《解 説》
一 〈①事件判決〉は、被告人Aが、(1)中小企業における災害補償共済等の事業を行う財団法人理事長として共犯者と共謀等して犯した業務上横領及び背任、並びに、(2)いわゆる職人大学設置準備を進める財団法人の会長理事及び中小企業の発展を図るための政治活動を目的とする政治団体の実質的主...
《解 説》
一 本件は、祈祷類似行為を施していた被告人両名が、難病に罹っている六歳男児の病気治療と重度の未熟児で生まれた乳児の保育を、それぞれの親から引き受けた上、祈祷類似行為などを繰り返すのみで、その生存に必要な医療措置を施さなかったため、いずれも死亡するに至らせた保護責任者遺棄致死と、...
《解 説》
一 本件は、被告らが、バイアグラ等の標章を用いて、勃起不全治療剤を輸入販売したとして、商標法及び不正競争防止法に基づく差止め及び商標法に基づく損害賠償請求が認容された事例である。
二 原告X1は、勃起不全治療剤である「バイアグラ錠」を製造・販売しているアメリカ法人であるファイ...
《解 説》
一 事案の概要
本判決は、新聞等で「銀行税訴訟」などとして大きく取り上げられた事件の判決である。本件の事実関係の概略は以下のとおりである。
被告東京都は、平成一二年二月七日、記者会見で「東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例」(東京都条例第一四五...
《解 説》
一 本件は、貸金業者Yから継続して融資を受けていたXが、利息制限法の制限利率を超えて返済したとして、過払い金の返還を請求するとともに、貸金業者YがXの委任した弁護士に対して取引経過の開示を拒んだことを不法行為として、損害賠償を請求した事件である。
二 事実経過と争点
(一)...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、なにわ銀行が、系列ノンバンクの融資先二社及び一名に対して合計一二億二二〇〇万円の融資(以下「本件各融資」という。)を行ったことについて、当時、なにわ銀行の代表取締役兼取締役(頭取)であった被告は、本件各融資金の回収が困難であり、困難であるとの判断も可能...
《解 説》
一 本件は、車いすを利用している控訴人(原告)が、被控訴人(被告)東日本旅客鉄道株式会社(以下「被控訴人JR」という。)に対し、小海線及び五能線を運行する車両に車いす対応トイレが設置されていないことは、憲法一三、二二条(「旅をする自由」)及び一四条等に違反する人格権の侵害であり...
《解 説》
一1 本件は、A(昭和四三年生)が、被告の経営するB医院において、同院の院長であるC医師の観察及び処置の下で出産したが、その後Aが死亡したことから、C医師の分娩時及び出産後の処置に過失があったとして、Aの夫及び子であるX1、X2が、被告に対し、不法行為(使用者責任)に基づく損害...
《解 説》
一 本件は、フランチャイズ契約を締結したフランチャイジーが、フランチャイザーには、①客観的根拠を欠く虚偽の売上予測等を説明してフランチャイジーに同契約を締結させたこと、②フランチャイザーとして適正かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務に違反したこと等の行為があったとして、フラ...
《解 説》
一 本件は、指定暴力団の事務所又は連絡場所として使用されている建物の周辺住民であるXらが、暴力団組員同士の発砲事件を直接の契機として、人格権に基づき、同建物の所有者Yに対し、同建物の暴力団組事務所としての使用差止め及び執行官保管等を求める仮処分を申し立てた事案である。
二 仮...
《解 説》
一 本件は、他人のデータベースを複製し、それを自動車整備業用システムに組み込んで販売した行為が不法行為に当たるとする中間判決がなされた事件(東京地判平13・5・25)につき、損害論等についての終局判決がなされたものである。
二 この中間判決は、知的財産権訴訟において、中間判決...
《解 説》
本件は、一棟のビルを所有し賃貸していた会社が、賃借人からの更新拒絶によって賃貸借が終了したとして、ビルの一室の再転借人に対し、貸室の明渡しと賃料相当損害金の支払を求めた事案である。
原告は、昭和五〇年初めころ、ビルの賃貸、管理を業とする訴外甲株式会社の勧めにより、原告代表者所...
《解 説》
一 本件は、抵当不動産について敷金契約の付随する賃貸借契約が締結されたところ、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえ、取立権に基づきその支払等を求めた事案であり、差押え後に賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡された場合における敷金の賃料への充当は、上記物上代位権の行使...
《解 説》
一 住宅・都市整備公団は、埼玉県桶川市若宮一丁目所在の三七八五・三二平方メートルの土地に地上二五階建て、高さ七五・五メートルの共同住宅(以下「本件建築物」という。)を建築する計画を立て、建築基準法五二条一項所定の容積率制限の緩和のため、同法五九条の二に基づくいわゆる総合設計許可...