《解 説》
1 本件は,第1審判決で敗訴したYが控訴期間経過後に控訴を提起したが,控訴の追完が認められるべきであると補足して主張したため,当該追完の許否が問題となった事案である。
2 Y(控訴人・第1審被告)の主張する追完の事由は,要するに,「原審においては,訴状や期日呼出状等の裁判所か...
《解 説》
1 本件は,家事調停により別居していた法律上の妻(控訴審において正式に離婚)に対し,夫が脅迫を加えて,姦淫したという事案である。
1審判決は,被告人に対して,強姦罪を認定し(なお,1審・控訴審を通じて,被告人自身は事実を争っていない。),懲役3年を言い渡したところ,控訴審にお...
《解 説》
1 事案の概要
本事例の交通事故は,交差点の横断歩道を自転車で直進横断中の原告に気づかないまま,被告A運転の大型貨物自動車(被告B所有)が交差点を左折しようとして接触し,原告に右大腿骨骨幹部骨折,右脛骨骨幹部骨折,左鎖骨骨折の傷害を負わせたというものである。
原告は,本件訴...
《解 説》
1 本件は,Xにおいて,Yと合併する前の会社(以下,合併前後を問わずYと表示する。)との間で成立した株式持合いの合意に基づき,平成13年から平成14年にかけてYからYの保有する鉄道会社(なお,鉄道会社の会長は,Yの会長であるAが兼ねていた。)の株式(本件株式)を購入した(本件取...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,Y市の住民であるXらが,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法(以下「旧法」という。)242条の2第1項4号の規定に基づき提起した住民訴訟(以下「本件住民訴訟」という。)に勝訴したとして,同条7項の規定に基づき,Y市に対し,本件住民訴訟に要した...
《解 説》
1 本件は,自動車販売修理業を営む会社であるX1の本店工場(事務室を含む。本件工場)内に置いてあったX1所有・X2(X1の元代表者・実質的経営者)使用のセンチュリーと,X1が預かり保管中のA所有のベンツSが盗難され(本件第1事故),また,その3か月余り後に,本件工場内に置いてあ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,N航空の株主であったものであるが,N航空が,平成14年10月,同17年法律第87号による改正前の商法(以下「改正前商法」という。)364条に定める株式移転を行う方法によって,A航空を設立したことにより,A航空の株主になったものである。...
《解 説》
Aは平成7年7月に貸金業者であるYとの間で手形貸付取引約定(基本契約1)を交わし,同9年5月に同様の約定(基本契約2),同11年9月に同様の約定(基本契約3)を交わし,継続的に融資を受けていたが,同18年2月に破産手続開始決定を受け,Xが破産管財人に選任された。XはYに対し,A...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X社は,自動車売買の仲介斡旋等を目的とする株式会社であり,株式を東証第2部に上場している。Y1社は,コンピュータネットワークに関するコンサルティング等を業とする株式会社であり,株式を平成18年4月14日まで東証マザーズに上場していた。X社と...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。K社は,昭和19年に設立された各種繊維工業品,医薬品,各種食品及び一般日用品雑貨の製造加工を目的とする会社である。K社の取締役会は,平成18年4月14日,T社の関連会社であるファンド10社が出資する会社に対し,主要3事業を451億円余で営業...
《解 説》
本件事案は,酒販組合中央会の事務局長である被告人が,金融機関等の関係者から危険性を指摘されるなどしていたにもかかわらず,金融商品(仕組債)を購入した場合にその紹介者から供与される利益を目当てに,同会の年金資金の約7割に当たる144億円余りを商品内容や適切な投資規模等を検討するこ...
《解 説》
本件は,自殺の道連れに通行人を殺害しようと企て,極めて近接した日時場所において,殺意をもって,自転車に乗車中の被害者5名に対し,背後から,次々と自己が運転する普通乗用自動車を激突させ,その結果2名を死亡させ,3名を負傷させたとして,殺人既遂2件,殺人未遂3件で起訴された事案であ...
《解 説》
1 本件は,刑事被告人として勾留により大阪拘置所に収容されていた原告が,同所に収容されていた間,朝日新聞の自費による定期購読を許可されなかったのは違憲,違法であるなどと主張して,被告(国)に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料等の支払を請求した事案である。
昭和41年矯正...
《解 説》
1 本件は,Xが,鉄道高架橋下所在のX所有の土地(本件土地1)及びXが賃借している土地(本件土地2)をY1に賃貸し(本件契約),Y1が,両土地上にある建物(本件建物)をY2に賃貸していたところ,鉄道高架橋の耐震補強工事を実施する「鉄道事業の遂行上の必要」が生じたため,本件契約が...
《解 説》
1 本件は,宇治市の住民である被控訴人らが,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づく住民訴訟を提起し,一部勝訴判決が確定したことから,控訴人に対し,法242条の2第7項の規定に基づき,被控訴人らが上記住民訴訟遂行のた...
《解 説》
1 本件は,Xが,AからYに対する売買代金債権を譲り受けたとして,Yに対し,同代金の支払を求めた甲事件と,Aに対する債権を有するZが,AとXがした同売買代金債権譲渡契約が詐害行為にあたるとして,Xに対し,その取消し及びXからYに対する取消しの通知を求めた事案である。
2 本件...
《解 説》
1 本件は,海運業を営む内国法人であるXが,パナマ共和国に設立した子会社であるA社に生じた欠損が実質的には親会社であるXに帰属するとして,これをXの損金に算入して法人税等の申告をしたところ,所轄税務署長Yから,A社が租税特別措置法(本判決別表参照。以下「措置法」という。)66条...
《解 説》
1 個人株主であるXは,A株式会社の有価証券報告書のうち「大株主の状況欄」において虚偽の記載があることを知らないで,A株式会社の株式を買い付けたところ,上記虚偽記載があったことが発覚して株価が下落したため,株式買付時の各買付単価と虚偽記載公表から約1か月後の特定の日の終値との差...