《解 説》
本判決は、いわゆる酒気帯び運転による道路交通法違反被告事件の控訴審判決である。
本件控訴趣意は、訴訟手続の法令違反及び量刑不当を理由としており、そのうち訴訟手続の法令違反についての論旨は、原審公判調書には、検察官の論告が「本日付け論告要旨記載のとおり」と記載され、その末尾に検...
《解 説》
一 Xは、朝鮮半島に出生し、第二次世界大戦の前後を通じて同半島に在住している韓国人である。Xは、旧日本軍に志願して兵役に就き戦闘下において負傷し、左足が不自由になり、右腕を切断された。Xは、日本国との平和条約の発効により日本国籍を喪失したが、その後、Y(当時、総務庁恩給局長)に...
《解 説》
1 訴外A女は,平成6年1月,Yの開設経営する「下館市民病院」(以下「B病院」という)で診察を受けたところ妊娠6週6日,出産予定日9月8日と診断され,それ以後B病院で定期検診を受けるなどして順調に経過してきた。
そして,Aは,同年8月30日午前,B病院で診察を受けたところ,特...
《解 説》
一 YはAに対して、堅固建物の所有を目的として本件土地を賃貸し、Aは本件土地上に本件建物を建築して所有していた。本件建物について競売が実施され、Xは、本件建物を賃借権付き建物として競落し、本件建物とともに本件土地に対する賃借権を取得した。本件は、Yが賃借権の譲渡を承諾しないこと...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、砂利の採取や販売等を目的とする被告人二社の代表取締役又はその実質的経営者である被告人が、売上の一部を除外し、架空経費を計上するなどの方法により、被告人二社の所得を秘匿し、両社について延べ五事業年度にわたって合計二億九二九二万円余の法人税をほ脱したという...
《解 説》
一 被相続人Aの遺産の一部である本件不動産につき、その共同相続人の一人であるBに対して貸金債権を有するYが、Bに代位してその法定相続分(一〇分の一)に従った共同相続登記を経由した上、Bの持分に対する強制執行を申し立ててこれを差し押えた。ところが、Aは、本件不動産を他の共同相続人...
《解 説》
本件は、土地の売買契約がいわゆる数量指示売買に当たるかどうかが争われた事案である。
原告らは、不動産仲介業者を介して、被告から、愛知県岡崎市の市街化区域内に所在する本件土地(地目畑、公簿面積一七七平方メートル、更地)を買い受けた。原告らと被告は、本件土地を住宅用の敷地として売...
《解 説》
一 本件は、集合債権譲渡担保契約を締結した担保権者が、担保設定者の破産管財人及び目的債権についての滞納処分による差押債権者である国に対し、譲渡担保権を主張して、第三債務者のした弁済供託金について、その還付請求権の帰属の確認を求めた事件である。
Xは、訴外会社Aに対する貸金債権...
《解 説》
一 原告らは、昭和一七年ころ日本軍の軍属として採用され、タイ、マレーの俘虜収容所等において俘虜監視等の任務に就き、終戦後、連合国によりBC級戦犯として死刑若しくは拘禁刑を宣告されてその執行を受けた、又は同戦犯容疑で逮捕・拘禁された朝鮮半島出身の元軍属又はその遺族である。なお、原...
《解 説》
一 原告は、被告との間で、建物所有目的で、土地の賃貸借契約を締結し、その土地上に公衆浴場兼居宅の建物を建て、温泉利用権を取得して公衆浴場の営業を行っていたが、四〇年後の更新時に更新を拒絶され、建物収去土地明渡請求訴訟を提起され、更新拒絶の正当事由を補完する金一億五四三五万円と引...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。X1は、世田谷区立A中学校一年生であったが、訴外Bが、授業中、同級生に対して投げた椅子が左頭部に当たり、頭部打撲症等の傷害を受けた。X1及びその両親であるX2、X3は、前記事故が原因で、X1は、心因性歩行障害及び心的外傷後ストレス障害(PT...