《解 説》
一 本件は、山一證券における証券取引において、約四六〇〇万円の損失を受けた被告人が、同社との交渉を絶たれたところから、同社及びその代理人として対応した弁護士に対する憤懣を募らせ、同弁護士を殺害してその恨みを晴らすとともに、同社の関係者に恐怖感を与えて損失補?等に応じさせようと企...
《解 説》
一 本件は、名古屋市に本店を置く抗告人Xが、㈱現代建設から、同社の相手方Yに対する請負代金債権一四八八万円余りの譲渡を受けた上、Yを被告として東京地裁に右譲受債権を請求する本案訴訟を提起したところ、Yが本案訴訟を管轄する裁判所はYの本店所在地を管轄とする名古屋地裁であると主張し...
《解 説》
一 本件は、東大阪市長であった被告が、辞職した後、在職中に犯した犯罪により有罪判決を受け、すでに支給されていた退職手当の返還を市から求められた事件である。判決は、現市長が被告に対して発した退職手当返納命令は正当であると判断し、これを前提とする市(原告)の被告に対する退職手当返還...
《解 説》
一 Y2は、Y1が所有する普通自動車を運転し、青森県弘前市内の交差点を右折しようとした際、自転車に乗って横断歩道を走行していたX(一九歳の男子大学生)の右側面に衝突し、Xはボンネット上に投げ出され、頸部、腰部打撲等の傷害を受けたが、骨折、脳外傷の所見はなく、整形外科的には約一か...
《解 説》
一 本件は、夫及び長女と別居し、被害者と同棲していた被告人が、夫からの連絡により病気の長女が運ばれた病院に行こうとしたところ、夫及び長女のもとに再三にわたり出掛けようとする被告人の行動に不満を募らせていた被害者から外出を制止され、病院に行かせまいとして別れ話や長女の死まで口にし...
《解 説》
一 Xは、平成八年一月当時、横浜市港北区日吉本町のアパートに居住し、日本油脂に勤務していたものであるが、定年退職後は、郷里から母を呼び寄せて一緒に暮らすためマンションの購入を希望していたところ、不動産会社であるYの営業社員に横浜駅から歩いて数分という距離にある「クリオ横浜壱番館...
《解 説》
一 本件は、第一勧銀の会長・頭取であった被告人が、副頭取、審査担当役員、総務部担当者らと共謀の上、総会屋に対し、系列ノンバンクを使った迂回融資の方法により、五二回にわたり、合計一一七億八二〇〇万円の金額を融資し、利益供与したという事案である。
本件の融資は、外形的には、第一勧...
《解 説》
一 本件は、茨城県民であるXが、茨城県公文書の開示に関する条例(昭和六一年三月二六日茨城県条例第二号)に基づき、知事及び副知事の交際費に関する支出帳票及び現金出納簿の開示を請求したところ、茨城県知事のYが右に対応する公文書である交際費経理簿のうち、「月日」「項目」「収入」「支出...
《解 説》
土地の名義人になってくれと依頼され、名義を貸していた被告が、その土地を買い受け所有権を取得したと主張する原告から、自己へ所有権移転登記を求められたが、依頼者からの指示で所有権移転登記に必要な書類を依頼者側に渡し、そのため第三者が土地の登記名義を取得した。土地所有権を主張する原告...
《解 説》
一 本件は、倒産したA有限会社のために連帯保証人となっていたX(上告人らの被承継人)が、債権者であるYに対し、連帯保証契約の成立等を争って、連帯保証債務の不存在確認等を求めた事案である。
Xは、Yとの間で、YとAとの間の相互銀行取引より生ずるAのYに対する債務について、極度額...
《解 説》
第一 事案の概要
一 事実経過等
1 Aは、Y(生命保険会社)との間で、自らを被保険者として受取人をBとする、保険金額三五〇〇万円の定期付終身生命保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結した。
本件保険契約には、保険契約者はいつでも保険契約を解約でき、その場合はYは保...
《解 説》
一 X1は、平成三年八月三一日、出産のためYの設置する「○○○病院」に入院したが、担当医師が診察したところ、高位破水が確認できなかったため、子宮収縮抑制剤を投与して分娩の進行を抑制することとなった。
そして、X1は、同年九月一〇日、第一子を経膣分娩で出産し、同月一五日、第二子...
《解 説》
一 訴外Aは、平成八年七月当時、堺市立「三原台小学校」の六年生であったが、通学先の同小学校で給食を食べたところ、他の多数の児童とともに、食中毒を発症し、「O一五七」感染症により溶血性尿毒症症候群に罹患したとして、大阪大学附属病院に入院して治療を受けていたが、同年八月、敗血症によ...
《解 説》
一 訴外A(昭和二二年生)は、名城大学卒業後の昭和四五年四月に電気設備会社に入社し、主として中部支社でビル工事現場の電気設備工事に従事していたが、昭和五二年九月に気管支喘息を発症した。
その後、Aは、昭和六三年四月から平成元年六月まで、名古屋市で開催された「世界デザイン博覧会...