《解 説》
1 Xは,衣料品販売店を多数展開している会社であり,安い中国産の花崗岩を自社輸入して店舗の建設に使用してきた。建築用石材としての中国産の花崗岩は,最近急速に国内で広く使用されるようになったが,本件は,平成12年当時,安い中国産花崗岩を使用して建築した建物の不動産取得税の課税標準...
《解 説》
本件は,平成9年11月17日に経営が破綻した北海道拓殖銀行(拓銀)の元代表取締役であったYら8名に対し,特定の企業グループ(本件ではカブトデコム株式会社及びそのグループ)に融資したことが取締役の善管注意義務に違反するとして商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条...
《解 説》
1 本件は,夫婦ともに普通地方公共団体である大東市の一般職の職員であって,1台の自家用車両で通勤している場合において,車両名義人である配偶者の一方のみならず,同乗者である他方配偶者にも自動車通勤に係る通勤手当を支給することは,給与条例主義を定めた地方自治法204条の2及び地方財...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,青森県に本店を有するみちのく銀行(被告)が行った行員の賃金削減を伴う就業規則変更の効力が争われた事案である。事案の概要は以下のとおりであるが,本件については既に第1次訴訟(一審青森地判平5.3.30判タ819号119頁,差戻前控訴審仙台高判平8...
《解 説》
1 事案の概要
Xは世界的な金融グループを構成する外国法人であり,平成4年12月以降,Yを中心とする数社が所有する高層ビル(以下「本件建物」という。)の約25%を賃借し,日本における事業活動の拠点として使用していた。
Xは,平成13年11月ころより,本件建物の賃料が近隣の相...
《解 説》
1 本件は,被告人が,いわゆるセキュリティ・ホールを利用して,不正アクセス行為を行ったという不正アクセス行為の禁止に関する法律(以下「不正アクセス禁止法」という。)違反の事案である。本件の手法等事案の詳細については判決文にあたられたいが,本件サーバでは,ID及びパスワードの入力...
《解 説》
1 本件事案の概要は以下のとおりである。
ミャンマー国籍を有するXは,平成10年,就学の在留資格で本邦に入国した後,在留期間の更新や在留資格の変更により,適法に本邦に在留していたが,平成14年12月25日を経過して本邦に不法に残留することとなった。
Xは,適法に在留していた...
《解 説》
1 本件の事案の概要及び公判の経過等
(1)事案の概要は,判決の認定によると,被告人が,勤務先病院に平成10年11月2日から気管支喘息重積発作に伴う低酸素性脳損傷で意識が回復しないまま入院中の当時58歳の男性患者に対し,自分が考える「自然なかたち」で看取りたいとの気持ちをいだ...
《解 説》
1 被告人は,覚せい剤取締法違反の事実で勾留の上,起訴された。被告人の父親は,第1回公判前に被告人の保釈を請求したが却下された。
この裁判に対し,父親が準抗告を申し立てたところ,原裁判所は,「申立人は刑訴法352条所定の『決定を受けたもの』には当たらないから,同法429条1項...
《解 説》
1 Xら4名は,昭和34年から昭和50年にかけてYに採用された高卒女性事務職であるが(うち1名は,当初約3年間Yの関連会社で採用),昇格及び昇級について女性差別を受けたとして,Yに対し,①主位的に,昭和61年以降の同期同学歴の高卒男性事務職との差額賃金相当の損害及び精神的損害を...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは生命保険業等を目的とする会社であるが,平成15年8月から9月にかけて,4名の嘱託事務員を契約期間満了により雇い止めした。これに対し,4名の嘱託事務員が加盟する労働組合であるYは,Xに対し,4名に対する雇用継続を要求し,地労委に対し,不当...
《解 説》
1 訴外A(昭和19年生)は,平成5年10月18日,尿管結石,腎結石のため,Yの経営するB病院に入院したが,同月21日,急性腎不全及び急性心不全により死亡した。
そこで,Aの遺族であるXらは,Yに対し,担当医師らが,結石に対する治療方法の選択を誤り,早期に血液透析療法を導入す...
《解 説》
1 本件は,温泉採取権(温泉を掘削し,湧出する温泉を利用することができる権利のことをいう。以下「本件温泉採取権」という。)を使用して温泉給湯事業(以下「本件給湯事業」という。)を営んでいたYが,本件温泉採取権をXらに対して譲渡したにもかかわらず,平成5年8月1日から平成17年1...