《解 説》
1 本件は,原告が,被告がウェブサイト(ホームページ)等で営業表示として使用する「TOKYU」及び「tokyu」の表示は,原告の周知又は著名な営業表示である「東急」の表示と類似のものであり,被告による上記表示の使用行為は不正競争防止法2条1項1号又は2号の不正競争に該当すると主...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,被控訴人ら(1審原告ら。以下「原告ら」という。)が,本訴請求に係る120冊の土地宝典(本件土地宝典)を作成した者から,その著作権を譲り受けたと主張して,本件土地宝典について原告らが有する著作権に基づいて,①本件土地宝典を不動産関係業者等をはじめ...
債権差押命令の申立て前に債務者が持参した執行停止文書を裁判所が受理した場合と当該裁判所にその後に債権者がした債権差押命令の申立てに及ぼす影響
《解 説》
1 事案の概要
(1) 前提事実
ア 原告はS大学等を運営する学校法人であり,被告は,もとS大学の助教授等を務めていたが退職し,S大学の教職員組合(Sユニオン)の代表者兼執行委員長を務めている。
イ 原告は,被告を普通解雇する旨の意思表示をしたことから,被告は,原告を相手...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,YがXに対し,執行力ある仮執行宣言付き判決(以下「本件判決」という。)を債務名義として,債権差押命令を申し立て,その発令を受けた(以下「本件差押命令」という。)ことから,Yが本件差押命令に対して執行抗告を申し立てたという事案である。
なお,Yは,本件...
《解 説》
1(1) 原告らは,いわゆる光市母子殺害事件(最三小判平18.6.20判タ1213号89頁及び広島高判平20.4.22〔最高裁HP〕)の弁護人である。
光市母子殺害事件は,当時18歳の少年であった被告人が,白昼,配水管の検査を装って上がり込んだアパートの一室において,当時23...
《解 説》
1 本件は,大阪市北区所在の都市公園である扇町公園内に不法に設置されたテント(以下「本件テント」という。)を起居の場所としているX(原告,被控訴人,上告人)が,大阪市北区長Y(被告,控訴人,被上告人)に対し,本件テントの所在地を住所とする転居届を提出したところ,不受理処分を受け...
《解 説》
1 事案の概要
X(当時17歳)は,遊び仲間であるV(当時18歳)に対して好意を寄せていたところ,V方で就寝中に性交渉を求められたというXにとってショッキングなことが起きた。Xの友人のYは,Xからそのことを打ち明けられ,詳しく事情を聞くため,遊び仲間であるAF6名(Bのみが女性)...
交通事故の加害者が被害者に賠償すべき人的損害の額の算定に当たり,被害者の父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づき被害者が支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例
《解 説》
1(1) 本件は,事故当時12歳のXが運転する自転車と,Y1運転の普通貨物自動車(以下「Y車」という。)とが交差点において衝突し,Xが重傷を負った交通事故(以下「本件事故」という。)について,Xが,Y1に対し,自動車損害賠償保障法3条又は民法709条に基づき,Xが被った人的損害...
[解 説]
本件第1事件は,衣料品小売り等を目的とする株式会社であるX社の提起した中央労働委員会命令の取消訴訟であり,本件第2事件は,Xのパート従業員であるAが加入したZ組合の提起した同命令の取消訴訟であって,これらの事案の概要は以下のとおりである。
Xにおいては,パート従業員は休暇取得の...
[解 説]
1 本件事案の概要
Xは,昭和44年4月に,Y市に採用され,平成19年5月当時は本庁の課長職を務め,平成20年3月限りで早期退職する予定であった。これまで懲戒処分を受けたことはなく,交通違反を含めた前科前歴もなかった。Y市は,非違類型ごとに標準的な処分量定(標準量定)を定めた通...
《解 説》
1 本件のXら・Yらはともに亡Aの子である(ただしX2はX1の子であり,亡Aの孫に当たるが,平成4年11月30日に亡Aの養子となった。)が,亡Aは平成5年にパーキンソン氏病に罹患し,平成18年6月15日に死亡した。本件において,Xらは,亡A名義の平成16年11月1日付け公正証書...
《解 説》
1 本判決は,判タ1282号233頁で紹介された東京地判平19.8.27の控訴審判決である。心臓手術の際に人工心肺装置の操作を誤り患者Zを死亡させたとして業務上過失致死罪で起訴され,第1審で無罪判決を受けた医師Xが,その無罪判決を題材として民放テレビ局Yの放送に係るニュース番組...
振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求が権利の濫用に当たらないとされた事例
《解 説》
1 本件は,国民年金法において大学の学生等につき国民年金への加入が任意とされていた当時,21歳で大学在学中に統合失調症(当時の呼称は「精神分裂病」)の診断を受けたX(原告,被控訴人,被上告人)が,東京都知事に対し,障害基礎年金の裁定を請求したところ,Xは,上記診断を受けた時点で...
《解 説》
1 本件は,XがY銀行に対して普通預金の払戻しを求めたところ,Y銀行が,Xが本件訴訟において払戻しを求める預金は,原因となる法律関係の存在しない振込みによって生じたものであるから,Xの払戻請求は権利の濫用に当たるなどと主張して,これを争った事案である。
2 Xは,Y銀行に普通...