最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 被告有限会社日本エム・エム・オー(Y1)は,利用者のパソコン間でデータを送受信させるピア・ツー・ピア技術を用いて,中央サーバ(以下「Yサーバ」という。)を設置し,インターネットを経由してYサーバに接続されている不特定多数の利用者のパソコンに蔵置されている電子ファイルの中から...
《解 説》
1 本件は,在留資格を有しない外国人であるXが,国民健康保険法(平成11年法律第160号による改正前のもの。以下「法」という。)9条2項に基づき,国民健康保険の被保険者証の交付を請求したところ,法5条所定の被保険者に該当しないとして被保険者証を交付しない旨の処分(以下「本件処分...
《解 説》
1 本件は,岡山県(以下「県」という。)の住民であるXらが,いわゆる第3セクターとして設立された株式会社であるY1社に派遣された県の職員に対する給与支出は違法であると主張して,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して,Y...
《解 説》
1 長年にわたり阿児町(Y)の入札参加者に指名されてきた工事業者であるX1(株式会社)は,約1年半の間,阿児町の配水管布設工事の入札について入札参加者に指名されなかった。本件は,X1及び当時の代表取締役であるX2が,Yに対し,「阿児町長が,X2による住民監査請求の報復措置として...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,製薬会社であるが,その医薬品を販売している大学病院等の研究者から,その発表する医学論文が海外の雑誌に掲載されるようにするための英訳文につき,英文添削の依頼を受け,これをアメリカの添削業者2社に外注していた。Xは,研究者からは国内業者の平均的な英文添削の料...
《解 説》
1 本件は,Y1大学の教授であるXら7名が,配置転換(以下「本件配転処分」という)は無効であるとして,配転命令に従う義務のないこと及び配転前の職務にあることの確認並びに平成13年4月以降,教授会の出席を拒否されているとして,教授会に出席する権利を有することの確認を求め,これら配...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,大学卒業後,S電機に勤務していたが同社を平成7年定年退職後は駐輪場に勤務していたものであり,平成11年当時64歳であった。Xは,平成10年9月,Y証券に口座を開設し,同証券の外務員であるSを担当者として,同12年3月まで株式取引を行っ...
《解 説》
1 本件は,コンタクトレンズを購入した原告が,その販売店(以下「本件販売店」という。)を経営するコンタクトレンズ販売会社(以下「被告会社」という。)及びそれに隣接して眼科診療所を開設する医師(以下「被告医師」という。)に対し,本件販売店従業員や被告医師の不適切な説明,診療により...
《解 説》
1 Xは,平成6年11月4日,Yの開設するA病院において,胃ガンの治療のため,胃の3分の2を摘出する手術を受け,引き続き入院していたが,同月27日から腹痛が発生し,これが持続したため,同月28日,開腹手術が行われ,壊死していた腸管が切除された。
Xは,同年12月28日,大学病...
《解 説》
1 訴外Aは,平成4年11月30日,薬剤等に起因する皮膚病により,Yの経営するB病院に入院した。しかし,入院後も,Aの病状は好転せず,緑膿菌感染様汚染が拡大したり,腹部膨満がみられ,同年12月13日,死亡するに至った。
そこで,Aの遺族であるXは,Aの死因は緑膿菌感染による敗...
《解 説》
1 X1は,平成11年10月当時,山口県立A高校2年に在籍しながら,ガソリンスタンドでアルバイトをしていたが,私立B高校の生徒Y3がX1に恐喝された旨同高校に報告し,B高校がその旨A高校に連絡したため,A高校の教諭から事情の聴取を受けた。
X1は,上記事情聴取の際,恐喝事件へ...
《解 説》
1 本件は,東海銀行が,昭和63年ころから平成3年ころにかけて,顧客に対し実質的に利益保証をして仮装の有価証券取引に引き込みその投資資金名下に融資を繰り返すという方法の取引を行った結果,巨額の融資が返済不能となったが,そのような取引を主導して東海銀行に巨額の損害を被らせたのは同...
《解 説》
X1,X2は,Aの両親である。Aは,平成10年10月から12月にかけてB(後にY1が権利義務を承継)及びY2~Y4との間で合計4件の交通傷害保険に加入した。これらの保険契約では,いずれも,運行中の自動車等に搭乗している被保険者が急激かつ偶然な外来の事故により傷害を被りその直接の...
《解 説》
1 本件は,換気口用フィルタに係る意匠権(本件意匠権)を有する原告X1及びX2が,被告に対し,被告商品(通気口用フィルタ)を製造販売する行為が主位的に意匠権侵害,予備的に民法709条所定の不法行為に該当するとして損害賠償を請求するとともに,本件意匠権の実施に係る商品である原告商...
《解 説》
1 本件の事案は次のとおりである。
空手等の愛好者において著名周知であった空手流派「国際空手道連盟極真会館」(以下「極真会館」という。)では,創始者の死後,その後継者を巡って混乱が生じた(詳細は本文を参照されたい。)。被告は,一度は全国の支部長によって次期館長への就任が承認さ...
《解 説》
1 本件は,ユニット家具の形態が不正競争防止法(以下,不競法という)により保護されるかどうかが争われた事案であるが,その概要は次のようなものである。
Xはデザイン家具の製造販売を業とする会社であり,Yは家具メーカー等へのデザイン提供を主な業務とする会社である。Xは平成12年7...
《解 説》
1 X1は,合計約450万円の定額郵便貯金と約160万円の定期郵便貯金を有するとともに,X1の亡夫である甲名義及びX1の亡母である乙名義の定額郵便貯金合計約620万円を管理していた。しかし,X1が病気で入院中,X1の次男Bの妻Aが,X1に無断でこれらの郵便貯金の証書を地元の郵便...
《解 説》
1 相続人3姉妹による亡父財産の遺産分割後に,二女と三女が長女に対し「相続人らの母(亡父とは離婚済み)の引取扶養を条件とした分割だったのに長女は扶養しないから,その分割により取得した財産の一部を母に渡すなどすべきだ」としてその調整を求めた調停(当初調停)が申し立てられたところ,...
《解 説》
1 Xらは,Yが開設するA病院に入院していたBが,A病院の医師によって抗癌剤を過剰投与されたことによって死亡した医療過誤につき,主治医その他治療に関係した耳鼻咽喉科所属の医師並びに病院管理者にも責任があるとし,また,その死因を隠蔽する行為があったと主張し,医師個人とYに対して損...
《解 説》
1 被疑者を逮捕する場合には,逮捕の際に予め発令された逮捕状を示すのが原則であるが,例外的に逮捕状を示すことなく被疑者を逮捕できる場合があり,これを一般に逮捕状の緊急執行と呼ぶ。すなわち,刑訴法201条2項の準用する同法73条3項は,「勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示す...
1 入札談合に参加した事業協同組合に対する課徴金算定率の適用にあたって,当該組合の出資の総額に各組合月の資本若しくは出資の額を合わせた出資の総額且は当該組合のものに各組合員のものを合わせた常時使用する従業眉の総数により被審人の事業規模を判断し,独占禁止法7条の2第2項第1号に定める軽減算定率を類推適用した事例
(公正取引委見合平15・9・8審判審決)