《解 説》
Xらは,マンション分譲業者であるYから,13階建てマンション(以下「本件マンション」という。)の6階の一室を代金3278万円にて購入した。本件マンションは,上記購入時,原告が購入した部屋からは毎年7月に行われる隅田川花火大会の花火を観覧することができた。Yは,本件マンションを分...
《解 説》
1 本件は,労働組合内部における路線をめぐる対立から一部の組合員らが組合を脱退して新組合を組織し,両組合が対立するという状況において,従来から存した組合の組合員である職制が新組合の組合員に対して行った新組合からの脱退勧奨等が使用者の不当労働行為(支配介入)に当たるかどうかが争わ...
《解 説》
1 本件は,被告人が,木工作業場や倉庫等から4回にわたり多数の工具類を窃取したという事案である。
被告人は,1審公判において,いずれの窃盗も行っていないとして無罪を主張し,被害者4名の供述録取書を不同意としたため,うち3名についてはそれに代えて証人尋問が行われたが,残りの1名...
《解 説》
1 事案の概要
(1) X(中国国籍の女性)は,平成13年に「留学」の在留資格で本邦に上陸し,平成17 年3 月には「人文知識・国際業務」(在留期間1年)へ在留資格が変更され,平成18年3月に在留期間が更新されていた。
Xは,在留資格の変更後である平成17年4月に,旅行会社...
《解 説》
1 Y会社は,退職年金規定により適格退職年金制度を実施してきたが,適格年金制度に関する法律の変更により,平成24年4月1日以降は税制適格がなくなり,拠出金の損金算入も税制上認められなくなることから,退職金制度及び退職年金制度の見直しを行い,適格退職年金制度を廃止して確定拠出型年...
《解 説》
1 事案の概要
債務者は,船舶及び海洋構造物の設計,製造等を目的とし,大阪証券取引所第1部に上場する株式会社であり,その発行済株式総数は4480万7917株であった。
債権者は,他者名義を含めると994 万9800株(発行済株式総数の約22.21%)を保有する債務者の筆頭株...
《解 説》
1本件は,不動産会社(以下「本件会社」という。)の代表取締役であり,その関連会社(以下「本件関連会社」という。)の実質的経営者として両社の業務全般を統括していた被告人甲,本件会社の財務部長であった被告人乙,本件関連会社の代表取締役であった被告人丙による,これら会社の経営に絡む,...
《解 説》
1 本件は,大学助手であった被告人が,いわゆるファイル共有ソフトの1つである「Winny(以下「ウィニー」という。)」を開発して同人のホームページ上に公開し,その改良(バージョンアップ)を継続的に繰り返しながら,インターネットを介して不特定多数の者にウィニーを提供していたところ...
第1 証券投資信託の概要
1 証券投資信託とは
2 証券投資信託の法的仕組み
3 証券投資信託における関係者間の法律関係
4 投信窓販
5 投資信託振替制度
第2 前提論点
1 受益者・販売会社間の投資信託受益権に係る取引への銀行取引約定の適用の可否
2 銀行取引約定4条4項適用の可否
3 振替受益権に対する商事留置権の成否
第3 受益者に破産手続開始決定があった場合
1 銀行取引約定が交わされ,かつ商事留置権が成立する場合の弁済充当の可否
2 販売会社に商事留置権が成立しない場合の弁済充当及び相殺の可否
第4 受益者に民事再生手続開始決定があった場合
1 銀行取引約定が交わされ,かつ商事留置権が成立する場合の弁済充当の可否
2 販売会社による受益者再生手続開始後の相殺の可否
3 販売会社が商事留置権の競売権に基づき振替受益権を換価した場合
4 受益者が再生手続開始後に解約実行請求をした場合の帰趨
第5 終わりに
【追記】
証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券を販売した会社に対して有する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者が取立権の行使として上記会社に対し解約実行請求をして同請求権を取り立てることの可否(積極)
《解 説》
Y1学園が経営する高校の2年生であったAは,スポーツ特待生として相撲部に所属し,平成15年夏には各地で合宿や公式戦に参加していた。Aは,同年8月8日,県高等学校体育連盟等が主催した合宿に参加してぶつかり稽古等をしたが,午後5時過ぎに頭がくらくらすると言って横になり,そのうちに意...
《解 説》
1 本件は,Aの債権者であるDが,Y(銀行)を第三債務者として,AがYから購入したMMF(マネー・マネージメント・ファンド。以下「本件投資信託」という。)の受益証券(以下「本件受益証券」という。)についての解約金を差し押さえ,差押債権者の取立権に基づくものとして,訴状において,...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Y病院は,昭和31年11月28日に法人化され,精神科等を診療科目とする病院を経営する医療法人であり,平成11年4月当時,医師約20名,職員約230名が在籍していた。X労働組合は,昭和48年8月17日,Y病院の職員によって組織されたY病院で唯...
《解 説》
1 本件は,1審被告から地続きの2筆の土地(以下「本件土地」という。)を買い受けた1審原告が,そのうちの1筆の土地上に以前存在していた建物(以下「本件建物」という。)で殺人事件があったことを後で知ったことから,本件土地には隠れた瑕疵があると主張して,1審被告に対し,損害賠償を請...
《解 説》
1 事案の概要
有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律(平成14年法律第120号。以下「有明海等再生特措法」という。)は,県計画に基づく事業の実施や有明海及び八代海の海域の環境保全等のために,国及び地方公共団体等が配慮すべき事項や努めるべき事項等を定め(11条な...
《解 説》
1 本件は,強姦事件の被告人であるAが,同事件の捜査の一環として捜査機関により自宅から押収された物品につき,起訴後,その還付を検察官に求めたところ,還付されないことから,刑訴法430条1項の準抗告を申し立てたものの(実際に申し立てたのは後記甲),棄却されたため,更に特別抗告に及...
《解 説》
本件は,貸金業者Yとの間で金銭消費貸借を締結し,借入と返済を繰り返していたXらがYに対し,Xらが支払った利息を利息制限法に照らして計算し直すと過払であったと主張し,悪意の不当利得による過払金及び確定利息の支払を求めるとともに過払元金に対する過払発生日以降の商事法定利率(年6分)...
《解 説》
1 本件土地は,その北側部分は賃貸マンションの敷地となっていたが,南側部分は隣接地(その所有者はXらの親族のようである。)とともに商業用駐車場の敷地の一部として利用されていた。Y(大阪市)の市長は,本件土地に賦課すべき固定資産税の課税標準を算定するに当たり,その全体を1画地とみ...