《解 説》
一 事案の概要
本件は、問題となった更正処分による課税額の大きさ(更正処分によって新たに納付すべきものとされた税額が九三億五七四五万一五〇〇円、過少申告加算税の額が一三億八八六三万二五〇〇円)や、海外子会社を利用した財産移転に絡む課税の問題として関心を集めた事件であり、本判決...
《解 説》
一 米国国籍を有する外国人である原告は、平成一一年六月、マンションを購入するため、被告に対し、住宅ローンの融資を申し込んだ。しかし、被告は、申込当時原告には永住者の在留資格(出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)二条の二第三項、二二条。以下「永住資格」という。)がな...
《解 説》
一 本件は、ホテルの駐車場内に放置されたセカンドバッグの中に入っていた覚せい剤について、ホテルの宿泊客による「所持」が認められるか否かが問題となった事案である。
本件の事実関係は、決定中に摘示されているが、要約すると、次のようなものである。すなわち、被告人は、午後九時ころ、い...
《解 説》
一 訴外のA社はB社ら六社に対して、その社員の海外赴任に係る種々のサービス等を提供し、これによる報酬債権を有しており、今後も同様の債権発生が見込まれていた。このような状況下で、A社はY(被控訴人)に対して負っていたリース債務を担保するためにB社ら六社に対して有する既存の債権及び...
《解 説》
一 本件は、暴力団組長である被告人をはじめとする六名の者が、共謀の上、外国船から入手した覚せい剤を営利目的で本邦内に船舶で輸入したなどとして、覚せい剤取締法違反、関税法違反の罪に問われた事案である。
すなわち、被告人は、組の資金源とするため、瀬取り船(自らが運行を支配する船舶...
《解 説》
本判決は、いわゆる酒気帯び運転による道路交通法違反被告事件の控訴審判決である。
本件控訴趣意は、訴訟手続の法令違反及び量刑不当を理由としており、そのうち訴訟手続の法令違反についての論旨は、原審公判調書には、検察官の論告が「本日付け論告要旨記載のとおり」と記載され、その末尾に検...
《解 説》
一 Xは、朝鮮半島に出生し、第二次世界大戦の前後を通じて同半島に在住している韓国人である。Xは、旧日本軍に志願して兵役に就き戦闘下において負傷し、左足が不自由になり、右腕を切断された。Xは、日本国との平和条約の発効により日本国籍を喪失したが、その後、Y(当時、総務庁恩給局長)に...
《解 説》
1 訴外A女は,平成6年1月,Yの開設経営する「下館市民病院」(以下「B病院」という)で診察を受けたところ妊娠6週6日,出産予定日9月8日と診断され,それ以後B病院で定期検診を受けるなどして順調に経過してきた。
そして,Aは,同年8月30日午前,B病院で診察を受けたところ,特...
《解 説》
一 YはAに対して、堅固建物の所有を目的として本件土地を賃貸し、Aは本件土地上に本件建物を建築して所有していた。本件建物について競売が実施され、Xは、本件建物を賃借権付き建物として競落し、本件建物とともに本件土地に対する賃借権を取得した。本件は、Yが賃借権の譲渡を承諾しないこと...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、砂利の採取や販売等を目的とする被告人二社の代表取締役又はその実質的経営者である被告人が、売上の一部を除外し、架空経費を計上するなどの方法により、被告人二社の所得を秘匿し、両社について延べ五事業年度にわたって合計二億九二九二万円余の法人税をほ脱したという...
《解 説》
一 被相続人Aの遺産の一部である本件不動産につき、その共同相続人の一人であるBに対して貸金債権を有するYが、Bに代位してその法定相続分(一〇分の一)に従った共同相続登記を経由した上、Bの持分に対する強制執行を申し立ててこれを差し押えた。ところが、Aは、本件不動産を他の共同相続人...