《解 説》
1 Xは,平成10年6月当時,明石市立A小学校5年に在学中であったが,同月1日,学校における行事としてプール清掃作業が行われた際,両腕を負傷したので,近所の病院で診察を受けたところ,プール掃除に使用した塩素系剤による接触性皮膚炎等と診断された。
そこで,Xは,Y1(明石市)に...
《解 説》
1 静岡県の住民であるXらは,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下同じ。)242条の2第1項4号前段に基づき,県に代位して,県知事及び県職員の地位にある者らに対し,違法公金支出返還請求の訴え(前訴)を提起したが,裁判所の勧告により,同訴訟の被告らが県に金員を...
《解 説》
1 本件は,当時の高知県副知事A,同商工労働部長B,同商工政策課長Cが,共謀の上,自己保身の目的をもって,貸付けを担当する公務員の任務に背き,県議会の議決を得ないままに,400名余りの従業員を擁して同和対策事業の一環として縫製業を営む協業組合に対し,平成8年9月から同年12月に...
《解 説》
1 Xは,平成8年7月4日,下腹部痛が出現したとの主訴により,Yの経営するA病院の救急外来を受診したところ,急性虫垂炎の疑いがあると診断され,経過観察をするため,A病院に入院した。
翌7月5日,Xには強度の腹膜刺激症状が見られたため,A病院の医師は,急性腹症として緊急手術をす...
《解 説》
一1 ①事件は、兵庫県の酒造会社であるY1(破産会社)がX(酒造組合中央会)と清酒についての流動集合動産譲渡担保契約を締結していたところ、Y1の破産管財人であるY2がこれをXに無断で売却したとして、XがYらに対し、不法行為に基づく損害賠償を求める訴えをXの住所地(Xは義務履行地...
《解 説》
一 本件は、「空気袋(エアーバッグ)」を用いたエアマッサージ機に関する五個の特許権を有するXが、Yが製造、販売する四種類の椅子式マッサージ機は、Xの各特許権を侵害すると主張して、Y製品1ないし4の製造、販売等の差止、廃棄及び損害賠償等を求めた事案である。Y製品は、いずれも背もた...
《解 説》
一 本件は、新宿区内に土地(本件土地)を共有しているXらが、本件土地に対する平成一二年度の固定資産課税台帳登録価格が不当に高額であるとして、Yに対し、審査の申出を行ったところ、審査の申出を棄却する旨の本件裁決を受けたため、その取消しを求めている事案である。
二 Xらは、本件裁...
《解 説》
一 本件は、Xが、Aから譲り受けたというBに対する貸金債権につき、既にAと、亡Bの相続人であるというYとの間に、AのYに対する前訴請求を認容した確定判決が存するが、その判決後、まもなく一〇年が経過するので、消滅時効を中断する必要があると主張して、Xにおいて、改めてYに対して本件...
《解 説》
一 平成一二年一二月二日午後一一時一二分ころ、茨城県つくば市の常磐自動車道上り線で、追越車線を時速約五六キロメートルの速度で逆走していたY1運転の普通乗用自動車(所有者はY1。以下「加害車両」という。)が、同車線を走行してきたB運転の普通乗用自動車と正面衝突した後、後続のA運転...
《解 説》
一 原告は、アフガニスタン出身の男性で、平成七年一月から合計五回いずれも短期滞在の在留資格(在留期間九〇日)で日本に入国していたが、平成一〇年六月二八日、短期滞在の在留資格で日本に入国した後、同年八月ころから、アフガニスタンでタリバーンの攻勢が始まり、反タリバーン同盟(北部同盟...
《解 説》
一 本判決は、株式会社が、同社の取締役であり、株主であった者から脅迫されて融資名目で三〇〇億円という多額の金銭を喝取されたということで話題となった、いわゆる「蛇の目ミシン株主代表訴訟」の控訴審判決である。その事実関係は、錯綜しているが、本判決及び原判決の確定したところによると、...
《解 説》
一 本件は、京都府の住民である原告らが、府の公共土木事業用地の取得に伴う登記、測量及び調査等の業務について、府が平成七年度及び同八年度に土地家屋調査士の任意団体、司法書士の任意団体及び測量業者の任意団体の三団体との間でそれぞれ締結した業務委託契約(以下「本件各契約」という。)は...