《解 説》
1 Xは,いわゆるサービサーで,銀行から,同行がぱちんこ店などを営むYに対して貸し付けたものの不良債権化していた債権を,担保権付きで債権譲渡を受け,担保権について,その旨の付記登記を受けた。その後,Yが民事再生手続開始の申立てをしたので,Xは,直ちに,担保権の実行の申立てをし,...
《解 説》
1 本件は,承継前被告ら(旧UFJ3社)との間で協働事業化に関する基本合意をした原告が,旧UFJ3社が本件基本合意に基づく協働事業化に関する最終契約を締結する義務に違反した又は独占交渉義務及び誠実協議義務に違反したあるいは一方的に本件基本合意を破棄したなどと主張して,被告らに対...
《解 説》
1 被告人は,多量に飲酒した上,無免許で,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を運転して,自動車を道路左外側線側に進出させ,道路左端を通行していた歩行者8人に対し,時速約70キロメートルで走行する自動車を衝突させて,4人を死亡させ,4人を負傷させた道路交通法違反...
《解 説》
1 被告人は,クレジットカード在中のセカンドバッグを窃取し,その後,このカードの番号等を冒用して,いわゆる出会い系サイトの有料サービスを受けようと考えた。その方法は,自己の携帯電話機から,インターネットを介し,出会い系サイト業者のホームページを経て,クレジットカード決済代行業者...
《解 説》
1 本件は,第2次世界大戦前に中国東北地方(当時の満州国の区域)にそれぞれの一家で移民した原告ら3人(終戦時16歳,13歳又は11歳)が,終戦直前のソ連軍の中国東北地方への攻撃開始による戦闘により家と仕事を失った難民となり,生死の境をさまよう過酷な越冬生活を経て中国に取り残され...
《解 説》
本判決は,民法209条に基づく隣地使用権の主体について,土地所有者のみならず,土地所有者と使用貸借契約を締結して同土地上に建物を建築しようとしている者についても,同条の類推適用により,その主体となる旨判示したものである。
事案の概要は,概ね以下のとおりである。すなわち,原告(...
《解 説》
Xは,平成14年4月19日,兵庫県情報公開条例に基づき,平成13年度における学校での体罰に関する公文書の公開を実施機関である県教育委員会Yに対して求めたところ,Yは,同14年6月17日,求められた文書の一部には本件条例6条1号(個人に関する情報であって,特定の個人を識別できるも...
《解 説》
1 本件は,保育園児であるX1(女児・当時4 ~ 6 歳)が,保育中に同じ保育園児(男児・当時4~6歳)にいじめや性的嫌がらせを受けてPTSDを発症したなどとして,X1とその親権者であるX2が,男児の親権者であるYらに対して,民法714条に基づき損害賠償を求めると共に,Yらから...
《解 説》
1 本件は,民事再生手続が開始されたゴルフ場経営会社につき,債権者から会社更生手続開始の申立てがされたことから,いずれの手続によって再建を図るべきかが争われた事案である。
2 A株式会社は,ゴルフ場の経営等を目的として,昭和44年10月31日に資本金4億3000万円で設立され...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,本人につき後見が開始され,家庭裁判所が職権により本人と先妻との間の子を成年後見人に選任したところ,本人と後妻との間の子である抗告人が,原審判の取消を求めて即時抗告した事案である。
家庭裁判所は,後見開始の審判をするときは,職権で成年後見人を選任するこ...
《解 説》
1 本件は,銀行の本部の担当部署から各営業店長等にあてて発出されたいわゆる社内通達文書であって一般的な業務遂行上の指針等が記載されたものが,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」(自己利用文書)に当たらないかどうかが問題となった事案である。
本...
《解 説》
1 X1は,平成16年2月25日午後9時10分ころ,道路交通法違反(速度超過,免許証提示義務違反)の現行犯人として逮捕(本件逮捕)されるとともに,同18分ころ,警視庁A警察署に引致され,犯罪事実の要旨と弁護人選任権の告知,弁解録取の後,同30分ころからB警部補による取調べが始め...
《解 説》
1 電気事業法の改正に伴い電気供給約款が改定され,平成8年から需要場所に適用される電気需給契約の契約種別が,「業務用電力」とされるか「高圧電力(A)」とされるかによって電気料金が異なることとなった(平成8年当時で3%,平成14年4月以降は13%程度,後者が安価である。約款上は,...
《解 説》
1 訴外A(昭和8年生)は,平成14年9月20日,胆管の異常のため,Yの経営するB病院に入院し,4月24日,内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(以下「ERCP」という。)を受けたが,その後急性膵炎を合併し,4月27 日,重症急性膵炎による多臓器不全のため死亡した。
そこで,Aの遺族...
《解 説》
1 本件は,大学入学試験を受験した受験生につき,学科試験が合格判定基準を満たしていたため大学が合格通知を出したが,その後特定の宗教団体と当該受験生との関係に起因する理由で当該受験生の入学を許可しなかったことにつき,そのような措置が違法であるとして提起された損害賠償請求事件である...
《解 説》
1 本件は,アルミニウム再生精錬事業を行う被告会社の事業に関し,同会社のアルミニウム再生精錬工場の工場長である被告人Aが,同工場従業員らをして,アルミニウム再生精錬過程から排出される汚泥,金属くず,鉱さい,がれき類等の産業廃棄物を工場敷地内に掘られた素堀の穴に埋め立てることを前...