《解 説》
本件は、著名なプロ野球選手に関する週刊誌の報道が名誉を毀損するものであるとして当該選手(原告・被控訴人)がその損害の賠償と謝罪広告の掲載を出版社である被告(控訴人)に求めた事案である。記事の詳しい内容は判文を参照していただきたいが、簡単にいうと、厳しい自主トレーニングを積んでい...
《解 説》
一 X(昭和三九年生、独身)は、平成一一年四月二三日、彦根市内の道路を犬を連れて散歩中、Yの運転する普通貨物自動車に衝突され、肋骨骨折、骨盤骨折等の傷害を負った。
そして、Xは、平成一一年四月二三日から同年六月九日まで彦根中央病院に入院したほか、平成一二年三月一七日まで同病院...
《解 説》
一 訴外Aは、総胆管拡張症に罹患し、昭和六〇年八月、Y1の開設するB病院で入院治療を受けた後、Y2の開設するC病院に転院し、総胆管を切除し、胆管を十二指腸に吻合させる手術を受け、同年一〇月に退院した。
その後、Aは、B病院に入院し、慢性膵炎の治療を受けていたが、退院後、吐き気...
《解 説》
一 訴外A(大正四年生)は、平成八年八月、腹部痛等のため診察を受けたところ、結腸癌の疑いがあるとの診断を受けたため、同年九月、Yの開設する病院に入院して、結腸の切除手術を受け、同年一二月、退院したが、入院中に高カロリーの輸液の投与を受けたため、ウェルニッケ脳症を発症し、これによ...
《解 説》
一 A(当時三六歳・女性)は、風邪の症状を訴えて、それまでに通院したことのある被告を受診した。被告は、Aを風邪(インフルエンザを含む。)であると診断し、Aに対し、クリストファン、ノイロトロピン及びデキサンの混合液を静脈注射した(本件注射)。ところが、Aは本件注射直後から手がしび...
《解 説》
一 Y大学は、江沢民・中国国家主席が国賓として来日する際に学内でその講演会を開催することを計画して学生の参加を募り、参加を申し込む学生に対し、参加者名簿に氏名、学籍番号、住所及び電話番号を記載させた。Y大学は、本件講演会の警備に当たる警視庁の要請により、講演会の開催前に本件名簿...
《解 説》
本件起訴状の公訴事実欄には、要旨「被告人は、Aから、警察の捜索に備えて、けん銃の代わりにモデルガンを用意するよう指示され、Bの刑事事件に関する証拠を偽造しようと企て、エアガンを購入した上、これをBが左官業を営む事務所内に保管し、同事務所に対して捜索差押えが実施された際、このエア...
《解 説》
一 本件は、少年である被告人が自動車を運転中左にカーブする道路を高速度で走行し、運転操作を誤って自車を歩道上に乗り上げバス停付近でバスを待っていた被害者五名に衝突させて、二名を死亡させ、三名に傷害を負わせたという業務上過失致死傷の事案である。これにつき、原判決は、被告人の行為は...
《解 説》
一 本件は、宿泊棟及び研修棟という外観上二棟の建物が二本の渡り廊下で連結されているという構造のホテルにおいて、被告人が無人の研修棟に放火したという事案について、従業員及び宿泊客が現在した宿泊棟及び研修棟とが全体として一個の現在建造物を構成するとして現在建造物放火罪での起訴がなさ...
《解 説》
一 本件は、問題とされている通路部分(本件通路部分)に面する土地及び通路部分の一部を所有する原告が、所有地上の建物建築工事に先立ち、本件通路部分が建築基準法四二条二項の規定する同条一項の道路とみなされる道路、いわゆるみなし道路に当たるか否かを建築主事に照会したところ、みなし道路...
《解 説》
一 事案の概要等
地方公共団体は、その発注する公共工事について、「公共工事の前払金保証事業に関する法律」(以下「保証事業法」という。)所定の前払金保証事業を営む保証事業会社により前払金保証がされた場合には、請負者に対し、その工事に要する経費につき前金払をすることができるとされ...
《解 説》
一 本件は、原告が、伊豆急電鉄伊豆北川駅から付近の集落に至る町道のうち坂道となっている部分を驟雨の中を下り歩行中、町道と交差する水路上に設置されているグレーティング(鉄蓋)上で滑って仰向けに転倒し、負傷したところ、本件事故は、本件グレーティングが急坂の途中にありながら滑り止めの...
不動産工事の先取特権の対象となるべき不動産の増価額が不動産競売手続における評価人の評価又はこれに基づく最低売却価額の決定に反映されていないことが同先取特権の被担保債権が優先弁済を受けるべき実体的権利に与える影響の有無(消極)