《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,建設大臣が,小田急小田原線のうち東京都世田谷区内の喜多見駅付近から梅ヶ丘駅付近までの区間を高架式(嵩上式,一部掘割式)により連続立体交差化することを内容とする都市計画事業の認可(以下「本件鉄道事業認可」という。)及び同区間に沿って付属街路(側道...
《解 説》
1 原告Xは,自動車の修理・整備や板金・塗装を指定役務とする本件商標「中古車の110番」,「中古車の119番」(いずれも「中古車」の上に「くるま」とルビが振られている。)の商標権者である。車両整備全般,板金塗装全般等を業とする被告会社(Y1)は自らのホームページに「自動車の11...
《解 説》
1 本件は,東京拘置所に勾留されていたXが脳こうそくを発症し,重大な後遺症が残った事案について,XがY(国)に対し,東京拘置所の職員である医師は,Xに脳こうそくの適切な治療を受ける機会を与えるために,速やかに外部の医療機関に転送すべき義務があったにもかかわらず,これを怠ったなど...
《解 説》
1 X(昭和37年生)は,平成13年3月16 日,Y 病院で麻疹及び重症の肺炎(疑い)と診断され,全身麻疹,呼吸困難の症状や高熱を出していたことから即日入院した。
その後,Xの熱は一旦下がったものの,同月19日から高熱を出して意識障害を起こし,麻疹の合併症として髄膜炎が疑われ...
《解 説》
1 本件は,不作為を命ずる債務名義に基づいて間接強制の申立てがされた事案であり,その発令要件として,債務者が現にその不作為義務に違反している事実を立証する必要があるかどうかが争われた。
債務者Yは,債権者Xとフランチャイズ契約を締結して,「つぼ八」の名称で居酒屋の営業をしてい...
《解 説》
1 Xは,宇宙開発事業団(以下「事業団」という。)に任用され,平成15年10月1日にY1の成立に伴って,その職員となった者である。Y1は,事業団を前身とし,人工衛星の開発,打上等の研究開発実施等を業務として,平成15年10月1日に成立した独立行政法人であり,事業団の訴訟承継人で...
《解 説》
本件は,原告が,被告との間で契約期間を1年間とする嘱託社員として労働契約を締結し,以後,労働契約を更新して,約11年間継続して勤務していたところ,被告から,雇用を打ち切る旨の意思表示をされたものであるが,この雇用打切りは,無効であるとして,原告が,被告に対し,雇用契約上の権利を...
《解 説》
1 事案の概要
香港法人Z(分離前相被告)は,発明の名称「動く手すり」とする特許権(本件特許権。請求項が10個ある。)を有しており,「エスカレーターハンドレールアドバタイジング」と称する本件特許発明の実施品であるエスカレーター用広告製品(被告製品)を製造している。被告は,Zの...
《解 説》
1 本件は,公共嘱託登記土地家屋調査士協会の社員であるXが,同協会Yに対し,平成14年7月に開催されたYの総会におけるXを除名する旨の決議(以下「本件決議」という。)は無効であるとして,本件決議の無効確認とXがYの社員たる地位を有することの確認を求めた事案である。第1審,原審共...
《解 説》
1 本件は,株式会社東京相和銀行(現東京スター銀行,以下,「東相銀」という。)の役員(代表取締役社長,同副社長,専務取締役,常務取締役)の地位にあった被告人らが,平成10年4月から金融監督行政として早期是正措置制度が導入されることになったことを受け,東相銀において同措置の発動を...
区分所有建物の区分所有者である賃貸人は、その賃借人とともに、他の居住者に迷惑をかけないよう専有部分を使用する義務を負っているとして、自己の専有部分の賃借人の違法な使用状況(騒音振動等の発生)を放置したために他の専有部分の賃借人に損害が発生したときは、その不作為が不法行為となるとされた事例(東京地裁平17.12.14判決)
《解 説》
1 訴外A(昭和22年生)は,Yの経営するB病院に准看護婦として勤務していたが,平成12年9月24日,自宅トイレを清掃中に気分が悪くなったため,救急センターで受診し,その後,数日間自宅で安静にしていたものの,症状が改善しなかったため,同月28日,B病院で受診して投薬等を受けた。...
《解 説》
1 本件は,意匠に係る物品を「化粧用パフ」とする意匠権を有するXが,「ゲルマニウムシリコンブラシ」という商品名の物品(イ号物件。主として化粧落とし用の楕円形状のブラシ)を製造販売するYに対し,イ号物品の本体部分の意匠(イ号意匠)がXの有する上記意匠権に係る登録意匠と類似し,その...
《解 説》
1 本件は,不動産売買業等を目的とする被告会社の代表取締役である被告人が,同社の顧問税理士と共謀の上,2事業年度につき,虚偽過少申告を行って同社の法人税につき合計約6億4399万円をほ脱したという事案である。
被告人らは,1審段階においては事実を争っていなかったが,原審段階か...
《解 説》
1 本件は,名古屋市内で個人で貸金業を営むYから,いわゆるリボルビング方式の貸付けを受けたXが,Yに対し,弁済金のうち利息制限法所定の制限利息を超えて支払った利息部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求権に基づき,過...
《解 説》
1 本件は,順次の相続を原因として直接第2の相続の相続人のためにされた所有権移転登記が実体関係と異なる場合に,登記の是正方法が問題となった事案である。
2 甲名義の不動産につき,甲が死亡し,第1の相続が開始したが,その相続による登記をしないうちに甲の相続人が死亡し,第2の相続...