《解 説》
1 本件は,推計による所得税の更正処分(所得税法156条)の取消訴訟において,文書提出命令の申立て(以下「本件申立て」という。)がされた事案である。
被告は,原告の事業所得の金額を算定するに当たり,同業者の売上原価率及び特前所得率(以下,「売上原価率等」という。)を適用して推...
《解 説》
本件は,株式会社Yの民事再生手続開始決定について債権者である銀行Xが抗告し,本件手続開始申立てには民事再生法25条4号の棄却事由(不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき,その他申立てが誠実にされたものでないとき)があったと主張し,開始決定の取消しを求めた事案である。
X...
《解 説》
1 本件は,被告人が,デジタルカメラ機能付き携帯電話機で衣服の上から女性の臀部等を盗撮したという公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(北海道条例)違反の事案である。
本条例2条の2第1項は,「何人も,公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がな...
《解 説》
本件は,被告人が所有する犬3頭について厚生労働省令の定める狂犬病の予防注射を受けさせなかったという,狂犬病予防法違反の事案である。
本件では,被告人が狂犬病予防法5条1項に違反して狂犬病の予防注射を受けさせなかった被告人所有に係る犬3頭が,同条項違反罪(同法27条2号)の犯罪...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。
(1) Aは,偽造有印私文書行使,詐欺の罪で,逮捕・勾留・起訴された被告人である。Bは,Aの元妻であり,C(長男),D(二男),E(長女)及びF(二女)は,いずれもAとBとの間の子であり,GはFの夫である。
(2) 原告は,A及びCに...
《解 説》
1 本件は,第1審判決で敗訴したYが控訴期間経過後に控訴を提起したが,控訴の追完が認められるべきであると補足して主張したため,当該追完の許否が問題となった事案である。
2 Y(控訴人・第1審被告)の主張する追完の事由は,要するに,「原審においては,訴状や期日呼出状等の裁判所か...
《解 説》
1 本件は,家事調停により別居していた法律上の妻(控訴審において正式に離婚)に対し,夫が脅迫を加えて,姦淫したという事案である。
1審判決は,被告人に対して,強姦罪を認定し(なお,1審・控訴審を通じて,被告人自身は事実を争っていない。),懲役3年を言い渡したところ,控訴審にお...
《解 説》
1 事案の概要
本事例の交通事故は,交差点の横断歩道を自転車で直進横断中の原告に気づかないまま,被告A運転の大型貨物自動車(被告B所有)が交差点を左折しようとして接触し,原告に右大腿骨骨幹部骨折,右脛骨骨幹部骨折,左鎖骨骨折の傷害を負わせたというものである。
原告は,本件訴...
《解 説》
1 本件は,Xにおいて,Yと合併する前の会社(以下,合併前後を問わずYと表示する。)との間で成立した株式持合いの合意に基づき,平成13年から平成14年にかけてYからYの保有する鉄道会社(なお,鉄道会社の会長は,Yの会長であるAが兼ねていた。)の株式(本件株式)を購入した(本件取...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,Y市の住民であるXらが,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法(以下「旧法」という。)242条の2第1項4号の規定に基づき提起した住民訴訟(以下「本件住民訴訟」という。)に勝訴したとして,同条7項の規定に基づき,Y市に対し,本件住民訴訟に要した...
《解 説》
1 本件は,自動車販売修理業を営む会社であるX1の本店工場(事務室を含む。本件工場)内に置いてあったX1所有・X2(X1の元代表者・実質的経営者)使用のセンチュリーと,X1が預かり保管中のA所有のベンツSが盗難され(本件第1事故),また,その3か月余り後に,本件工場内に置いてあ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,N航空の株主であったものであるが,N航空が,平成14年10月,同17年法律第87号による改正前の商法(以下「改正前商法」という。)364条に定める株式移転を行う方法によって,A航空を設立したことにより,A航空の株主になったものである。...
《解 説》
Aは平成7年7月に貸金業者であるYとの間で手形貸付取引約定(基本契約1)を交わし,同9年5月に同様の約定(基本契約2),同11年9月に同様の約定(基本契約3)を交わし,継続的に融資を受けていたが,同18年2月に破産手続開始決定を受け,Xが破産管財人に選任された。XはYに対し,A...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X社は,自動車売買の仲介斡旋等を目的とする株式会社であり,株式を東証第2部に上場している。Y1社は,コンピュータネットワークに関するコンサルティング等を業とする株式会社であり,株式を平成18年4月14日まで東証マザーズに上場していた。X社と...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。K社は,昭和19年に設立された各種繊維工業品,医薬品,各種食品及び一般日用品雑貨の製造加工を目的とする会社である。K社の取締役会は,平成18年4月14日,T社の関連会社であるファンド10社が出資する会社に対し,主要3事業を451億円余で営業...