《解 説》
1 本件は,夜間,速度規制がない道路において,被告人が自動車を時速約60キロメートルで運転中,折から自動二輪車を運転中対向右折車両と衝突して自車進路上に転倒していた被害者を右前輪で轢過するなどして,同人に上腹部等の高度圧挫による脾臓挫滅等の傷害を負わせ,失血死させたという事案で...
平成 9 年 9 月期及び平成 10 年 3 月期における銀行の関連ノンバンクに対する貸出金の償却・引当に関する会計処理をするに当たり,商法(平成17年法律第 87 号による改正前のもの)32 条 2 項所定の公正なる会計慣行と 認められる資産査定通達等により補充される改正後の決算経理基準による ことなく,それまで公正なる会計慣行とされていた税法基準により補充さ れる改正前の決算経理基準によった場合であっても,前者の基準が当時に おける唯一の公正なる会計慣行とはいえず後者の基準もなお当時における 公正なる会計慣行であったとして,同基準に従い配当可能利益があるとし てした配当手続に違法はないとされた事例
《解 説》
1 本件は,Aが被告主催の南部アフリカ(南アフリカ共和国,ジンバブエ共和国,ボツワナ共和国)ツアーに参加してマラリアに罹患して死亡したところ,Aの相続人である原告らが,ツアーにおけるマラリアの危険性を告知する義務(情報提供義務)及びツアー後の注意喚起義務を怠ったと主張して,被告...
整理解届が無効、違法とされ、 地位確認請求、 賃金・賞与支払請求のみならず慰謝料請求も認容された事例(東京地裁平18.11.29判決)
《解 説》
1 本件は,初老期痴呆(認知症)に罹患していたA(女性,死亡当時60 歳)が,平成17年3月特別養護老人ホームに短期滞在していた際,食事中にメロンパンを誤嚥し窒息して死亡したとして,①その相続人である夫のX1,子ら(X2,X3)が,法定相続分に応じ,保険会社Y1との普通傷害保険...
《解 説》
1 本件は,平成9年4月1日から施行された商標法の一部改正により導入された立体商標(同法2条1項にいう「立体的形状」)に関する無効不成立審決の取消訴訟である。すなわち,被告が有する別紙「立体商標を表示した書面」のとおりの立体商標につき原告が無効審判請求をしたところ,特許庁が請求...
《解 説》
1 本件は,老人医療の受給者であるAがY経営の病院で検査中に検査台から転倒落下して頭蓋骨骨折等の傷害を負ったことから,Aを被保険者の被扶養者とする保険者であるXが,Yの医療担当者の過失により上記事故が発生し,Aに医療費が生じたことが原因で,Xが社会保険診療報酬基金に納付すべき医...
《解 説》
1 Aは,本件事故現場付近に住む知人を訪ねた平成16年3月26日の夜,同人の運転する自動車に同乗して飲食店に隣接する駐車場(本件駐車場)に赴き,同所で下車した上,帰路に使うバスの発車時刻を確かめるべく,本件駐車場の近くにあったバス停(本件バス停)に小走りで向かったところ,本件駐...
《解 説》
1 本件は,借地借家法32条1項に基づき賃料増額請求をした賃貸人X(一審原告)が,賃借人であるY1社,Y2社(一審被告)との間で,それぞれの賃貸部分の賃料額の確認を求めた事案である。
本件建物は,Xの前主であるA社が所有していた。A社は,本件建物の一部を,Y1社に対してはパチ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,武蔵野市長が各種団体の主催する会合(6件)に列席する際にされた祝金の支出を違法として,同市長の地位にあったY1及び資金前渡を受けて支払をした秘書室長Y2の各個人に対し損害賠償を求めた住民訴訟である。第1審(東京地判平14.6.21判自182号22頁)及...
《解 説》
1 本件は,原告(本件当時未成年)が,いわゆる引きこもりの状態にあったところ,そのような者に対する矯正教育・指導を標榜する被告有限会社A学院(以下「被告会社」という。)の実質的主宰者である被告乙山春子(以下,被告会社と併せて表記する場合は「被告ら」とする。)及びその補助者によっ...
《解 説》
1 事案の概要
Xの父A(当時82歳)は,平成10年7月6日(以下,日付はすべて平成10年を指す。),左耳介部有棘細胞癌と診断され,Y1大学病院に入院した。有棘細胞癌とは,表皮を構成する主要な細胞が癌化し,多くの場合カリフラワー状の隆起性の外観を呈するもので,Aの場合には10...
1 勤務弁護士について、依頼者との間の委任契約の成立が認められた事例
2 勤務弁護士について、独立して当該事件について訴訟活動を行わなくなった後であっても、相代理人の訴訟活動を監視等すべき義務を負うとされた事例
3 弁護士の義務違反は認められるが、損害との因果関係が認められないとして、請求が棄却された事例
(大阪地裁平18.12.8判決)
《解 説》
1 本件は,確定申告に当たり,消費税額の計算方式の選択を誤ったとする場合,更正の請求ができるかが問題となった事案である。消費税額の計算については,本件の当時,①課税標準額に消費税法29条所定の税率を乗じた金額を消費税額とするいわゆる「総額計算方式」(消費税法45条1項)と,②事...