《解 説》
本件の概要は、次のとおりである。
貸金業者に対する債務整理の依頼を受けた弁護士(原告)が、当該貸金業者(被告)に受任通知を出すとともに、債務の弁済状況の開示を求めた。ところが、貸金業者は、同弁護士を通さずに債務者に直接弁済を求めるなどの交渉をした。また、貸金業者は、取引経過の...
《解 説》
一 米国ポロ社は、衣料品を販売する会社として名声を得ており、同社が商標として使用する馬に乗ったポロ競技者の図形及び「RALPH LAUREN」の文字は、世界的に有名である。米国ポロ社は、日本において、昭和六三年五月に「POLO BY RALPH LAUREN」の文字を、平成四年...
《解 説》
一 平成一三年四月から施行されている個人再生(小規模個人再生及び給与所得者等再生)事件は、前年の四月に施行された通常の民事再生事件の特則であり、同事件と同様に、簡易で迅速な経済的再建のための手続として、国民の間に広く浸透し順調に利用されている。この個人再生事件の申立てについては...
《解 説》
一 本件は、講学上「冒認」と呼ばれる一事例につき、特許を受ける権利を侵害された者が特許権の移転登録手続を請求し得るか否かが争われた事例である。
1 X(原告)とZ(補助参加人)は、Zが発明した「生ゴミ処理装置」の発明についての特許を受ける権利の共有者であり、この発明につき共同...
《解 説》
1 訴外Aは,平成4年6月3日,Y1の経営するB病院において直腸癌と診断され,同月6日,B病院に入院し,同月10日,Y2医師の執刀で,直腸癌の切除手術を受け,同年7月5日,B病院を退院した。
しかし,平成5年5月26日,Aは直腸癌の再発と診断され,同年6月1日,B病院に入院し...
《解 説》
一 Xは、弁済期ごとに二〇に債権分割され、抵当証券が発行されている抵当権のうち弁済期が平成六年から平成二一年までの各年一月二〇日である一六の抵当証券(券面金額各二五〇〇万円)を所持していたところ、京都地方裁判所に対し、平成七年六月一五日、そのうち法定文書により既に弁済期を経過し...
《解 説》
一 本件は、翻訳の著作物に関する複製権侵害が争われた事案であり、その概要は、以下のとおりである。すなわち、X(原告)は、米国の作曲家レナード・バーンスタインが著作した英語版演劇台本「Young People's Concerts What Does Music Mean?」(邦...
《解 説》
一 本件は、自動車同士の交通事故で受傷したAがその後死亡したので、Aの地位を相続したその妻及び両親であるXらが、加害者であるYに対し、民法七〇九条及び自賠法三条を理由として、本件事故によりAらが被った損害の賠償を求めた事件である。本件においては、Aの後遺障害による逸失利益を算定...
《解 説》
一 いわゆる地下鉄サリン事件の発生後、公安調査庁長官は、破壊活動防止法に基づいてオウム真理教に対する解散指定請求をしたが、被告(公安審査委員会)は、平成九年一月、「今後ある程度近接した時期に、継続又は反覆して暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあると認めるに足りるだけの十分...
《解 説》
一 本件は、被告人は犯行当日の午前中、被告人とかねてからの顔見知りである中学生の被害者やその友人Aらから何かおごるようにとたかられたため、その夜、被害者の友人Aと中学校教諭が立ち話しているのを見つけ、被告人はAに対したかったことについて言いがかりをつけ、これを否定したAの右頬を...
《解 説》
X(原告、控訴人)は、昭和三八年中国において出生した中国国籍を有する外国人であるが、昭和六二年七月中国国内の医科大学を卒業し、同国内の病院に数か月間勤務した後来日し、以来日本に居住している者である。平成七年二月、Xが厚生大臣(当時、現在は厚生労働大臣)に対し、医師法に基づく医師...