《解 説》
1本件は,被相続人をその夫及び5名の子が相続し,その遺産として合計1000万円の定額郵便貯金のみが存在しているところ,夫及び4名の子が残り1名の子に対して遺産分割の申立てをした事案である。原審判は,遺産はすべて金銭債権であり,各共同相続人が相続開始とともに相続分の割合で取得して...
《解 説》
1 相手方(大阪市)は,都市公園法2条の2及び同法2条の3に基づき大阪城公園を都市公園として設置し,これを管理する者であるが,大阪市長は,同公園内にブルーシート製テントを設置して,これを起居の場所としている申立人らに対し,それぞれ,予定される不利益処分を都市公園法27条1項に基...
《解 説》
1 本件事案の概要は,Y大学の国際関係学部の教授であったXが,同大学学部には70歳まで順次定年が延長される慣行(事実たる慣習)があるにもかかわらず,定年延長を拒否されて65歳で定年退職の発令を受けたことから教授の地位の確認及び定年退職辞令後の月額給与の支払いを請求したところ,こ...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告(①ないし④事件共通)は,昭和59年,テプレノンを有効成分とする胃炎・胃潰瘍治療剤「セルベックスカプセル50mg」(原告商品)につき,その販売を開始した。原告商品は,蓋をなす部分が概ね緑色で,蓋をされる部分が概ね白色で構成されたカプセルに薬剤が収め...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは,一般貨物自動車・トラック・クレーン等の有償貸渡事業等を主たる業とする会社であり,Xら15名は,Yに雇用されている運転手らであり,いずれもYの従業員で組織されている労働組合(以下「本件組合」という。)の組合員である。Yは,平成17年7月...
《解 説》
第1 事案の概要
①事件,②事件ともに,貸金業者であるXが利息及び遅延損害金の利率について利息制限法所定の制限利率を超える約定をして行った貸付けに関する訴訟である。Xによる貸付けについては,いずれも,元利金を分割払とした上で,債務者が元本又は利息制限法1条1項所定の利息の制限...
《解 説》
1 本件事案の概要は,家庭日用品等の輸入,販売等を営業する米国の外資関連会社であるYに,課長として入社し,流通,営業企画,マーケティング等の業務を歴任・担当してきたXが,不当な配転・降格処分(本件処分)を受けたとして,本件処分は無効であるから現配属部署に勤務する義務を負わないこ...
《解 説》
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの。以下「廃棄物処理法」という。)12条3項は,「排出事業者は,産業廃棄物の処分を他人に委託する場合には,許可業者等に委託しなければならない」旨定め,同法25条4号は,「12条3項に違反して,産業廃棄物...
《解 説》
1 消費者金融会社Aは,平成14年11月,同年4月1日から平成15年3月31日までの決算期における赤字決算を回避するため,元本の弁済に充当していた和解債権についての弁済金を利息に充当し,同額の元本についての貸倒引当金の計上をしなかった(以下,この処理を「本件和解債権処理」という...
《解 説》
1 本件は,公園内の公衆便所の外壁にラッカースプレーでペンキを吹き付け「反戦」等と大書した行為が,刑法260条前段にいう建造物の「損壊」に当たるかどうかが争われた事案である。
被告人は,区立公園内に設置された公衆便所の白色外壁に,所携のラッカースプレー2本を用いて赤色及び黒色...
《解 説》
1 本件は,甲が専用通路として使用占有してきた土地について,これを時効取得した甲と,その取得時効の完成後に譲渡を受けて所有権移転登記を了した乙との間で,所有権取得の優劣が争われた事件である。
2 本件事案の概略は,次のとおりである。
(1) 乙は,鮮魚店を開業する目的で,徳...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,連続幼女誘拐殺人事件として著名な事件である。その犯罪事実は,次の5件からなる。
① 昭和63年8月 当時4歳の女児Aを誘拐・殺害し,死体を損壊した事件
② 同年10月 当時7歳の女児Bを誘拐・殺害した事件
③ 同年12月 当時4歳の女児Cを誘拐・...
差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者が先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために執行裁判所に対して競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務の有無(消極)