《解 説》
1 Xは,平成元年2月25日にターミナルビルを所有しているYから,ターミナルビルのキーテナントとして,その店舗部分の建物の半分に当たる部分を賃借し,同所で百貨店業を営んでいるが,Yとの間の賃貸借契約で定められた現行の賃料が,不相当に高額になっていると主張して,借地借家法32条に...
《解 説》
1 本件は,昭和34年に日本赤十字社と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)赤十字会との間で締結された朝鮮籍保有者(在日朝鮮人)の北朝鮮への帰国に関する協定に基づいて,昭和36年6月に北朝鮮に帰国した控訴人が,前記帰国事業を支援していた被控訴人と帰国希望者との間には,帰国契約又は参画...
《解 説》
一 本件は、被告人の運転する乗用車が対向車線に進出したため、対向して進行してきた大型トラックと正面衝突し、自車の同乗者三名が重傷を負ったという業務上過失傷害事件について、被告人の過失の有無が争われた事案である。
本件においては、事故当時被告人車の同乗者らが全員睡眠中であったた...
《解 説》
1 本件事案の概要は,次のとおりである。
本件は,テレビ放送番組の制作会社であるXが,Yの被用者であり赤坂郵便局の外務職員であるAから,5年後に中途解約した場合年平均利回りが5.77パーセントとなる等の説明をされ,簡易生命保険の勧誘を受けた。Xは,社内の稟議を経て,全従業員の...
《解 説》
一 労働者の労働時間は法定され、使用者が労働者を時間外及び休日に労働させた場合は割増賃金を支払わなければならないが(労働基準法三二条、三七条)、「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」について所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、時間外及び休日の勤務であっても、労働時間及び休日...
《解 説》
一 本件は、損害保険代理店の保険料専用預金口座の帰属問題という長年議論されてきた問題について、最高裁が初めて判断を示したものである。また、最高裁が普通預金の帰属問題について判断したのも本件が初めてである。
A社は、X保険会社の損害保険代理店であり、Y信用組合に保険契約者から収...
《解 説》
1 Aは,平成2年11月からy国大の助教授であったが,平成6年7月から,Yの設置するB病院において扁桃炎の治療を受けていたものの,軽快しないため,扁桃摘出手術を受けることになった。
そして,Aは,平成10年8月3日,B病院において,扁桃摘出手術を受けたが,口蓋垂に腫脹がみられ...
《解 説》
1 債務者Yと件外A信用金庫との間には,YがA信用金庫に対し,2586万9317円と遅延損害金を支払うべき旨の仮執行宣言を付した支払命令が存在するため,Xは,承継執行文を得たうえ,同債務名義に基づいて,Yが第三債務者Z1Z2から平成14年6月1日から平成19年5月末日までに取得...
《解 説》
一 Xは、財団法人日本相撲協会の理事会の決議を経て、昭和四四年一〇月、年寄名跡○○を襲名継承した者である。他方、Yは、Xの運営する相撲部屋(○○部屋)と同門の相撲部屋に所属していた力士(昭和六二年三月入門、最高位小結)であったが、平成七年四月、Xの娘であるAと婚姻し、X及びその...
《解 説》
1 本件は,海外旅行の際,出発地で預けた手荷物を目的地の空港で受け取ることができなかったX1X2が,Y(航空会社)に対し,手荷物を利用できないことにより被った精神的苦痛に対する損害の賠償を求める事案である。
X1X2は,請求原因として旅客と手荷物の同時運送義務を主張したのに対...
《解 説》
一 本件は、人物の肖像写真の著作物二枚(原告写真1及び原告写真2)についての著作権を有すると主張する原告が、カラー写真である原告写真1をモノクロにして、背景をカットした写真(本件ビラ写真)を掲載したビラ(本件写真ビラ)及びカラー写真である原告写真2を基にして作成した絵(本件ビラ...
《解 説》
一 本件は、Xが、Yが各種の塩味茹枝豆の冷凍品を輸入、販売する行為が、Xの特許権を侵害すると主張して、Y製品の輸入、販売等の差止め及び損害賠償を求めた事案である。本件発明の特許請求の範囲の記載は、「豆の薄皮に塩味が感じられ、かつ、豆の中心まで薄塩味が浸透している緑色の維持された...
《解 説》
1 A市は,食肉センターを新設するにあたり,付近の河川を漁場として,のり等の養殖漁業を行っていた漁業協同組合の組合員全員との間で,同組合員らが,食肉センターの建設及び創業に伴い処理水を放流することに同意すること,同組合員らが漁業権等を放棄して漁業を廃止し,漁業協同組合を解散する...
《解 説》
1 本件は,平成9年11月に経営破綻した北海道拓殖銀行(以下「拓銀」という。)の破綻当時とその前任の頭取(以下「破綻時の頭取」,「前任の頭取」という。)が,在職中に行った融資に関し,融資先企業の経営者とともに商法の特別背任の罪に問われた事件である。新聞報道等によると,これまで都...