《解 説》
1 事案の概要
Xは,平成6年に設立され,土地付き戸建分譲,マンション分譲及び不動産賃貸等の事業を展開してきた業者である。業況が不調となり,平成20年8月東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い,同年9月4日,民事再生手続開始決定がされた。Xは,自身を再生債務者とする民事再...
《解 説》
1 本件は,函館市の住民であるXらが,函館市議会の会派が平成13年度にYから交付を受けた政務調査費について使途基準に違反する違法な支出を行っており,各会派は市に対してその支出額に相当する金員を不当利得として返還すべきであるのに,Yはその返還請求を違法に怠っているとして,地方自治法2...
《解 説》
1 本件は,複数の区分所有建物(本件各建物)について根抵当権の設定を受けた相手方が,根抵当権に基づく物上代位権の行使として,本件各建物を賃借してこれを転貸している抗告人の各第三債務者に対する転貸賃料債権について差押命令(原決定)を得たところ,抗告人が,本件は抵当不動産の転貸人を所有...
[解 説]
1 本件は,東京証券取引所マザーズ市場に上場されていた株式会社Y1(被告ライブドア)発行の株
式(ライブドア株式)又はY1の子会社(LD子会社)発行の株式を取得したXらが,Y1が関東財務局長に提出した平成16年9月期の有価証券報告書の重要な事項に虚偽記載があったため,損害を被った...
[解 説]
1 本件は,弁護士法人であるXが,①Xが弁護士法人化する前に,当時の代表者A(現在のXの代表社員)が,社会保険労務士Y1に対し,中小企業基盤人材確保助成金(以下「本件助成金」という。)の給付に係る事務処理等を委任したところ,Y1はXに対し上記支給要件の正確な説明をしなかったり,支...
《解 説》
1 事案の概要
(1)新潟県の住民である一審原告(被控訴人,被上告人。以下「一審原告」という。)は,新潟県情報公開条例(平成13年新潟県条例第57号。以下「本件条例」という。)に基づき,実施機関である新潟県警察本部長(以下「新潟県警本部長」という。)に対し,「凶悪重大犯罪等に係る...
《解 説》
1 本件は,ソフトウェア開発及び販売等を業とするY社(東証2部上場)の従業員らが,営業成績を上げる目的で架空の売上げを計上したため,Y社の有価証券報告書に不実の記載がされていたところ,その後不正行為が発覚し,Y社が同事実を公表した結果,Y社の株価が下落したことについて,公表の数か月...
法人税の確定申告において配当等に係る所得税額控除の計算を誤って控除金額を過少に記載したことを理由とする更正の請求が認められた事例
《解 説》
1 事案の概要
(1)本件は,旧A町の地位を合併により承継したX市が,Aの区域内にあった土地(本件土地)に産業廃棄物の最終処分場(本件処分場)を設置している産業廃棄物処分業者(処分業者)Yに対し,A,Y間の公害防止協定で定められた本件処分場の使用期限が経過したと主張して,同協定に...
《解 説》
1 本件は,「携帯型コミュニケータおよびその使用方法」に関する特許権を有する原告が,携帯電話無線機を販売している被告に対し,同特許権に基づいて,同携帯電話無線機の販売等の差止めおよびその廃棄を求めるとともに,不法行為に基づいて,損害賠償を求めた事案である。被告は,被告製品は本件特許...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,清涼飲料等の製造及び販売等を目的とする株式会社である原告が,法人税の確定申告において,所得税額の控除の計算を誤るなどした結果,納付すべき法人税額を過大に申告したとして,国税通則法23条1項1号に基づき更正の請求をしたところ,被告から,所得税額の控除は確定申...
[解 説]
1 本件のうち,判示事項に関連する事件は,被告人が,警察署の敷地上に設置された高さ約2.4m,幅約22cmの塀の上部に立ち入ったという建造物侵入罪の事案である。
2 被告人は,本件塀の上部に立って警察署の中庭を見ているところを警察官に現認されて検挙されたが,警察署の中庭をのぞき...
[解 説]
甲事件は,Z社が,自らが建築主となったマンションについて,A一級建築士が構造計算書上の耐震強度を故意に偽装したために法定の耐震強度を有しないマンションが建築されたことに関して,建築基準法所定の確認に関する事務をつかさどる建築主事が置かれた地方公共団体である各自治体を被告として,違...
《解 説》
1 本件は,暴力行為等処罰に関する法律違反被疑,被告事件について,刑事訴訟法227条1項に基づき実施された証人尋問において,出頭した証人が宣誓を拒否したことから,裁判官が同証人を過料10万円に処したところ,同証人から同法429条1項4号に基づき準抗告が申し立てられた事案である。
...
債権配当において,配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えて計算された金額の配当を受けることができるとされた事例
[解 説]
1 本件は,被告から土地を購入した原告が同土地上に12階建てマンションを建築しようとしたところ,地中に岩塊,コンクリート埋設物,アセチレンボンベ等の埋設物が存在したため,当初予定した工法を用いることができず,工法変更を余儀なくされたことにより,増加工事費,工事遅延による逸失利益(...
[解 説]
1 本件は,刑法96条の2にいう「強制執行」と抵当権の実行としての競売との関係が問題となった事案である。
職権判示に係る強制執行妨害に関する事案の概要は,暴力団組長である被告人が,その立場を利用して,抵当権に基づく競売を妨害し,本件建物からの賃料等の多額の利益を得ようとして共犯...