《解 説》
一 本件は、倒産したA有限会社のために連帯保証人となっていたX(上告人らの被承継人)が、債権者であるYに対し、連帯保証契約の成立等を争って、連帯保証債務の不存在確認等を求めた事案である。
Xは、Yとの間で、YとAとの間の相互銀行取引より生ずるAのYに対する債務について、極度額...
《解 説》
第一 事案の概要
一 事実経過等
1 Aは、Y(生命保険会社)との間で、自らを被保険者として受取人をBとする、保険金額三五〇〇万円の定期付終身生命保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結した。
本件保険契約には、保険契約者はいつでも保険契約を解約でき、その場合はYは保...
《解 説》
一 X1は、平成三年八月三一日、出産のためYの設置する「○○○病院」に入院したが、担当医師が診察したところ、高位破水が確認できなかったため、子宮収縮抑制剤を投与して分娩の進行を抑制することとなった。
そして、X1は、同年九月一〇日、第一子を経膣分娩で出産し、同月一五日、第二子...
《解 説》
一 訴外Aは、平成八年七月当時、堺市立「三原台小学校」の六年生であったが、通学先の同小学校で給食を食べたところ、他の多数の児童とともに、食中毒を発症し、「O一五七」感染症により溶血性尿毒症症候群に罹患したとして、大阪大学附属病院に入院して治療を受けていたが、同年八月、敗血症によ...
《解 説》
一 訴外A(昭和二二年生)は、名城大学卒業後の昭和四五年四月に電気設備会社に入社し、主として中部支社でビル工事現場の電気設備工事に従事していたが、昭和五二年九月に気管支喘息を発症した。
その後、Aは、昭和六三年四月から平成元年六月まで、名古屋市で開催された「世界デザイン博覧会...
《解 説》
一 本件は、後妻である被告に対し、その不動産等大部分の財産を与える旨を内容とするいわゆる危急時遺言について、先妻の子らが、右遺言当時、遺言能力がなかった旨、また、遺言者は証人が原稿を読み上げたのに対し、終始受動的であり能動的表意がないから、口授があったとはいえず、所定の要件を欠...
《解 説》
一 本件は、Xが、その所有する自動二輪車(本件二輪車)を運転して、進路前方に停止するY1の運転するY2所有のタクシー(本件タクシー)の左側を通過しようとした際、Y1が乗客を降ろすために本件タクシーの後部ドアを開いたところに衝突して負傷した交通事故を原因として、Yらに損害賠償を求...
《解 説》
本件は、被告人が共犯者と共謀の上、路上に停車中の普通乗用自動車内において、大麻の乾燥植物細片約九五グラムを所持したという事案である。本判決によると、大麻が発見された経緯は次のとおりである。被告人は、自らが運転し、共犯者を助手席に乗せた自動車を警視庁上野警察署公園前交番付近路上に...
《解 説》
本件は、「アリナミンA25」という商品名でビタミン製剤を製造、販売している原告が、「アリナビッグA25」という商品名でビタミン製剤を製造、販売している被告に対し、被告が右被告表示の使用等をしていることは、不正競争防止法二条一項二号所定の不正競争に該当するとして、その差止等と損害...
《解 説》
本件は、XのYに対する連帯保証債務履行請求であり、主たる争点は消滅時効の抗弁の成否である。
Xは、訴外会社に対し、昭和五四年五月三一日、二億五一四五万円を貸し付け、Yが、これを連帯保証した。訴外会社は、昭和五四年六月二二日、会社更生手続開始の申立てをし、昭和五七年三月三〇日、...
《解 説》
本件は、老齢(明治四一年生)で難病(結節性動脈周囲炎「PN」。膠原病の一種)の長期入院患者(同疾病により昭和四四年両下肢大腿中央部から切断し、両手も不自由である。)が、昭和五四年にベッドから転落して翌日に死亡した事案で、昭和六一年に相続人(子)三名のうちの二名(X)が、病院を運営...
《解 説》
一 本件は、北九州市に事業所を有する製鉄会社の従業員二名(以下X1、X2とする)が、同人らを千葉県内の事業所に転勤させる旨の会社の転勤命令は、労働場所を北九州市に限定した労働契約ないし労使慣行に違反し、また合理性、必要性がなく、人事権の濫用に当たるなどと主張して、会社に対し右転...
《解 説》
一 控訴人はマンションの完成前に、六階西端の六〇三号室を買い受ける契約をした。本件マンションの西方に二条城がある。六〇三号室は六階西端に存し、南向きにベランダが、西に向いて窓がある。
被控訴人ら(売主と販売代理人)の作ったパンフレットでは、上階からは二条城の眺望が広がると記載...
《解 説》
原告は、使用許可を得て大阪市営住宅(本件住宅)に居住していた母親が死亡したのに伴い、本件住宅に居住するため、公営住宅法二七条六項所定の承認を求めて市営住宅名義変更申請書を市長に提出したところ、右申請を却下する旨の本件通知を受けた(なお、原告は本件住宅で既に母親と同居していたと主...