《解 説》
1 本件は,次の2件の事件から成る。〔第1事件〕第1事件被告A社の全株式を買い受けて取得しているとする第1事件原告兼第2事件被告B社及びC社が,A社の前の株主で代表取締役でもあった第2事件原告兼第1事件被告A社補助参加人Dらが,もはやA社の株主でないにもかかわらず,A社の株主総...
《解 説》
1 本件は,XがY(国)に対し日本国籍の確認を求めた事案である。Xは,昭和20年8月14日,朝鮮慶尚南道に本籍を有する朝鮮人男子Aと埼玉県に本籍を有していた内地人女子Bとの間の非嫡出子として出生し,日本人であるBの子として日本国籍を取得した。Aは,昭和25年9月8日Xを認知した...
《解 説》
1 貸金業の規制等に関する法律(以下「法」という。)3条所定の登録を受けて貸金業を営むXは,Y1に対し,Y2及びY3の連帯保証の下,利息制限法1条1項所定の利息の制限利率を超える利率で42回にわたって金員を貸し付けた(貸付け1から42まで)。貸付け1から30までについては利息の...
江戸川区受動喫煙訴訟判決 区が区役所の執務室内において区職員の生命及び健康を受動喫煙の危険性 から保護するよう配慮すべき義務に違反したとされた事例
《解 説》
1 訴外Aは,平成14年12月20日,Yの経営する戸隠スキー場(以下「本件スキー場という。)のメノウコースにおいて,スノーボードで滑走中,同コースに沿って設置されている防護ネットを支える木製丸太支柱に衝突した後,本件コース外に転落し,頭蓋骨骨折等により死亡した。
そこで,Aの...
《解 説》
1 本件は,K市交通局の主事として勤務し,K市交通労働組合の支部長をしていたXが,Xを管理職である営業所庶務係長に昇任させる旨の人事異動は,Xの労働組合員資格を失わせ,Xの組合活動への関与等を制限するものであり,労働組合法(以下「労組法」という。)7条1号の不利益取扱い及び同条...
《解 説》
1 被告人は,知人に大麻樹脂の買手の紹介を依頼したところ,その知人が麻薬取締官の捜査協力者であったことから,その旨を麻薬取締官に情報提供した。麻薬取締官は,自ら買手を装うこととし,取引の場所として大阪市内のホテルの一室を用意し,捜査協力者の紹介で被告人と会った上,買受けの意向を...
《解 説》
1 本件は,Xの妻Aが,病院に入院して胸腺摘出・気管切開の手術を受けたが,心電図検査を行った技師がベッドを倒した際,Aの人工呼吸器が外れて呼吸不全に陥り死亡したと主張し,積立家族傷害保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していたY保険会社に対し,死亡保険金300万円の支...
《解 説》
1 本件は,Yから語学レッスンに関する登録ポイント(600ポイント)を購入したXが,購入の際のY担当者の説明と実際の精算方法に齟齬があるなどとして,当該レッスンポイントの購入契約(本件契約)につき,詐欺を理由にこれを取り消すとか,錯誤により無効であると主張し,また,特定商取引に...
《解 説》
1 本件は,退去強制令書により身柄を拘束された申立人が,仮放免の許可申請につき不許可処分を受けたことから,当該不許可処分の取消し及び国家賠償を求める訴訟を提起した際に,訴訟上の救助を申し立てたという事案である。原々審は,救助の範囲を限定することなく,訴訟上の救助の決定をした。相...
《解 説》
1 本件は,信号機の設置された交差点で右折する乗用車と直進する自動二輪車が衝突し,乗用車の運転者の過失が問われた事件である。事案の概要は判示に要約されているが,衝突の態様は,被告人が幹線道路の中央寄り車線を走行し,右折予定の交差点の手前で対面信号が青から黄色に変わったが,信号の...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,生命保険金の受取人が,保険会社に対し,保険金の請求をした事案である。この事件は,熊本県内の某病院の院長夫人が交通事故で死亡したが,同女を被保険者として,十数社の保険会社に対し極めて多額の生命保険金が掛けられ,かつ事故状況に若干疑わしい点があったことなど...
《解 説》
1 Aは,昭和42年以降,無限連鎖講を次々と考案し,自らその本部となって講を運営していたが,講加入者の急増に伴い,税務調査を受けるようになり,同46年11月,所得税更正及び重加算税賦課決定を受けたことから,税務対策等の観点から社団化を図ることとなって,その主宰する講の事業主体が...