[目次]
第1 はじめに
第2 譲渡禁止特約に関する一般的な理解
1 趣旨等
2 譲渡禁止特約の効力
3 譲渡禁止特約に反した場合の効果
4 債務者の承諾
第3 無効を主張することができる者についての考え方の視点
1 無効の法的性質との関係
2 譲渡禁止特約に対する批判
3 平成21年判決以前の判例の考え方
第4 平成21年判決について
1 平成21年判決
2 事案の概要等
3 判示内容
4 平成21年判決の理解等
5 検討
6 平成21年判決以降の下級裁判所の判断
第5 無効を主張することができる者についての個別的検討
1 前提
2 差押債権者
3 破産管財人
4 二重譲渡の善意・無重過失の譲受人
5 まとめ
第6 いわゆる債権法改正との関係について
1 債権譲渡についての主な改正点(本稿に関連する部分に限る。)
2 無効を主張することができる者の議論との関係
3 経過規定
現況調査報告書及び評価書に目的不動産がシロアリ被害を受けている旨の記載がない場合において、当該損傷が軽微であるといえるかどうかを判断するために、売却許可決定取消申立てを却下した原決定を取り消して、事件を原審に差し戻した事例
民法395条2項所定の使用対価を元所有者又はその管理者に支払ったとしても、対象建物の引渡猶予を受けることはできないとされた事例
動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使としての債権差押命令の申立てに当たり、担保権(動産売買の先取特権)の存在を証する文書が提出されたとは認められなかった事例
いわゆる定額給付金の給付を受ける権利を差押債権とする債権差押命令申立事件につき、同債権は性質上差押えができない債権であるとして申立てが却下された事例
物件明細書中の「買受人が負担することとなる他人の権利」の欄において、賃借人として記載された法人と同一商号の法人が複数存在していたとしても、本件における物件明細書の記載のほか、評価書の記載も合わせれば、当該売却物件の権利関係に影響を及ぼす情報の提供としては十分であり、本件物件明細書の記載に重大な誤りがあるとはいえないと判断された事例
無剰余であることを理由に強制競売手続が取り消されても、抗告審において優先債権者の同意を得たことが証明されるに至った場合には、強制競売手続を取り消す必要がないとして、原決定が取り消された事例
債権に対する仮差押えがされても、当該仮差押債務者は、被仮差押債権を請求債権として、その債務者である仮差押えの第三債務者が有する債権につき差押命令を申し立てることができるとされた事例
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の発令において、被担保債権及び請求債権から所得税等の税金や社会保険料を控除する必要はないとされた事例
同一申立てに係る担保不動産競売事件において、対象物件を二つの売却単位に分けて売却を実施したことについて売却の手続に重大な誤りがあるとはいえないとして、売却許可決定の取消しが認められなかった事例
1 担保不動産収益執行開始決定の効力により管理人が取得する権限
2 担保不動産収益執行開始決定の効力発生後における担保不動産の賃借人による抵当権設定登記前に取得した賃貸人に対する債権と賃料債務との相殺の可否(積極)
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律95条所定の船舶先取特権に基づき貨物船の船舶競売が申し立てられた事案において、船舶先取特権の存在を証する文書の提出がないとして当該申立てを却下した原決定が維持された事例
承継執行文付与の要件である承継事由の欠缺や差押債権の不存在又は消滅は、債務名義に基づく債権差押命令及び転付命令に対する執行抗告の理由とはならないとされた事例
不動産競売開始決定を原因とする差押登記後に抵当建物を賃借して占有を開始した者は、基本事件に関わる事情を知らない善意の第三者であったとしても、建物明渡猶予制度による保護を受けることはできないとされた事例
担保不動産収益執行手続が開始されている不動産について担保不動産競売の開始決定前の保全処分の申立てがされた場合に、担保不動産収益執行事件の管理人に使用を許すことを命ずることはできないとして、当該部分に対応する申立てを一部却下した原決定が維持された事例
根抵当権に基づき不動産競売が申し立てられた土地につき、申立ての前後を通じて完成された建物の収去等を命じた売却のための保全処分が維持された事例
買受けの申出をする前に不動産が損傷した場合に民事執行法75条1項が類推適用されるのは、買受人が買受けの申出前に損傷の存在を知り得なかった場合に限られ、評価書における記載から、買受人は当該事実を知り得たものとされた事例
建物所有者に対する底地所有者の建物収去土地明渡請求が第1審で認容され、当該訴訟が控訴審に係属中である場合に、これを踏まえたものとして、当該建物の強制競売事件における物件明細書の記載や売却基準価額決定の基礎となった評価額の算定に誤りはないとして、売却許可決定に対する執行抗告が棄却された事例