《解 説》
一 本件は、建物の売買等を指定役務とする登録商標に類似する標章を建物(分譲マンション)という商品に使用する行為につき、指定役務と商品とが類似することを理由に、商標権に基づく差止め及び損害賠償請求を認容した事例である。
Xは、「土地の売買、建物の売買」を指定役務とする登録商標「...
《解 説》
1 本件は、箕面市忠魂碑・慰霊祭訴訟(最三小判平5・2・16民集四七巻三号一六八七頁、本誌八一五号九四頁)の関連事件であり、箕面市における忠魂碑、慰霊祭、遺族会に関する一連の政教分離が問題とされた住民訴訟の一つである。箕面市忠魂碑訴訟と箕面市慰霊祭訴訟は第一審判決後、控訴審で併...
《解 説》
一 本件は、自動車内での監禁、強姦事件で、監禁、強姦の成否及び態様が争われた事案である。すなわち、被告人は、当時一五歳の女性を自動車に連れ込んで強いて同女を姦淫しようと企て、深夜、薬局の駐車場において、同女に対し、所携の軽便かみそりを突きつけ、「車に乗れ。」、「言うことを聞かな...
《解 説》
一 本件は、筑紫野市の住民であるXが、同市議会による議員五名を海外視察に派遣し、その旅費を支出する決定は、法律・条例上の根拠がなく、視察自体に合理的必要性もないから違法であるとして、右決定に応じて一連の支出行為をした同市長Yに対し、同市を代位して旅費相当額二〇〇万円の損害賠償を...
《解 説》
一 事案の概要
1 特許権の存続期間の延長制度について
薬事法には、医薬品を輸入しようとする者から申請があったときは、厚生大臣は、品目ごとに輸入についての承認を与えること(薬事法二三条、一四条)、医薬品の輸入販売業の許可を得た者でなければ、業として医薬品の輸入をしてはならず...
《解 説》
一 はじめに
本件における論点は、① 障害基礎年金及び障害厚生年金(基本年金分)の逸失利益性、② 右各障害年金についての加給分の逸失利益性、③ 遺族年金をもってする損益相殺的調整の対象となる損害費目の三点である。本判決の示した判断は、いずれも当該論点に関する最高裁としての初判...
《解 説》
一 Xは、平成四年四月から平成七年三月まで、○○中学校に在学していたが、その在学中に、同級生であったY1から、金員を脅し取られたり暴行を受けたりする等のいじめを受けたとして、Y1とその父母Y2、Y3に対し、不法行為に基づき、三六〇万円の損害賠償を請求した。
これに対し、Yらは...
《解 説》
一 X1とその妻X2は、平成元年当時から、母A、その子X3、X4とともに、京都市西京区所在の二階建居宅(以下「本件建物」という。)に居住していたが、平成五年五月五日、本件建物と本件建物内の家財(以下「本件家財」という。)が、火災により焼失した。
Xらは、Y(保険会社)らとの間...
《解 説》
一 訴外Aは、平成二年七月当時、自動販売機によるビデオテープの小売販売業及び飲食業等を目的とする会社に勤務していた者であるが、同月一四日に開催された日本自動販売の営業会議に出席中、脳出血を発症し、病院に入院して治療を受けていたが、呼吸不全により同年九月二六日死亡した。
そこで...
《解 説》
一 Y1は、その所有する土地に鉄筋コンクリート造一〇階建て、戸数三六戸の分譲マンション(本件建物)を建築することを計画し、建築確認を得て建築業者Y2にその工事を請け負わせた。Xらは右土地の北側に建てられた六階建てマンションの二階ないし六階に居住する者であるが、本件建物が計画どお...
《解 説》
一 金融業者であるYから金銭を借受けたXは、Yの従業員から夜間自宅に訪問を受けて外に連れ出され、初対面の酒店店主に対し返済資金の借入れ申込みを強要され、暴行・暴言を加えられる等の違法な取立てを受けたとしてYに対し使用者責任に基づき慰謝料及び弁護士費用の支払を求めた。
これに対...
《解 説》
一 本件は、Y市長がA社に対してした開発行為の許可(本件許可)について、右許可に係る開発区域の近隣に居住するXらが、右許可に係る開発行為は、都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの。以下同じ。)三三条一項二号、九号及びC市宅地開発許可指導要綱に違反するなどと主張して、...
《解 説》
一 本件は、競売不動産の買受人が、民事執行法八三条に基づき、執行債務者に対する競売不動産の引渡命令の発付を求めた事件であり、競売の対象とされた土地上に競売対象外の建物等が存在する場合であっても、右土地の引渡命令を発することが許されるかどうかが争われた。
二 事案の概要
1 ...
《解 説》
一 本件訴訟は、(1) 国際電信電話株式会社(KDD)の代表取締役であったXが、日本大学教授で刑法学者であるYに対して、雑誌SAPIOの記事及び中公新書の文書によって名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた本訴請求と、(2) Yが、Xとその弁護士Zに対し、謝罪の強要や不当な本訴事...