《解 説》
一 本件は、Z→Y、Y→X、X→Zと順次、架空売買取引が多数行われた環状取引の事案において、その後Zが破産したため、XがZに対する売掛代金を回収できなくなったことに起因して発生した一連の事件である。
第一事件は、Xが、Yに対して、Y→Xの売買契約につき、①商品の引渡しがないと...
《解 説》
一 本件は、破産管財人に選任されたものの、管財業務を長期間にわたって放置した上、破産裁判所に対し、自己の職務懈怠を糊塗するため、債権回収のために訴訟を提起して勝訴したなどと虚偽の報告をしていた弁護士である被告人が、破産裁判所から、その判決正本の写しの提出を求められたことから、こ...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Y(被告・控訴人)は、平成一三年四月八日、X(原告・被控訴人)に対し、Xが経営する店舗で、「実施日平成一三年六月一〇日、実施人数三〇ないし四〇名、料金一人当たり四五〇〇円(四月九日に確定)」でパーティーをする旨の予約をした(以下「本件予約」...
《解 説》
一 本件は、役務について別紙被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)を使用しているYの行為が、Xの有する役務に係る商標権を侵害するとして、XがYに対し、同商標権に基づいて、同標章の使用の差止めを求めた事案である。
Xは、電気めっき等の指定役務について、別紙商標目録記...
《解 説》
一 本件は、現職の中学教師であった被告人が、テレホンクラブを通じて知り合った中学一年生(一二歳)の女子生徒をいわゆる援助交際と称する買春の対象とした上、催涙スプレーをその顔面に噴き付け手錠を掛けるなどして自動車内に監禁し、畏怖した被害者をして高速道路を疾走中の同車から飛び降りさ...
《解 説》
第一 事案の概要
一 Xと訴外会社は、名称を「パチンコ装置」とする発明(同発明に係る特許を「本件特許」という。)に係る特許権の共有者である。本件特許につき特許異議の申立てがされたところ、特許庁は、本件特許の請求項一に係る特許を取り消す旨の決定をした。
Xが単独で上記取消決定の...
《解 説》
一 本件は、アニメ作品「宇宙戦艦ヤマト」の著作者が原告(X)と被告(Y)のいずれであるかが争われた事件である。Xは、別紙作品目録記載の1ないし8の各作品(以下「本件各著作物」という。)を著作して、著作者人格権を取得したことを前提として、Yが本件各著作物を著作した旨述べた行為は、...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,殺人,死体遺棄被告事件の再審請求事件である。請求人は,昭和55年3月31日に第1審で懲役10年の判決を受け(控訴審,上告審を経て昭和56年2月17日に確定),平成2年7月17日に満期出所した後,平成7年4月19日,本件再審請求に及んだ。
確定判決の認...
《解 説》
一 〈①事件判決〉は、被告人Aが、(1)中小企業における災害補償共済等の事業を行う財団法人理事長として共犯者と共謀等して犯した業務上横領及び背任、並びに、(2)いわゆる職人大学設置準備を進める財団法人の会長理事及び中小企業の発展を図るための政治活動を目的とする政治団体の実質的主...
《解 説》
一 本件は、祈祷類似行為を施していた被告人両名が、難病に罹っている六歳男児の病気治療と重度の未熟児で生まれた乳児の保育を、それぞれの親から引き受けた上、祈祷類似行為などを繰り返すのみで、その生存に必要な医療措置を施さなかったため、いずれも死亡するに至らせた保護責任者遺棄致死と、...
《解 説》
一 本件は、被告らが、バイアグラ等の標章を用いて、勃起不全治療剤を輸入販売したとして、商標法及び不正競争防止法に基づく差止め及び商標法に基づく損害賠償請求が認容された事例である。
二 原告X1は、勃起不全治療剤である「バイアグラ錠」を製造・販売しているアメリカ法人であるファイ...
《解 説》
一 事案の概要
本判決は、新聞等で「銀行税訴訟」などとして大きく取り上げられた事件の判決である。本件の事実関係の概略は以下のとおりである。
被告東京都は、平成一二年二月七日、記者会見で「東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例」(東京都条例第一四五...
《解 説》
一 本件は、貸金業者Yから継続して融資を受けていたXが、利息制限法の制限利率を超えて返済したとして、過払い金の返還を請求するとともに、貸金業者YがXの委任した弁護士に対して取引経過の開示を拒んだことを不法行為として、損害賠償を請求した事件である。
二 事実経過と争点
(一)...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、なにわ銀行が、系列ノンバンクの融資先二社及び一名に対して合計一二億二二〇〇万円の融資(以下「本件各融資」という。)を行ったことについて、当時、なにわ銀行の代表取締役兼取締役(頭取)であった被告は、本件各融資金の回収が困難であり、困難であるとの判断も可能...
《解 説》
一 本件は、車いすを利用している控訴人(原告)が、被控訴人(被告)東日本旅客鉄道株式会社(以下「被控訴人JR」という。)に対し、小海線及び五能線を運行する車両に車いす対応トイレが設置されていないことは、憲法一三、二二条(「旅をする自由」)及び一四条等に違反する人格権の侵害であり...