《解 説》
一 事案の概要
本件は、第二次世界大戦中の旧オランダ領東インド(現インドネシア)地域において、日本軍の構成員から虐待等の被害を受けたとして、日本軍の捕虜又は民間人抑留者であったオランダ人八名が、日本国に対して、一九〇七年の陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(ヘーグ条約)三条に基づいて...
《解 説》
視覚障害者Xは、大阪市営地下鉄御堂筋線天王寺駅ホーム上で、発車直後の地下鉄車両と接触して線路脇に転落して傷害を負ったため、当該駅の設置管理者である大阪市(Y)に対し、選択的に、①ホームの設置又は管理の瑕疵を理由に、国家賠償法二条一項に基づく損害賠償、②Yの担当公務員の過失を理由...
《解 説》
一 商標法七八条、三七条四号の輸入罪の成否が問題となった事案である。
判文によると、被告人は、クレジット会社の登録商標類似の商標の付いた偽造途中のカード(「生カード」)を輸入したが、その目的は、このカードを日本国内で、関係者に渡し、関係者が偽造を完成させた上、不正に使用して、...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A(昭和二一年生まれの男性)は、昭和四二年に橋梁、鉄骨製作を業とするB会社に雇用され、同社工場において検査係としての業務に従事していたところ、平成六年一月一九日以降、同社が請け負った来島第三大橋主塔の製作工事(本件工事)における特別計...
《解 説》
一 本件は、地方公共団体が発注するごみ焼却施設に係る入札談合について被告が開始した審判事件の被審人である原告らが、被告が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「法」という。)六九条に基づいて参加人らほか二名に対してした同審判事件の審判記録の謄写の申請に応じる旨の各処...
《解 説》
一 Xは、資本の額三〇四億七七九〇万円、従業員三四三三名、平成一三年三月期の営業利益は二一九三億円余の消費者金融業界最大手の会社であり、Yは、投資顧問契約を締結した顧客(会員)に対して「ダウレポート」という情報紙を配付している投資顧問業者である。
Yは、平成一二年一一月一八日...
《解 説》
本件は、フランチャイズチェーンの焼き鳥店の近隣に住宅を有する住民三名が、焼き鳥店の経営者及びフランチャイズチェーンの親会社に対し、人格権及び土地建物の所有権に基づき、焼き鳥店の発する臭気排出の差止めを求めると共に慰謝料の支払いを求めた事案である。
本件焼き鳥店は、平成一〇年三...
《解 説》
一 本件は、土地の所有者である原告が、その所有土地の地目が雑種地ないし山林であるにもかかわらず、田又は畑として登記されているとして、被告登記官に対し地目変更登記申請をしたところ、被告が不動産登記法四九条一〇号を理由として登記申請を却下したところから、その取消しを求めた抗告訴訟で...
《解 説》
一 Yは和歌山市加太先沖の特定区域に共同漁業権を有する漁業協同組合であり、二四九名の組合員がいる(准組合員を含む)。X1X2X3はYの組合員であったが総会の決議によって組合から除名された者である。
Yの組合員であるX1らは、昭和五六年から乗合船による遊漁船業を開始し、Yが共同...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、病のために寝たきりになり徐々に病状が進行している両親を長期間にわたり介護してきた被告人が、両親(当時、父親は七六歳、母親は五九歳)から死にたいと哀願され、また、被告人自身も進行性の病のために歩行困難である上、更に病状が悪化すれば両親を介護することもでき...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。Z(補助参加人)は、野菜、青果及び食料品の卸売販売等を目的とする株式会社であり、名古屋市中央卸売市場に属する「名古屋市中央卸売市場本場」において卸売業務を行っている者であるが、Yらは、市場内におけるせり売り等において、卸売価格(商品の等級...
《解 説》
一 Xらは並行輸入業者であって、海外ライセンシーに由来する○○・××商標の付されたポロシャツ(本件商品)を並行輸入して国内で販売していた。これに対し、同商標の商標権者であるYは、Xらの輸入販売する本件商品は偽造品である旨の広告を業界紙に掲載し、大手スーパーマーケットに対して、本...
《解 説》
本件は、X(原告、被控訴人)が、倒産(自主廃業)前の山一證券との間で信用取引をしていて山一證券株の買い・売りを三回した後、平成九年一一月二一日に一〇一〇万円で買付け(本件取引)した山一證券株一〇万株(額面一株五〇円、一株一〇一円で買付け)が同月二四日に山一證券が自主廃業を決定し...
《解 説》
一 建物について抵当権を有していた訴外銀行が、物上代位権の行使として、同建物の賃料債権を差し押えたころ、同建物に同順位の抵当権を有するY(銀行)が、物上代位権の行使として、右債権差押手続に配当要求した。そこで、執行裁判所は、Yを配当を受けるべき債権者として認め、配当要求に係る債...