《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告との間で事業活動包括保険契約(以下「本件契約」という。)を締結していた原告が,原告の経営する自動車修理工場(以下「本件工場」という。)が火災に遭い,商品や什器が焼損する被害を被ったとして,保険金1億4000万円等の請求をしたのに対し,被告が同火災は原告...
[解 説]
1 本件は,共同住宅2棟及びそれらの敷地につき担保不動産収益執行が開始されたものの,原審(執行裁判所)が,うち共同住宅1棟及びその敷地(本件土地建物)について,民事執行法106条2項所定の「配当等に充てるべき金銭を生ずる見込み」がないとして,本件土地建物に係る手続を取り消したとこ...
1 土地賃借人と賃貸借土地所有権の取得時効の援用の可否 2 土地及び賃借権の取得時効完成後に当該賃貸借土地を強制競売により取得して所有権移転登記を了した者が,土地賃借人に対する関係で背信的悪意者に当たるとされた事例
[解 説]
1 本件は,インターネット専業の証券会社であるXが,多額の損失が発生した株式信用取引(以下,「本件取引」という。)が行われた株式信用取引口座(以下「本件口座」という。)の名義人であるYに対して差損金1億8401万1982円の支払を請求したところ,Yが,本件口座の開設や本件取引はY...
《解 説》
1 本件は,平成19年3月に強制競売(本件競売)の対象土地(本件土地。413番8)を売却により取得したXが,本件土地の隣接地(400番1の一部)を他から借地(本件賃貸借)して建物(本件建物)を所有し,その敷地を使用しているYらに対し,売却により取得した本件土地の一部にYら所有の本件...
平成19 年度全国学力・学習状況調査(本件調査)における各中学校別平均点の情報(本件情報)公開請求につき,枚方市情報公開条例(本件条例)6 条4 号の「市が国,他の地方公共団体又はこれらに準ずる団体(国等)と協力して行う事務事業又は国等から依頼,協議等を受けて行う事務事業に関して作成し,又は取得した情報であって,公開することにより,市と国等との協力関係を著しく損なうと認められるもの」(国等協力関係情報)に該当するとした非公開決定が適法とされた事例
[解 説]
1 本件は,マスコミによって大きく報道された,いわゆる福岡飲酒運転3児死亡事故の控訴審判決であり,被告人がアルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させたか否かという危険運転致死傷罪の成否が問題となった事案である。
検察官は,被告人がアルコールの影響により正常な...
[解 説]
1 本件は,亡Aの相続財産管理人Xが,亡Aの相続財産法人を代表して,Yに対し,亡Aが生前に行ったYを養子とする養子縁組(本件縁組)の無効確認を求めた訴訟である。亡Aの相続財産法人(Xがその代表者である。)が養子縁組無効確認訴訟の原告となり得るかという訴訟法上の論点と,本件縁組が縁...
《解 説》
週刊誌の記事が名誉毀損に該当するとして提起された損害賠償等請求訴訟において記事の真実性,これがあると信じる相当理由の存在が問題となった事案である。記事は,「『人権擁護派』X Z大学教授『学内セクハラ』を被害者が告発!」という見出しのもと,大きく6つの内容からなっていた。①Aが愛人...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,文部科学省が全国の小学校6年生及び中学校3年生を対象にして行った平成19年度全国学力・学習状況調査に関し,原告が枚方市情報公開条例(本件条例)に基づいて,同条例所定の実施機関である枚方市教育委員会の委任を受けた枚方市教育委員会教育長に対し,「平成19年度...
[解 説]
1 本件は,信号待ち停止車両に追突する自損事故(以下「本件事故」という。)を起こした原告が,保険会社である被告に対し,自動車保険契約に基づき,車両保険金を請求した事案である。原告は,本件事故後の飲酒検知の結果,呼気1リットル中に0.1mgのアルコールを保有していること(いわゆる政...
《解 説》
1 本件事案の概要
X(昭和41年生まれの女性)は,平成2年4月,A会社(本件会社)に雇用され,液晶生産技術プロセス開発などの業務に従事し,平成12年4月ころからは,B工場で,新規の液晶生産ライン開発プロジェクトの業務に従事していたが,平成13年4月ころ,精神障害を発症し,その後...
《解 説》
1 本件は,Aが胸痛等を訴えてYが経営する病院に入院し,その翌日に死亡したことについて,Aの相続人であるXらがYに対し,医師の過失・注意義務違反を主張して,損害賠償を求めた事案である。
2 争点の一つが,医師が心肺停止状態に陥っているAに対し,既にセレネース(一般名ハロペリドール)...
《解 説》
1 本件は,契約等の解釈上,元代表取締役の競業避止義務の存否が争われた案件である。
本件では,当初,X1社の子会社であるX2社の元代表取締役であったYが,X1及びX2に対し,各競業避止義務等の不存在確認を求める訴え(本訴)を提起したところ,これに対し,X1及びX2が当該各義務が存...
無剰余であることを理由に強制競売手続が取り消されても、抗告審において優先債権者の同意を得たことが証明されるに至った場合には、強制競売手続を取り消す必要がないとして、原決定が取り消された事例