最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 国鉄労働組合(以下「国労」という。)及び全国鉄動力車労働組合(現在の全日本建設交運一般労働組合全国鉄道本部,以下「全動労」という。)は,それぞれ傘下の労働組合と共に,昭和62年4月の日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の分割・民営化に伴って設立された日本貨物鉄道株式会社(以...
《解 説》
1 本件は,平成9年11月に経営破綻した北海道拓殖銀行(以下「拓銀」という。)の破綻当時とその前任の頭取(以下「破綻時の頭取」,「前任の頭取」という。)が,在職中に行った融資に関し,融資先企業の経営者とともに商法の特別背任の罪に問われた事件である。新聞報道等によると,これまで都...
《解 説》
本件は,被告人が営利目的で約8キログラムの覚せい剤を輸入したという覚せい剤取締法違反及び関税法違反の事案である。
本判決は,被告人が輸入した覚せい剤のうち,被告人が取り分けた分の覚せい剤については営利目的がなかったという被告人の主張を認めたが,本件の特徴は,裁判所が,第2回公...
《解 説》
1 建設大臣は,新東京国際空港公団の行う新東京国際空港建設事業について,同公団の申請に基づき,土地収用法(以下「法」という。)に基づく事業認定(昭和44年建設省告示第3865号に係るもの。以下「本件事業認定」という。)をした。しかし,本件事業認定を受けて,同公団が,昭和45年3...
《解 説》
1 本件は,広島県内に事務所を有する権利能力なき社団であるXが,広島県公文書公開条例(平成2年広島県条例第1号。以下「本件条例」という。)に基づき,Y(広島県知事)に対し,平成8年7月分の広島県東京事務所の食糧費(懇談会費)の支出に係る公文書の公開を請求したところ,その一部につ...
《解 説》
1 本件は,新潟県内に住所を有する権利能力なき社団である1審原告が,旧新潟県情報公開条例(平成7年新潟県条例第1号。以下「本件条例」という。)に基づき,同県東京事務所(以下「県東京事務所」という。)における需用費の支出に関する公文書の公開請求をしたところ,その一部につき非公開処...
《解 説》
1 本件は,東京都大田区の住民であるXが,東京都大田区公文書開示条例(昭和60年東京都大田区条例第51号。以下「本件条例」という。)に基づき,Xが在籍した同区立小学校の小学校児童指導要録(以下「指導要録」という。)でXに係るもの(以下「本件要録」という。)の開示請求をしたところ...
《解 説》
1 本件は,千葉県内に住所を有するXが,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号。以下「本件条例」という。)に基づき,県立高校のA校長に係る旅行命令票(以下「本件旅行命令票」という。)の公開を求めたところ,実施機関であるYがその全部を公開しない旨の決定をしたため,同決定...
《解 説》
1 Yの就業規則である給与規程には,支給対象期間の出勤率が90%以上の者を賞与の支給対象者とし(以下「本件90%条項」という。),支給日,支給の詳細についてはその都度回覧文書で知らせる旨が定められており,回覧文書において賞与の具体的な支給基準が定められてきた。平成6年度年末賞与...
《解 説》
1(1) 本件は,阪神・淡路大震災に係る地震後に発生した火災により焼失した建物等の所有者が火災保険契約を締結していた損害保険会社を相手方として提起した保険金等請求事件である。
(2) Xらは,その所有に係る神戸市東灘区魚崎北町所在の建物及び家財について,Y保険会社との間で,...
《解 説》
1 本件は,農業協同組合(以下「組合」という。)が,退任した理事に対して訴えを提起する場合に,組合を代表するのは代表理事と監事のいずれであるかが争われた事案である。
2 Yは,平成5年4月まで,A組合の専務理事をしていた。A組合では,平成2年4月に定款が改正されるまでは,投資...
《解 説》
1 本件の事実関係の概要は次のとおりである。
Aは,Y保険会社との間で,Aを被保険者,その妻であるXを保険金受取人とする生命保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していた。
Aは,平成4年5月17日,自動車を運転して自宅を出たまま帰宅せず,行方不明となった。Xは,地...
《解 説》
1 本件は,宗教団体の教祖である被告人が,その経営する薬局を訪れた被害者らに対し,釜焚きなる儀式をすれば必ず病気等が治るなどと嘘を言って,釜焚き料名下に多額の金銭をだまし取ったという事案である。
多くの被害者は直接現金を交付したが,一部被害者は,現金を直ちには用意できないため...
《解 説》
1 本件は,駐車中の普通乗用自動車内において,覚せい剤約0.01グラムを含有する水溶液(ポリ容器入り)を所持したという事案である。
事件の経緯は,次のとおりである。
被告人は,以前から「とび口」1本を自己の普通乗用自動車の助手席足元の床上に隠し置き,一方,本件覚せい剤をセカ...
《解 説》
1 本件は,学童保育事業を実施している原告が,被告に対し,被告の設置管理に係る小学校の余裕教室(以下「本件教室」という。)の借受けを申し入れる書類を提出したところ,被告がこれを返戻したり受理しなかったとして,国家賠償法1条1項に基づき,非財産的損害等の支払を求めた事案である。
...
《解 説》
1 本件は,Yが設置運営するK医科大学との間で在学契約を締結し,入学金100万円,初年度前期教育充実費250万円,施設設備費100万円,初年度前期授業料120万円,初年度前期実験実習費15万円(以下,すべてを総称して「学納金」という。)を納付したXらが,後に同大学への入学を辞退...
《解 説》
1 本件は,A社との間でゴルフクラブの会員契約を締結して預託金を預託したXらが,据置期間の経過後,退会の意思表示をして,A社を吸収合併したY1社に対し預託金の返還を求めるとともに,Y1社との間でゴルフクラブの経営(管理)委託契約を締結した上当該ゴルフクラブの名称を続用して営業し...
《解 説》
1 本件は,XがY1に対し,Xの事業部が使用している「AFTO」の文字標章(X標章)が取引関係者に周知であるにもかかわらず,Y1が「アフト」の文字を含む「アフトシステム株式会社」との商号を使用し,「アフト」,「AFTO」などのY標章(本判決末尾添付)を使用して営業した行為が不正...
《解 説》
本判決は,刑法208条の2第2項後段の赤色信号無視による危険運転致死被告事件において,法令適用(罰条の記載)の方法を問題としたものである。
本件の第1審判決は,刑法208条の2第2項後段に該当する事実を認定し,罰条として同条項のみを記載したが,その控訴審判決である本判決は,「...