《解 説》
1 本件の事案は,Xら親子とYが共有する通路(本件通路)を巡る紛争である。Xらからは多岐にわたる主張及び請求がなされているが,本判決が注目されるのは,原判決では認容されていた本件通路についての共有物分割請求(乙事件)を斥けた点である。そこで,以下においては,その点に関する限りで...
《解 説》
1 日本法人X(株式会社デサント)は,ドイツ法人Y1(アディダス-サロモンAG)との間で,1980年以降,Y1のアディダスブランドのスポーツ衣料,シューズ等のライセンス契約を締結し,日本での独占的製造販売権の許諾を受け,1992年には,それまでの契約を一本化し,すべてのアディダ...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 地方自治体であるXは,財務会計業務や税関連業務などの行政事務に関し,総合的な情報システム(本件総合システム)を導入することを目指し,システム導入におけるXの基本方針(ソフトウェアに関して,パッケージソフトの標準機能を極力活用し,カスタマイズは必要最小限...
《解 説》
1 トルコ共和国国籍を有するX(1審原告)は,平成7年11月15日,短期滞在の在留資格で本邦に入国後,同月29日に日本人女性と結婚し,「日本人の配偶者等」の在留資格を得たものの,平成9年9月29日に協議離婚したことから,平成10年7月16日,「定住者」の在留資格に変更する旨の申...
《解 説》
1 Xらは,Y(旅行会社)の主催した「西トルキスタン・大シルクロード」と称する旅行(以下「本件旅行」という。)につき旅行契約を締結したが,出発4日前の平成13年9月11日にいわゆる米同時多発テロが発生し,旅行先の隣接地域であるアフガニスタン情勢の悪化を懸念する報道がされたため,...
《解 説》
1 本件は,YがXの取引先に対し,X製品の販売がYの有する商標権及び著作権の侵害に該当する旨告知した行為が不正競争防止法(以下「法」という)2条1項14号所定の不正競争行為(虚偽事実の告知流布)又は不法行為に該当するかどうかが争われた事案であるが,その概要は次のようなものである...
《解 説》
1 本件は,地方公共団体の実施する農業集落排水事業に伴う維持管理分担金の負担について,その適法性が争われた事案である。
被告村長は,原告世帯の居住する住宅が,同事業の中核施設となる汚水処理場に連なる管路施設にいつでも排水管等の排水設備を接続して排水施設を利用できる状態になった...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは東京消防庁の音楽隊に勤務する消防吏員であったが,平成元年3月15日,演奏会場に向かうバスに乗車していたところ,同車内において,同僚職員が左手に持っていた大型ドライバーの先端がXの歯部に当たり受傷した(以下「本件災害」という)。Xは,各医...
《解 説》
1 本件は,Yの従業員であったXが,在職中にした本件各発明につき,Yに対し,特許法35条3項に基づく相当の対価の支払を請求し,これにつき原判決がXの請求を一部認容したのに対し,当事者双方が,これを不服として,控訴を提起した事案である。
本判決は,本件発明1(楕円発光半導体レー...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,東京都立広尾病院において,慢性関節リウマチの治療として行われた左中指滑膜切除手術の術後療養中に死亡した女性亡Aの遺族である原告らが,①被告東京都に対し,広尾病院の担当看護婦(現在の呼称は「看護師」であるが,本件当時は「看護婦」)による点滴薬剤の取り違え...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,夢の実用技術といわれ,20世紀中の開発は無理とまでいわれていた青色LED(発光ダイオード)に関する発明につき,職務発明の相当対価として200億円という巨額の支払を命じたことで,大々的に報道された事案である。
Xは,Y会社在職中にした青色LED(発光ダ...
《解 説》
1 本件は,被告病院(大学病院)において診察を受け,完全房室ブロックと診断されて,ペースメーカー植込み手術を受ける目的で同病院に入院していた患者(昭和17年生,女性)が,手術予定日の前日に心臓発作を起こして死亡したことにつき,患者の夫及び長女が,診察後速やかにペースメーカー植込...
《解 説》
1 本件基本事件は,全国規模で自動車のリース等を業としている原告会社(X)が,被告会社(Y1)との間で自動車リース契約を締結し,被告会社代表者(Y2)が連帯保証し,Y1にリース自動車を引き渡したが,Y1がリース料の支払を遅滞したので,自動車リース契約を解除して,Y1に対してリー...