《解 説》
本件は、いわゆる青色申告承認取消益がほ脱所得に含まれるかどうかが争われた法人税法違反事件において、ほ脱の故意のほか実行行為と結果との間の因果関係についても検討が加えられ、積極の判断が示された事案である。
青色申告の承認取消益をほ脱所得に含めることができるかについては、本判決も...
《解 説》
1 Xは、自己所有の建物(本件建物)において飲食店を営んでおり、Y1保険会社との間で本件建物を目的とする店舗総合保険契約を、Y2保険会社との間で本件建物内の什器備品等を目的とする店舗総合保険契約をそれぞれ締結していたところ、深夜に本件建物内から出火して火災が発生し、これにより本...
《解 説》
一 被告は参加人銀行とカードローン契約をした。その契約は、被告は、参加人から交付されたカードを用いて、ローンとして現金自動支払機から払い出しを受けられるというものであった。被告はカードを勤務先の机抽斗に入れていたところ、泥棒にカードを盗まれ、泥棒がそれを用いて自動支払機からお金...
《解 説》
一 本件は、破産宣告に対する破産者の即時抗告期間が争点とされた事案である。破産手続に関する裁判に対する不服申立てにつき、破産法一一二条(以下、「法」という。)は、利害関係者は即時抗告をすることができると規定している。即時抗告期間は、一般的には裁判の告知を受けた日から一週間である...
《解 説》
一 本件は、第一回公判前の平成一三年三月二三日にされた保釈許可決定後に、検察官から、当該勾留の基礎とされているパチンコ店に対する建造物侵入の公訴事実(被告人は、捜査段階から認めている。)に関して、右侵入に引き続いて行われたとするパチンコ玉の窃盗未遂(被告人は、捜査段階では否認し...
《解 説》
一 本件は、被告に勤務していた原告が、被告の男子従業員がのぞき見目的で被告営業所の女子トイレ内の掃除道具置場に侵入しているのを発見したことについて、被告に対し、早期かつ迅速な事実関係の調査を求めたのに、被告がこれを怠っただけでなく、原告に対し様々な嫌がらせを行うなど不適切な対応...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Aは、Y1の経営するB病院に入院し、平成六年六月一四日、大腸癌の摘出手術を受けたが、同七年九月二一日、大腸癌が肝臓に転移したことにより死亡した。X1(Aの夫)とX2(Aの子、以下X1、X2を併せて「Xら」という)は、①医師であるY2が、Aの...
《解 説》
1 本件は、被告が設置する高等学校(以下「本件高校」という。)の水泳授業中に潜水の練習をしていた生徒Aが溺水し、その結果死亡したことにつき、Aの両親である原告らが、被告に対して、在学関係に基づく安全配慮義務違反ないし国家賠償法一条一項の過失責任に基づき、損害賠償を求めたものであ...
《解 説》
一 本件は、Yの執筆した小説「大地の子」(被告小説)が、Xの著作に係る原告著作物の著作権(複製権、翻案権)及び著作者人格権(氏名表示権)並びに人格権を侵害するとして、XがYに対して、被告小説の出版等の差止め、損害賠償の支払及び謝罪広告を求めた事案であり、その概要は以下のとおりで...
《解 説》
一 本件は、Xが、訴外会社Zから買い受けた不動産中の建物(テナントビル)の賃借人らに対するZの賃料債権が第三者によって差し押さえられていたところ、Zの仮代表取締役であり弁護士であるY1は、右事実を知りながら、賃料債権に対する差押えの効力は建物売買後の新所有者には及ばないとの独自...
《解 説》
一 1 原告は、店舗内装材並びに商品陳列用什器、器具及び備品の製造販売等を業務とする株式会社であり、被告らは、いずれもインテリア器具、ディスプレイ器具の開発、販売、リース、あるいは、商品陳列什器の貸渡し(リース・レンタル)等を業務とする株式会社である。
2 原告は、設立時から...
《解 説》
一 一連のいわゆるダイヤルQ2訴訟では、加入電話契約者以外の者が加入電話契約者に無断で加入電話からダイヤルQ2事業における有料情報サービス(Q2情報サービス)を利用した場合において、①加入電話契約者がNTTに対しその利用に係る通話料(Q2通話料)の支払義務を負うか否か、②加入電...
《解 説》
一 本件は、加入電話契約者である原告(X)が、被告NTT(Y)に対し、Xに雇用され社宅に住み込んでいた従業員がXの承諾なしに利用したダイヤルQ2事業における有料情報サービス(Q2情報サービス)に係る通話料債務の不存在確認を求めている事案である。最高裁平七(オ)第一六五九号平13...
《解 説》
一 本件は、一連のダイヤルQ2訴訟の一つであり、加入電話契約者以外の者が利用したQ2情報サービスに係る情報料について、これをNTTに支払った加入電話契約者(X)が、NTT(Y)に対して不当利得としてその返還を求めることができるかどうかが問題となった事案である。なお、ダイヤルQ2...
《解 説》
一 XはYに対し、Yの支配人であるAを通じて金銭を貸し付けた。ところが、Yはこれを弁済しないので、Xとしては貸金返還を求めるというのが本件訴訟である。
Yは、Aは元支配人でありYと無関係に金銭借り入れをしたものである等の主張をし、請求棄却を求めたほか、訴権濫用等による訴え却下...