《解 説》
1 本件は,老人医療の受給者であるAがY経営の病院で検査中に検査台から転倒落下して頭蓋骨骨折等の傷害を負ったことから,Aを被保険者の被扶養者とする保険者であるXが,Yの医療担当者の過失により上記事故が発生し,Aに医療費が生じたことが原因で,Xが社会保険診療報酬基金に納付すべき医...
《解 説》
1 Aは,本件事故現場付近に住む知人を訪ねた平成16年3月26日の夜,同人の運転する自動車に同乗して飲食店に隣接する駐車場(本件駐車場)に赴き,同所で下車した上,帰路に使うバスの発車時刻を確かめるべく,本件駐車場の近くにあったバス停(本件バス停)に小走りで向かったところ,本件駐...
《解 説》
1 本件は,借地借家法32条1項に基づき賃料増額請求をした賃貸人X(一審原告)が,賃借人であるY1社,Y2社(一審被告)との間で,それぞれの賃貸部分の賃料額の確認を求めた事案である。
本件建物は,Xの前主であるA社が所有していた。A社は,本件建物の一部を,Y1社に対してはパチ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,武蔵野市長が各種団体の主催する会合(6件)に列席する際にされた祝金の支出を違法として,同市長の地位にあったY1及び資金前渡を受けて支払をした秘書室長Y2の各個人に対し損害賠償を求めた住民訴訟である。第1審(東京地判平14.6.21判自182号22頁)及...
《解 説》
1 本件は,原告(本件当時未成年)が,いわゆる引きこもりの状態にあったところ,そのような者に対する矯正教育・指導を標榜する被告有限会社A学院(以下「被告会社」という。)の実質的主宰者である被告乙山春子(以下,被告会社と併せて表記する場合は「被告ら」とする。)及びその補助者によっ...
《解 説》
1 事案の概要
Xの父A(当時82歳)は,平成10年7月6日(以下,日付はすべて平成10年を指す。),左耳介部有棘細胞癌と診断され,Y1大学病院に入院した。有棘細胞癌とは,表皮を構成する主要な細胞が癌化し,多くの場合カリフラワー状の隆起性の外観を呈するもので,Aの場合には10...
1 勤務弁護士について、依頼者との間の委任契約の成立が認められた事例
2 勤務弁護士について、独立して当該事件について訴訟活動を行わなくなった後であっても、相代理人の訴訟活動を監視等すべき義務を負うとされた事例
3 弁護士の義務違反は認められるが、損害との因果関係が認められないとして、請求が棄却された事例
(大阪地裁平18.12.8判決)
《解 説》
1 本件は,確定申告に当たり,消費税額の計算方式の選択を誤ったとする場合,更正の請求ができるかが問題となった事案である。消費税額の計算については,本件の当時,①課税標準額に消費税法29条所定の税率を乗じた金額を消費税額とするいわゆる「総額計算方式」(消費税法45条1項)と,②事...
《解 説》
Xらは,マンション分譲業者であるYから,13階建てマンション(以下「本件マンション」という。)の6階の一室を代金3278万円にて購入した。本件マンションは,上記購入時,原告が購入した部屋からは毎年7月に行われる隅田川花火大会の花火を観覧することができた。Yは,本件マンションを分...
《解 説》
1 本件は,労働組合内部における路線をめぐる対立から一部の組合員らが組合を脱退して新組合を組織し,両組合が対立するという状況において,従来から存した組合の組合員である職制が新組合の組合員に対して行った新組合からの脱退勧奨等が使用者の不当労働行為(支配介入)に当たるかどうかが争わ...
《解 説》
1 本件は,被告人が,木工作業場や倉庫等から4回にわたり多数の工具類を窃取したという事案である。
被告人は,1審公判において,いずれの窃盗も行っていないとして無罪を主張し,被害者4名の供述録取書を不同意としたため,うち3名についてはそれに代えて証人尋問が行われたが,残りの1名...
《解 説》
1 事案の概要
(1) X(中国国籍の女性)は,平成13年に「留学」の在留資格で本邦に上陸し,平成17 年3 月には「人文知識・国際業務」(在留期間1年)へ在留資格が変更され,平成18年3月に在留期間が更新されていた。
Xは,在留資格の変更後である平成17年4月に,旅行会社...
《解 説》
1 Y会社は,退職年金規定により適格退職年金制度を実施してきたが,適格年金制度に関する法律の変更により,平成24年4月1日以降は税制適格がなくなり,拠出金の損金算入も税制上認められなくなることから,退職金制度及び退職年金制度の見直しを行い,適格退職年金制度を廃止して確定拠出型年...
《解 説》
1 事案の概要
債務者は,船舶及び海洋構造物の設計,製造等を目的とし,大阪証券取引所第1部に上場する株式会社であり,その発行済株式総数は4480万7917株であった。
債権者は,他者名義を含めると994 万9800株(発行済株式総数の約22.21%)を保有する債務者の筆頭株...
《解 説》
1本件は,不動産会社(以下「本件会社」という。)の代表取締役であり,その関連会社(以下「本件関連会社」という。)の実質的経営者として両社の業務全般を統括していた被告人甲,本件会社の財務部長であった被告人乙,本件関連会社の代表取締役であった被告人丙による,これら会社の経営に絡む,...
《解 説》
1 本件は,大学助手であった被告人が,いわゆるファイル共有ソフトの1つである「Winny(以下「ウィニー」という。)」を開発して同人のホームページ上に公開し,その改良(バージョンアップ)を継続的に繰り返しながら,インターネットを介して不特定多数の者にウィニーを提供していたところ...
第1 証券投資信託の概要
1 証券投資信託とは
2 証券投資信託の法的仕組み
3 証券投資信託における関係者間の法律関係
4 投信窓販
5 投資信託振替制度
第2 前提論点
1 受益者・販売会社間の投資信託受益権に係る取引への銀行取引約定の適用の可否
2 銀行取引約定4条4項適用の可否
3 振替受益権に対する商事留置権の成否
第3 受益者に破産手続開始決定があった場合
1 銀行取引約定が交わされ,かつ商事留置権が成立する場合の弁済充当の可否
2 販売会社に商事留置権が成立しない場合の弁済充当及び相殺の可否
第4 受益者に民事再生手続開始決定があった場合
1 銀行取引約定が交わされ,かつ商事留置権が成立する場合の弁済充当の可否
2 販売会社による受益者再生手続開始後の相殺の可否
3 販売会社が商事留置権の競売権に基づき振替受益権を換価した場合
4 受益者が再生手続開始後に解約実行請求をした場合の帰趨
第5 終わりに
【追記】