《解 説》
一 事案の概要
本件は、Yの開設するB病院において左肺癌手術を受けて入院中に死亡したAの相続人であるXらが、Yに対し、B病院の医師には、術前の各種検査によりAの右肺には間質性線維性変化や腫瘍の存在等が確認されており、Aはおよそ左肺全部摘出の負担には耐えうる状態ではなく、Aの治...
《解 説》
一 本件は、Yから不動産を買い受けたXが、占有者の明渡未了のまま売買代金を先行決済する条件としてYとの間で取り交わした合意書に基づき、Yに対し、不動産の引渡遅滞による違約金を請求したところ、Yが、同合意書に基づく合意は暴利行為であり、公序良俗に反し無効であるとしてこれを争った事...
《解 説》
一 本件は、Xが国Y1及び社会保険庁長官Y2を被告として和歌山地方裁判所に提起した国民年金法による障害基礎年金の支給停止処分等の無効確認等訴訟において、Yらが、行政事件訴訟法一二条一項により本件訴訟は社会保険庁長官の所在地の裁判所である東京地方裁判所の管轄に属する旨主張して、本...
《解 説》
一 X(買受人、申立人、抗告審相手方)は、岐阜地方裁判所がした不動産競売手続においてY(執行債務者、原審相手方、抗告人)所有の岐阜市内の宅地(以下「本件土地」という。)ほか三筆を買い受けた上、同裁判所から、本件土地ほか三筆の土地につきYに対する民事執行法八三条一項に基づく不動産...
《解 説》
一 A(本件当時七一歳)は、長年糖尿病を患っていたが、平成六年七月二日、糖尿病が悪化し、自宅で意識不明となった。Aの妻と子であるX1、X2(原告ら)は、一一九番通報により救急車の派遣を要請し、Aは、Y1(甲事件被告)の開設する被告病院(第二次救急病院に指定されている。)に搬送さ...
《解 説》
一 本件は、平成一〇年七月に東京都千代田区のレストランで起きたボツリヌス菌による食中毒事故に関し、右レストランにおいて瓶詰オリーブを食したX1ら及び右レストランを経営するX3が、右オリーブを輸入したYに対し、製造物責任法等に基づき、治療費等、又は営業損害及び信用損害の賠償を求め...
《解 説》
一 本件は、Xが、「市民ケーン」「キングコング」等の多数の有名な映画著作物(本件映画著作物)についての著作権(本件著作権)を、米国の破産手続により譲り受けたと主張して、ビデオ販売会社及びテレビ放送会社ら(Yら)に対し、損害賠償を求めた事案である。本件の主要な争点は、Xが著作権を...
《解 説》
一 本件は、被告人が、マンションの隣室に居住する女性に電話を掛け、同女に対し、「お前に仕返ししてやる」などと言い、さらに、その後電話で呼び出した同女に対し、自己の自動車内において、「仕返しって何をするか分かるか。お前の出方次第だ。まだ、トドメは刺さないからな」などと言うなどして...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五七年一二月から、自動車部品等を業とするY会社の取締役に就任していたところ、平成五年一二月二〇日、すい臓がんにより死亡したが、Yは、Aを被保険者として締結していた定期団体保険契約等により七二二七万円余の死亡保険金を受領した。
そこで、Aの遺族であるXらは、(...
《解 説》
一 Y会社の株主Xは、Yの第五八期定時株主総会の開催にあたり、計算書類の附属明細書を作成せず、総会の前に附属明細書を本店に備え置かなかったため、総会招集手続に法令違反があるとし、総会の決議取消しを求めた。
一審宮崎地判平12・7・21金判一一〇六号五四頁は、株主総会の前に法令...
《解 説》
一 本件は、愛知県の住民である原告らが、水資源開発公団(以下「公団」という。)に対する長良川河口堰の建設事業費用負担金等の支払資金に充てるため、愛知県が一般会計から工業用水道事業会計(特別会計)に長期貸付等の方法により公金を支出するのは違法であるとして、地方自治法二四二条の二第...
《解 説》
第一 事案の概要
一 原審が確定した事実関係の概要等
1 Xは、著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律に基づく許可を受けた我が国唯一の音楽著作権仲介団体であり、カラオケソフトに入っているほとんどの音楽著作物につき、著作者から著作権の信託的譲渡を受けてこれを管理している。
2 A...
《解 説》
一 本件は、宅地建物取引業者が、建物賃貸借契約を仲介する際に、契約条件の説明を十分しなかったために建物賃借人に損害を与えたとして、委任契約の債務不履行を理由に損害賠償を命じられた事案である。
二 建物賃借人である原告(X)は、宅地建物取引業者である被告(Y)を仲介業者として、...
《解 説》
一 訴外A、B、Cは、いずれも非鉄金属部品の製造、販売を業とするY会社の社員であったが、平成六年に、脳梗塞等により死亡したため、Yは、社員を被保険者として団体定期保険契約を締結していた保険会社九社から、それぞれ六一二〇万円の死亡保険金の支払を受けた。
そこで、A、B、Cの妻で...