《解 説》
一 本件は、民訴法の改正によって新設された少額訴訟制度において、異議後の訴訟の判決(少額異議判決)に対して控訴をすることができないとして不服申立を制限している民訴法三八〇条一項の規定が憲法三二条に違反するかどうかが問われた特別上告事件である。
二 本件訴訟は、X(被上告人)が...
《解 説》
一 昭和五七年度の国家公務員の給与引上げ等を内容とする人事院勧告につき、政府は財政状態のひっ迫等を理由に同年九月に右勧告の不実施(凍結)を決定した。本件は、右凍結を不服とする全農林労働組合が人事院勧告の完全実施等の要求を掲げて大規模な時限ストを行ったところ、全農林の中央執行委員...
《解 説》
一 本件は、大阪府知事Yが宗教法人Aに対し墓地、埋葬等に関する法律一〇条一項に基づいてした墓地経営の許可(本件許可)について、右許可に係る墓地(本件墓地)の周辺に居住等するXらが、その取消しを求めた事案であり、Xらの原告適格の有無が本案前の争点となった。
二 墓地、埋葬等に関...
《解 説》
一 本件は、原告が作成したデータベース(タウンページデータベース)及び職業電話帳(タウンページ)には、それぞれデータベースの著作権及び編集著作権が認められ、被告によるデータベースの作成及び頒布が、原告の右各著作権を侵害すると主張して、原告が、被告に対し、被告のデータベース(業種...
《解 説》
一 X(洋品店経営)はAに洋服等の売買代金債権を有していたところ、Aは死亡し、Aの母である相続人Yは相続放棄の申述をし、家裁で受理された。しかし、Yは、その後Aの遺品である洋服等を持ち帰った。そこで、Xは、これは民法九二一条三号にいう「隠匿し」又は「私に消費」したこと(法定単純...
《解 説》
一 本件は、本件マンションの七〇七号室の区分所有者である原告が、階下の六〇七号室の天井裏を通っている排水管から発生した漏水事故について、同号室の区分所有者らから損害賠償の請求を受け、右排水管の修理を余儀なくされたことから、本件マンションの管理組合である被告に対し、右排水管が本件...
《解 説》
一 本件は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「法」という。)三条に基づいてぱちんこ屋営業の許可を受けていたXが、その共同経営者で営業を一任していた夫が訴外会社にXの名義をもってぱちんこ屋を営業することを許諾し、同社が一年九箇月余にわたりX名義でぱちんこ屋を営...
《解 説》
一 本件は、「液体充填容器」に係る実用新案権につき、Yの製造販売する液体充填容器がその考案の技術的範囲に属し、Xの権利を直接侵害するか、又は、Yが液体充填容器の部品を製造販売する行為が右権利の間接侵害に当たるというXの主張をいずれも退けて、実用新案権に基づく差止め及び損害賠償請...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年九月から、B病院を開設して、内科、外科等の診療を行ってきたが、経営が行き詰まり、平成九年一〇月、多額の債務を抱えて破産宣告を受けるに至り、Xが、破産者Aの破産管財人に選任された。
そこで、Xは、Aが破産前の平成八年一一月二六日付でYに対してしたAの県国...
《解 説》
一 Xは、昭和四九年一〇月二二日、Aから土地及び建物を買い受けたが、右の建物(以下「本件建物」という)は、B(昭和六〇年二月二〇日死亡)が所有する隣接地の一部(約七坪。以下「本件土地」という)にはみ出して建築されていた。平成八年七月一四日ころに行われた本件建物を建て替える前提と...
《解 説》
一 金融機関であるXは、平成七年六月二九日、Yとの間において、Y所有に係る土地(五筆)につき、極度額三〇〇〇万円、債権の範囲は「信用組合取引、手形債権、小切手債権」、債務者をYとする根抵当権設定契約を締結して根抵当権設定登記を経由し、さらに、平成八年三月一二日、Yとの間において...
《解 説》
一 Yは、岩手県内でプロパンガス及び石油等の販売を業とする会社であるが、昭和四八年と昭和五〇年に、訴外A生命保険会社との間で、Yの取締役である訴外Bを被保険者、Yを保険金受取人として生命保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していた。
Bは、平成六年一月、肝臓ガンのた...