論
1 主張関係
(1) 訴訟物の選択,主張構成等に関する釈明
(2)主張の重要性についての認識の共有化
(3)口頭議論の活性化
2 証拠関係
(1) 書証(客観的書証及び重要な書証)の提出の遅れ
(2)書証の吟味の不足
(3)人証
第3 おわりに
[目次]
第1 はじめに
第2 事案と各判断の概要
第3 殺意について
第4 総合認定について
第5 全体を通した問題意識
第6 おわりに
1 自衛隊が設置し,海上自衛隊及びアメリカ合衆国海軍が使用する飛行場の周辺住民が,当該飛行場における航空機の運航による騒音被害を理由として自衛隊の使用する航空機の運航の差止めを求める訴えについて,行政事件訴訟法37条の4第1項所定の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められた事例
2 自衛隊が設置し,海上自衛隊及びアメリカ合衆国海軍が使用する飛行場における自衛隊の使用する航空機の運航に係る防衛大臣の権限の行使が,行政事件訴訟法37条の4第5項所定の行政庁がその処分をすることがその裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるときに当たるとはいえないとされた事例
個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例
車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分か
住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権及び不当利得返還請求権をいずれも放棄する旨の市議会の議決が違法であると判断された事例
被選挙権の要件である「引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する」との事実を否定するまでの事情は認められないと判断された事例
他人所有の自動車を運転中に物損事故に遭った者が,弁護士を代理人として損害賠償請求訴訟を提起した後,所有者から損害賠償請求権の債権譲渡を受けた場合について,この債権譲渡は訴訟信託に当たり無効であると判断した事例
相手方が,抗告人に対し,未成年者の養育費の支払を求めた事案において,私立高校に進学した未成年者の入寮による食費・光熱費の負担減,抗告人が再婚相手の子と養子縁組を行い,同人に対する扶養義務を負担するに至ったこと等を考慮して養育費を算定し,これと異なる原審判を変更した事例
離婚の際に合意した養育費について減額の申立てが却下された後, その後の事情変更を理由に再度養育費の減額を求めた事案において, 養育費の合意の趣旨等を踏まえて養育費の額を算定した事例
遺産分割調停事件の相手方が税務署長に対して提出した相続税申告書及び添付資料を対象とする文書提出命令の申立てについて,当該文書は,その記載内容からみて,その提出により公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの(民事訴訟法220条4号ロ)に該当するとして原決定を取り消し,文書提出命令の申立てを却下した事例
請求項に記載された特許を受けようとする発明が,そこに何らかの技術的思想が提示されているとしても,その技術的意義に照らし,全体として考察した結果,その課題解決に当たって,専ら,人の精神活動,意思決定,抽象的な概念や人為的な取決めそれ自体に向けられ,自然法則を利用したものといえない場合には,特許法2条1項所定の「発明」に該当するとはいえない
相続税法違反被疑事件でほ脱の故意が争われている事案について,具体的な事情の下で,刑訴規則27条1項ただし書が定める「特別の事情」があると認められるとして,原決定を取り消し,他方で,租税ほ脱事件としては比較的争点が少ない類型であること,勾留の残日数等の諸事情に照らすと,弁護人の数を6人とするまでの必要性は認め難いとして,弁護人の数を4人とすることを許可した事例
いわゆるオレオレ詐欺に係る詐欺保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する抗告に関し,事実誤認の主張については,詐欺の故意があったとする原決定の結論を是認する一方で,処分不当の主張については,原決定の説示は本件非行の重大性をやや厳しく捉えすぎている上,非行性の程度についても検討が不十分であり,少年院送致という処分は著しく不当であるとして,原決定を取り消して本件を原裁判所に差し戻した事例
1 死刑確定者の面会に際し,刑事施設の長が,その指名する職員を面会に立ち会わせる措置,又は面会の時間を制限する措置は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる
2 死刑確定者の再審の請求の弁護人による,再審の請求の打合せを目的とする死刑確定者との間の刑事施設の職員の立会いのない面会の申出に対し,これを許さない刑事施設の長の措置の仮の差止めの申立てについて,現時点における事情の下では,同措置は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであるとして,同措置を仮に差し止めた事例
3 死刑確定者の再審の請求の弁護人による,再審の請求の打合せを目的とする死刑確定者との間の時間の制限のない面会の申出に対し,30分に面会の時間を制限する刑事施設の長の措置の仮の差止めの申立てについて,現時点では,直ちに同措置が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとなるか否かを判断することはできないとして,同申立てを却下した事例
1 下請運送業者の従業員による交通事故につき,当該従業員の不法行為責任及び下請運送業者の使用者責任を肯定し,元請運送業者及び注文者の使用者責任を否定した事例
2 交通事故により損害を受け不法行為に基づく損害賠償請求権を取得した者が,同一の事故について道路法の規定により取得した原因者負担金及びこれに対する延滞金の弁済を受けた場合における損益相殺的な調整の方法
確定した執行決定のある仲裁判断は,「裁判以外の債務名義」(民事執行法35条1項後段)ではなく,「確定判決」(同条2項)に当たり,同項の「口頭弁論の終結後」との文言は,「仲裁判断がされた後」と読み替えると判断した事例
スーツケース事件
ある商品群に共通する商品形態が周知商品等表示であるか否かは,それら商品群の商品全体を観察して商品形態の特徴を把握した上で,それら特徴の特別顕著性及び周知性を判断すべきであるとし,商品群が共通して備える複数の特徴のうち一部のみを取り出して周知商品等表示であるとする原告の主張は失当であるとした事例
大阪女児焼死事件(東住吉事件)再審判決
現住建造物等放火,殺人,詐欺未遂の罪により無期懲役の判決を受けた者に対する再審事件につき,被告人及び共犯者の自白には任意性が認められず,これらを除いた証拠からは,自然発火の可能性が合理的な疑いとして認められるから,被告人が犯行を行ったとは認められないとして,無罪を言い渡した事例
1 被告人両名が,共謀の上,被告人両名の次男である被害者(当時3歳)を,自宅において,ラビットケージ内に入れてその出入口をふさぐなどして同ケージから被害者が脱出できないようにし,さらに,被告人Aが被害者にタオルを咥えさせてタオルの両端をその後頭部付近で結ぶ暴行を加え,被害者を死亡させたという事案において,被害者の死因は遷延性窒息であり,ケージに監禁したこと及びタオルを咥えさせたことがあいまって死亡結果が生じたとして,これらの行為と被害者の死亡との間の因果関係を肯定した事例
2 被告人Aが被害者にタオルを咥えさせるなどした行為は,被告人両名やその家族の生活の障害となる被害者の行動を制限するという監禁の目的を達成するため,その延長上でこれに付随して行われたものであり,被告人両名が共謀した監禁行為の一環としてこれに含まれ,別個の行為とはいえないとして,被告人両名に監禁致死罪が成立するとした事例