《解 説》
Y1は、代表取締役Y2のいわゆるワンマン会社であり、これまで株主総会や取締役会が開催されたことはなかった。Y1の取締役であるXが同社を退職する際、Xの持株を二五〇万円と評価し、その他の株主に対し持株比率に応じて譲渡することとなり、また保険会社との間で被保険者をX、受取人をY1と...
《解 説》
一 本件は、参議院(比例代表選出)議員の選挙後に欠員が生じた場合の繰上補充による当選人の決定を争う当選訴訟であり、本来であれば繰上により当選人となるべき名簿登載者Xについて、当該名簿を届け出た日本新党から除名届が提出されていたために、選挙会が後順位の名簿登載者Aを当選人と定めた...
《解 説》
一 X1とX2は元夫婦であり、Yとの間でその製品の販売活動につき財産的価値のある一定の契約上の地位を共同名義で有していた(ディストリビューター契約)。ところが、X1とX2は離婚し、X2はX1に対し離婚に伴う夫婦の共有財産の所有権移転等を求める訴訟を提起し、アメリカ合衆国バージニ...
《解 説》
Aは、昭和六三年九月、Yから金銭の貸付を受けた際、ゴルフ会員権を譲渡担保に入れ、それぞれ日付白地の、届出印による譲渡裏書をした会員権についての預託金証書、譲渡欄白地の名義書換承認申請書、会員脱会届、債権譲渡通知書、印鑑証明等の必要書類をYに引き渡した。Aは、平成元年八月及び同二...
《解 説》
一 事案を簡略に説明すると、債務者Aは、Yのために本件土地につき第一順位の抵当権、本件建物につき第三順位の根抵当権を設定し、Xのために本件土地につき第二順位の、本件建物につき第一順位の各抵当権を設定している。Yの申立てにより本件土地建物について不動産競売手続が開始された。執行裁...
《解 説》
一 亡Aは、昭和四三年四月一日にバス運転の認定資格を取り、そのころからBの定期バス運転と貸し切りバス運転とを兼ねた業務に従事し、昭和五六年四月一日からは運転士班長に任命されている。Aは、昭和五八年七月三日午前一一時五〇分頃、貸切客を乗せたバスを運転して目的の旅館に到着後、駐車中...
《解 説》
AはBらと共謀し、法務局において他人の土地の登記簿原本の甲区欄を閲覧中に抜き取り、予め用意しておいたタイプライターと登記官名の印鑑を用いてAに所有権が移転したかのごとき記載し、もとの登記簿冊に挿入して謄本の交付を受けた。Aは、右登記簿謄本を金融業者であるXに示し、右土地に抵当権...
《解 説》
一 本件は、自動車事故によって死亡した同乗者Bの両親であるX1、X2が、右自動車に付保されていた自家用自動車保険契約の保険者(保険会社)であるYに対し、搭乗者傷害保険金五〇〇万円(X1、X2各二五〇万円)の支払を求める事案である。
本件における事実関係は、次のようなものである...
《解 説》
一 事案の概要
Xの母は、昭和四八年九月二〇日、出産のためYの経営する産婦人科医院に入院し、翌二一日、Xを未熟児の状態で出産した。Xの母は、Xの兄、姉にも出生時に黄だんが出ており、このような場合次に生まれる児の黄だんが強くなると児が死ぬかもしれないと他人から聞かされ、また、母...
《解 説》
一 本件は、平成四年七月、貸金業者であるYから二〇〇〇万円を借り受けたうえ、その所有土地建物について極度額を三〇〇〇万円とする根抵当権を設定し、かつ、右二〇〇〇万円の債務の弁済に関する公正証書を作成したXが、債務全額を弁済、供託したことにより、Yに対する債務が消滅したなどと主張...
《解 説》
一 日本人X(原審反訴原告、控訴人、妻)は、昭和五六年五月、その数年前より来日していたカナダ人Y(原審反訴被告、被控訴人、夫)と日本法に従って婚姻し、日本において婚姻生活を始め、昭和五八年一二月に長男をもうけた。XとYは、昭和五九年五月、長男を連れてカナダに渡ったが、平成元年こ...
《解 説》
本件は、いわゆる原野商法により被害にあったXらがXらに対する売主B又はCに土地を仲介又は転売した不動産会社Aの代表者Y個人に対し、幇助責任があると主張し、売主に支払った代金額と弁護士費用相当の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決である。
第一審の大阪地判平6・1・28は、Yは、売...
《解 説》
一 YはXに対し、Xの役員その他の幹部職員のずさん経理等を告発するチラシを配付する旨及び顧問弁護士との話合いは断る旨の通知をしてきた。Xは、顧問弁護士を通じて、そのような行為は信用棄損及び業務妨害に当たる旨指摘した書面をYに送付したが、Yは、その受領を拒否した。しかし、X自身が...
《解 説》
違法収集証拠の証拠能力について、最高裁は、①最一小判昭53・9・7刑集三二巻六号一六七二頁、本誌三六九号一二五頁をリーディングケースとし、以後、②最二小判昭61・4・25刑集四〇巻三号二一五頁、本誌六〇〇号七八頁、③最二小決昭63・9・16刑集四二巻七号一〇五一頁、本誌六八〇号...