最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 有機溶剤中毒予防規則の定める各種義務違反があった場合に、これを雇用契約における使用者の安全保護義務違反であるとした事例 2 工場内で作業中に使用する有機溶剤とこれを使用して作業する従業員の死亡との間に因果関係を認めた事例 3 死亡直前まで現実に収入を得ていた者は、その額がたとえ賃金センサスの基準より定額であったとしても、逸失利益の算定に当たっては現実に得ていた収入によるべきであるとした事例
大蔵省管理局名義で刊行された「日本人の海外活動に関する歴史的調査」は国に著作権があり、無断復刻は許されない、とされた事例
1 糖尿病の治療としての血糖降下剤の投与、および、その事後処置について、医師の過失を肯定した事例 2 右行為により、廃人同様となった被害者に対し、6700万円余の損害賠償が認められた事例
所有者の無権代理人から農地を買い受けた小作人が新権原による自主占有を開始したものとされた右占有の始め過失がないとされた事例
建物賃貸借解除後賃貸人が賃借人の建物への出入りを妨害した行為が賃貸人の権利確保措置として不法行為を構成しないとされた事例
建物収去土地明渡請求権を被保全権利とする当該建物処分禁止仮処分の記入登記がある場合において、仮処分債権者は、仮処分債務が建物の所有権取得登記を抹消登記されるについて登記上利害関係を有する第三者として右抹消登記の承諾をする義務があるか(消極)
借地権の消滅前に建物が滅失し、借地権者が建物を再築したのに対して、土地の所有者が遅滞なく異議を述べた場合であっても、本来の借地期間満了の際の更新拒絶について正当事由がないとされた事例
離婚請求および婚姻関係破壊に因る損害賠償請求認容の判決に対し、損害賠償請求のみを不服として控訴を提起した場合、控訴審において財産分与の請求をすることが許されるとした事例
妻から夫に対する人身保護法に基づく幼児引渡請求において、両者の監護能力に優劣がなく、幼児が6才4か月の児童期に達している点がら、妻による監護が幼児の幸福を図ること明白であるといえないとした事例
1 勧告審決で価格協定の破棄を命ずることができるか 2 公正取引委員会の価格協定排除措置に関する新聞広告文案の掲載指示が勧告の応諾以上の不利益の自認を強いることにはならないとされた事例
1 郵政省職員に与えられたいわゆる組合休暇の性質 2 組合休暇の許可条件としての業務支障の意義 3 組合休暇不許可のまま組合の会議に出席して欠勤したことを理由とする郵政省職員に対する戒告処分が違法とされた事例
1 民法705条の非債弁済における債務不存在の認識の程度 2 根抵当権によって担保すべき元本が確定したと認められた事例 3 被担保債務の弁済を条件として根抵当権設定登記の抹消を命じた事例
1 和解調書につき請求異議訴訟を提起され、強制執行停止決定が出されている場合の訴えの利益(肯定) 2 長期間にわたり寺院の門前に露店を設置、営業した不法占有者に対する土地明渡請求が権利濫用でないとされた事例
1 特許出願公告にかかる原告の権利に基づいて、出願公告された被告の実施行為につき差止請求が認容された事例 2 特許明細書における公告技術
年次有給休暇を一日を超えて取得した者に対し皆勤手当を支給しない旨の取扱いは、年休制度の趣旨に照らし違法であるとされた事例
憲法28条にもとづき団結権侵害行為(正当労組活動をする者に対し懲戒処分をほのめかすこと等)に対し侵害の予防停止を求めうるとした事例
郵政職員の腕章鉢巻着用の上での就労が、時間中の組合活動であって、労務提供を阻害すると否とを問わず、職務専念義務に反し、かつ就業規則にいう正しい服装にもあたらないとして、懲戒事由となるとされた事例
労資協調路線をとる労組内にあって反戦青年委員会の中心人物として批判的活動をしていた者の他営業所への転任が労組法7条1号の不当労働行為にあたるとされた事例
公労法の適用を受ける現業国家公務員中いわゆる非常勤職員の勤務関係の法的性質は任免等に関する限り公法的規制を受け、その効力を争うのに仮処分手続によることはできないとした事例
公労法の適用を受ける林野庁職員の半日ストによる減給処分につき、制限的合憲的解釈を用いて、右は公労法17条により禁止された争議行為にあたらないとして、右処分を取り消した事例
業務上の災害により二つ以上の身体障害を受けた者に対する労災保険給付のための障害等級の認定につき、付随的身体障害は主たる身体障害の等級に吸収されるとの行政解釈は労災保険法施行規則の解釈を誤るものであるとして、同規則の明文どおり1級くり上げ認定を正当と判定した事例