《解 説》
一 本件は、衆議院議員選挙に立候補を予定して政治活動をしていた弁護士Xが、Y県警により業務上横領の被疑事実で在宅送致された(後に嫌疑不十分で不起訴処分となった)際、容疑を認める旨の公表をY県警が報道機関へ行った(以下「本件広報活動」という)ため、これによって名誉が毀損された等と...
《解 説》
一 Y商工信用組合は、A社との間で信用組合取引に関する取引契約を締結し、A社に対して右契約に基づく貸付けを原因とする貸付金債権を有し、右取引契約から生ずる債権を担保するために合計一七の土地・建物について、極度額一億五〇〇〇万円とする根抵当権(本件根抵当権)を有している(残元本一...
《解 説》
一 本件は、建物の売買等を指定役務とする登録商標に類似する標章を建物(分譲マンション)という商品に使用する行為につき、指定役務と商品とが類似することを理由に、商標権に基づく差止め及び損害賠償請求を認容した事例である。
Xは、「土地の売買、建物の売買」を指定役務とする登録商標「...
《解 説》
1 本件は、箕面市忠魂碑・慰霊祭訴訟(最三小判平5・2・16民集四七巻三号一六八七頁、本誌八一五号九四頁)の関連事件であり、箕面市における忠魂碑、慰霊祭、遺族会に関する一連の政教分離が問題とされた住民訴訟の一つである。箕面市忠魂碑訴訟と箕面市慰霊祭訴訟は第一審判決後、控訴審で併...
《解 説》
一 本件は、自動車内での監禁、強姦事件で、監禁、強姦の成否及び態様が争われた事案である。すなわち、被告人は、当時一五歳の女性を自動車に連れ込んで強いて同女を姦淫しようと企て、深夜、薬局の駐車場において、同女に対し、所携の軽便かみそりを突きつけ、「車に乗れ。」、「言うことを聞かな...
《解 説》
一 本件は、筑紫野市の住民であるXが、同市議会による議員五名を海外視察に派遣し、その旅費を支出する決定は、法律・条例上の根拠がなく、視察自体に合理的必要性もないから違法であるとして、右決定に応じて一連の支出行為をした同市長Yに対し、同市を代位して旅費相当額二〇〇万円の損害賠償を...
《解 説》
一 事案の概要
1 特許権の存続期間の延長制度について
薬事法には、医薬品を輸入しようとする者から申請があったときは、厚生大臣は、品目ごとに輸入についての承認を与えること(薬事法二三条、一四条)、医薬品の輸入販売業の許可を得た者でなければ、業として医薬品の輸入をしてはならず...
《解 説》
一 はじめに
本件における論点は、① 障害基礎年金及び障害厚生年金(基本年金分)の逸失利益性、② 右各障害年金についての加給分の逸失利益性、③ 遺族年金をもってする損益相殺的調整の対象となる損害費目の三点である。本判決の示した判断は、いずれも当該論点に関する最高裁としての初判...
《解 説》
一 Xは、平成四年四月から平成七年三月まで、○○中学校に在学していたが、その在学中に、同級生であったY1から、金員を脅し取られたり暴行を受けたりする等のいじめを受けたとして、Y1とその父母Y2、Y3に対し、不法行為に基づき、三六〇万円の損害賠償を請求した。
これに対し、Yらは...
《解 説》
一 X1とその妻X2は、平成元年当時から、母A、その子X3、X4とともに、京都市西京区所在の二階建居宅(以下「本件建物」という。)に居住していたが、平成五年五月五日、本件建物と本件建物内の家財(以下「本件家財」という。)が、火災により焼失した。
Xらは、Y(保険会社)らとの間...
《解 説》
一 訴外Aは、平成二年七月当時、自動販売機によるビデオテープの小売販売業及び飲食業等を目的とする会社に勤務していた者であるが、同月一四日に開催された日本自動販売の営業会議に出席中、脳出血を発症し、病院に入院して治療を受けていたが、呼吸不全により同年九月二六日死亡した。
そこで...
《解 説》
一 Y1は、その所有する土地に鉄筋コンクリート造一〇階建て、戸数三六戸の分譲マンション(本件建物)を建築することを計画し、建築確認を得て建築業者Y2にその工事を請け負わせた。Xらは右土地の北側に建てられた六階建てマンションの二階ないし六階に居住する者であるが、本件建物が計画どお...