根抵当権に基づき不動産競売が申し立てられた土地につき、申立ての前後を通じて完成された建物の収去等を命じた売却のための保全処分が維持された事例
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の申立てについて、「担保権の存在を証する文書」を提出したと認めることはできないとして申立てを却下した原決定を維持した事例
信用金庫の出資持分権の譲渡命令の申立てにつき、申立人が公認会計士による評価のための費用を予納しなかったことを理由に却下した原決定が、裁量権の行使に誤りがあるとして取り消された事例
区分所有者に対して建物の区分所有等に関する法律7条1項に規定する管理費等の請求権を有する管理組合は、同建物が強制競売により売却された場合の売却代金に対し、同請求権を被担保債権とする先取特権に基づく物上代位権を行使することができるとされた事例
差押禁止債権である厚生年金等の給付が銀行の口座に振り込まれて預金債権となった場合に、債務者が、差押禁止債権の範囲変更の申立てをして、当該預金債権の差押命令の取消しを求めたところ、取消しが否定された事例(①事件)及び取消しが肯定された事例(②事件)
債権者が債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産を共同抵当の目的とする場合において、両不動産について抵当権が実行され、同時配当が実施されるときの配当方法について、民法392条1項は適用されず、まず債務者所有の不動産の代価から先に共同抵当権の被担保債権に配当し、不足が生じる場合に物上保証人所有の不動産の代価から配当をすべきであるとされた事例
株式会社甲を債務者とする債務名義に基づく「株式会社甲代理人弁護士乙」名義の口座に係る預金債権の差押えが認められなかった事例
1 担保不動産競売事件の期間入札において、執行官が、最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し、他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合に、執行裁判所等が執るべき措置
2 担保不動産競売事件の期間入札において、自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず、執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため、買受人となることができなかったことを主張する入札人が、この者の受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることの許否
3 担保不動産競売事件の期間入札において、入札書を封入した封筒に記載された事件番号が、これと共に提出された入札保証金振込証明書に記載されたそれと一致しなくても、当該入札が無効であるということはできないとされた事例
民法395条2項の建物使用の対価を算定するに当たっては、占有者の従前からの使用収益の継続を前提とした継続賃料の額をも考慮するのが相当であるとされた事例
生命保険契約の契約者が生命保険会社に対して有する解約返戻金等請求権を差し押さえるべき債権とする場合に、保険契約の保険証券番号、種類等を記載せず契約年月日の先後等で順位付けをして特定した債権差押命令の申立てが適法とされた事例
訴訟上の救助の決定がされた民事訴訟において、請求を全部認容し、訴訟費用を相手方の負担とする判決を得た者が、当該判決に基づき執行費用を含む請求債権について得た債権差押命令により第三債務者から債権を取り立てた場合には、救助決定は当然に効力を失い、救助決定の取消決定をすることなく執行費用の支払を命じることができるとされた事例
建物賃貸人と賃借人との間の減額合意による賃料額が、民法395条2項にいう「使用の対価」の額とは認められないと判断された事例
構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権に基づき、譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に対して物上代位権を行使することを認めた事例