《解 説》
1 本件は,散弾銃の誤射による死亡事故の被害者Aの相続人であるXらが,①散弾銃を誤射したY1に対し,民法709条に基づく損害賠償を,②Y2(奈良県)に対し,Y1の散弾銃の所持許可が失効していたにもかかわらず,公安委員会委員若しくはその補助者には銃砲刀剣類所持等取締法に基づく提出...
《解 説》
1 原告は,自宅内で,父親と口論の末,もみ合い喧嘩をし,その後,倒れた父親は,約1時間後,搬送先の病院で死亡した(以下「本件事故」という。)。原告は,父親の腹部を足蹴りにして傷害を負わせたとの被疑事実につき,傷害被疑事件の被疑者として逮捕された(その後,罪名は傷害致死に切り替え...
《解 説》
1 事案の概要
原告はタクシー乗務員であり,被告は原告の使用者である。本件は,被告が,喫煙車両内における乗務員の受動喫煙による被害防止義務を怠り,原告に対して,喫煙車両での乗務を事実上強要し続けたため,原告は,慢性気管支炎との診断を受けた上,受動喫煙の恐怖におののきつつ,また...
《解 説》
Xら夫婦の子Aは,Y1に雇用され,Y2に出向して店長をしていた者であるが,他店の店長の要請を受け,夜間その他店に赴き,レイアウト変更の手伝いをしていたところ,侵入して来た2人の強盗犯人にバットで殴られたり,ナイフで刺されて失血死した。XらはYらにおいて強盗等の侵入防止のためのセ...
《解 説》
本件は,窃盗の一部について犯行を認めたが,強盗殺人及びその強盗行為によって得たキャッシュカードを使っての預金の窃盗及び窃盗未遂事件について全面的に争っている事件において,種々の状況証拠を総合し,被告人が強盗殺人をし,それで得たキャッシュカードを使って預金を引き出し,あるいは引き...
1 大学助教授が元教え子である非常勤講師に対して、大学講師職のあっせんと引換えに行った性交渉及び交際要求等が、非常勤講師の性的自由ないし人格権を侵害するものであり不法行為を構成するとされた事案
2 元教え子である非常勤講師に対するセクシュアル・ハラスメント問題で虚偽の告発を雑誌に掲載され、名誉を毀損されたとして元大学助教授が提起した慰謝料等請求事件において、その掲載内容は主要な部分において真実であるとされた事案
(東京地裁平18.5.12判決)
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が,商品先物取引会社2社との間で先物取引を行い,合計で3600万円余りの損失が生じたところ,この損失は,商品先物取引会社の従業員らが適合性原則等に違反した違法な勧誘行為をし,過度な取引を行わせるなど違法な行為をしたために生じたとし,上記商品先物取引...
《解 説》
1 本件は,原子爆弾が投下された際,当時の広島市内若しくは長崎市内に在り,又は原子爆弾が投下された時から起算して一定期間内に広島市内に在った者として被爆者健康手帳の交付を受けている原告ら9名(X1ないしX9)が,原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し,又は疾病にかかり,現に医療を要...
《解 説》
1 本件は,Xらが,Aの遺産についてXらとYらとの間でされた遺産分割協議の無効確認を求めた事件である。XらとY1はいずれもAの実子であり,Y2はY1の妻である。Aの生前,Y2とAとの間の養子縁組の届出がされていたため,本件遺産分割協議は,Xら及びYら4人の間で行われた。その内容...
《解 説》
1 本件は,Yに勤務していたXが,Yの社屋で行われた改装工事で使用された内装材料からホルムアルデヒドが発生したために化学物質過敏症に罹患したとして,Yに対し,雇用契約に基づく安全配慮義務違反を理由に損害賠償を請求した事案である。
本件における主要な争点は,Yの安全配慮義務違反...
《解 説》
1 本件は,被告人が,18歳未満の女子高生とラブホテルで性交するなどし,その様子をデジタルカメラやビデオカメラで撮影し,その画像をコピーしたコンパクトディスクやその映像をダビングしたビデオテープを販売するなどしたことが,児童ポルノの販売目的製造,販売,販売目的所持の罪(児童買春...
《解 説》
Yは平成14年11月,S村から公民館ホール及び保健センターの屋根塗装工事を請け負い,代表者の叔父Aが公民館ホールの屋根で高圧洗浄作業に従事していたところ,足を滑らせて転落し,肺挫傷により死亡した。そこでYは同年12月,X1に上記塗装工事の未施工分を下請けさせることとしたが,積雪...
《解 説》
1 本件は,Y1との間でマーケティングサポート業務委託契約を締結していたX(Y1の保険募集代理店とも共同募集契約を締結していた)が,Y1の社員であるY2,Y3から共同募集契約の解消を求められて暴言や暴力的行為を受け,あるいはY1との業務委託契約を解消するよう仕向けられ,不当に契...
《解 説》
1 Aは,平成10年6月1日,Yとの間で,契約者及び被保険者をA,死亡保険金受取人をX,死亡保険金を4500万円とする5年ごと利差配当付終身保険(本件保険契約)を締結した。その後,Aは,同年8月18日に死亡した。そこで,XがYに対し,死亡保険金受取人として生命保険金を請求した。...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。債務者は,トラック運転手として雇用していた債権者らについて,業務用トラックの私用,飲酒運転等を理由に懲戒解雇をした(以下「本件解雇」という。)。これに対し,債権者らは,債務者の就業規則は従業員に周知されておらず効力を有しないこと,本件解雇が...
《解 説》
1 Yは,知的障害者更生施設を設置・運営している社会福祉法人であり,平成15年12月当時,役職者(施設長,副施設長,事務長,支援次長,支援課長,支援係長)及びその他の職員(支援員,看護師,事務員,栄養士兼管理人)が勤務していた。Xらは,Yにおいて支援員として勤務する職員の一部で...
《解 説》
1 X(昭和34年8月生)は,平成17年11月8日に破産手続開始決定を受けた者である。
Xは,平成17年6月末日をもって勤務先を退職し,上記破産手続開始決定のころには,上記退職金の残額528万7674円(以下「本件退職金」という。)を含む合計606万8907円の現金を所持して...