《解 説》
一 本件本訴は、Aの相続人である二男Xが、「遺言者A所有の不動産である東京都荒川区○○○△丁目□番□号をXに遺贈する」旨の記載のあるAの自筆証書遺言によって、同住所に所在する本件土地建物のAの共有持分を取得したと主張して、本件土地建物の他の共有持分者であるYらに対して、本件土地...
《解 説》
一 本件は、抵当権に基づく抵当目的不動産に係る賃料物上代位と、賃借人が賃貸人に対して有する一般債権と賃料債権の相殺の合意との優劣が問題となった事案である。
二 銀行であるXは、Aに対し、貸金債権を有し、A所有の本件建物について根抵当権を有している。Yは、Aから本件建物の一階部...
《解 説》
一 本件の概要は、被告人ほか一名が、被害者を自動車で拉致して強姦しようとしたが、被害者が被告人らの隙をついて走行中の自動車の窓から飛び降りて逃げ出したため、姦淫は未遂に終わったが、その間、被告人らは、被害者が助けを求めるのを妨害し、かつ姦淫を承諾させるための手段として車内で被害...
《解 説》
一 本件は執行官の手数料の額が争われた事案である。Xは、土地の引渡命令を債務名義として、執行官に対し土地引渡しの強制執行を申し立てた。A執行官はXの代理人とともに現地に臨場したが、動産類が多数置かれており、作業員の手配等が必要なため、その日は動産類の搬出に着手せず、続行期日を指...
《解 説》
一 本件は、診療所を経営する医療法人(Y)に対し、その元理事長・院長(X1・医師)と元理事・事務長(X2・非医師)とが、医療法人を自主退職したことに伴い職員退職金規程に従って退職金を請求したところ、YがXらに退職金請求権は存せず、そうでないとしても権利濫用であるとして争った事案...
《解 説》
一 本件は、Y銀行に対して有していた、自動継続定期預金等多数の定期預金債権の仮差押えを受けたXが、仮差押えが取り下げられた後に、Y銀行に対し、それまでの間の定期預金利息として一億一四〇〇万円余の支払等を求めている事件である。
これら定期預金債権は、平成二年四月三日にXの債権者...
《解 説》
一 Xの母は、Yとの間で、Xを死亡保険金受取人とする生命保険契約(本件契約)を締結していたが、平成一二年一月六日に脳梗塞で倒れて入院し、同年二月二八日に入院先の病院で死亡した。その間、Xの母と同居していた甲を通じてYに対し、本件契約の死亡保険金受取人を甲に変更したいとの申入れが...
《解 説》
一 異議申立人は、破産者A株式会社に対して破産債権を有するものであるが、Aが破産宣告を受けた当時、破産者所有に係る本件不動産について、当該破産債権を被担保債権とする根抵当権を有していた。
破産管財人は、第三者Bとの間で、本件不動産を根抵当権付のまま売る旨の合意をし、Bは、これ...
《解 説》
一 本件各犯行はいずれも複雑な経過を辿っているが、その概要は次のとおりである。
被告人甲乙は、Xという名称で犬猫等繁殖販売業等を共同経営していた夫婦(両名は本件各犯行前に協議離婚したが、それは税金対策のための偽装離婚であったと認定されている)であるが、かねてから顧客に対して嘘...
《解 説》 一 本件は、北九州市の住民であるXらが、北九州市が協議、懇談に際して支出した食糧費につき、出席者一人あたりの金額が六〇〇〇円を超えるか又は一人あたりの酒量が二本を超える飲食は違法であるとして、①市長に対し地方自治法二四二条の二第一項四号前段に基づく損害賠償請求として協議、懇談の飲...
《解 説》
Xらの子Aは、生まれつき心房中隔欠損症であったため、大学病院で手術や治療を受けていたが、Yの経営するB病院を受診した際、僧帽弁閉鎖不全症と診断され、人工弁置換手術を受けることになって、平成八年九月二四日、B病院に入院し、翌二五日、Yの執刀により右手術を受けた。ところが、右手術後...
《解 説》
一 本件は、Y2銀行の行員であったXが、勤務先の支店長であるY1からいわゆるセクハラ行為を受け、その結果、Y2銀行を退職せざるを得なくなったなどと主張して、Y1に対しては不法行為に基づき、Y2に対しては、不法行為、労働契約上の債務不履行に基づいて損害賠償及び謝罪広告を請求したと...
《解 説》
本件は、いわゆる青色申告承認取消益がほ脱所得に含まれるかどうかが争われた法人税法違反事件において、ほ脱の故意のほか実行行為と結果との間の因果関係についても検討が加えられ、積極の判断が示された事案である。
青色申告の承認取消益をほ脱所得に含めることができるかについては、本判決も...
《解 説》
1 Xは、自己所有の建物(本件建物)において飲食店を営んでおり、Y1保険会社との間で本件建物を目的とする店舗総合保険契約を、Y2保険会社との間で本件建物内の什器備品等を目的とする店舗総合保険契約をそれぞれ締結していたところ、深夜に本件建物内から出火して火災が発生し、これにより本...