《解 説》
一 本件は、製本会社で断裁工として勤務していた被災者(死亡当時五三歳)が勤務時間中にくも膜下出血を発症して死亡した事案について、被災者の妻である原告が被告中央労働基準監督署長に対し、遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したが、同被告が被災者の死亡は業務に起因するものとは認められな...
《解 説》
本件は、第一審判決において、公務執行妨害罪、器物損壊罪で有罪とされた被告人に対する控訴審判決で、第一審判決が破棄され、無罪が言い渡された事例である。控訴審判決によると、事案はおおむね次のとおりである。整備不良の疑いがあるとして、パトカーに停止を求められたグロリア運転の犯人が、カ...
《解 説》
一 Yは、毎週月、水、金曜日の始業開始時刻五分前に従業員を集合させ、役職者からの業務連絡等を行う朝礼を行ってきており、この朝礼には、パート、役員、夜勤者等を除くほぼ全従業員が出席していた。Yは、平成八年一〇月の衆議院議員選挙の選挙戦の最中に、右朝礼においてY代表者の知り合いであ...
《解 説》
一 本件は、各種ミシン部品製造販売等を業とする株式会社である被告の従業員であった者一三名(そのうち一名については既に死亡しており、その相続人三名が承継した。)が原告として、被告が労働協約に基づいて行った月額給与の基本給の減額を内容とする給与改定の効力を争い、月額給与並びに基本給...
《解 説》
本件は、Yの経営するゴルフクラブのゴルフ会員権者であるXらが、預託金の据置期間は経過していないものの、ゴルフ会員契約の基礎となった事情に著しい変更が生じたとして、事情変更の原則により右契約を解除し、Yに対し、預託金の返還を求め、予備的に将来請求として、預託期間満了時の預託金の返...
《解 説》
一 本件は、A町がA町所有の公衆用道路である本件土地を第三者所有土地と交換した後、右交換により第三者名義となった本件土地を八五八万円で買収したことに関し、A町の住民である原告らが、右買収費用の支出は違法であるとして、右買収の当時A町町長であった被告に対し、買収費用相当額である八...
《解 説》
一 本件事案の概要は、ラブホテルに滞在していた被告人が、予定時刻を過ぎてもチェックアウトせず、しかも従業員に対して、「部屋が二つに分かれているのではないか。」と述べるなど異常な言動があったことから、ホテル側の通報に基づいて臨場した警察官らにおいて、無銭宿泊、薬物使用の疑いをもっ...
《解 説》
一 多くの自治体においては、いわゆる情報公開条例と並んで、自治体住民の自己に関する個人情報の開示、訂正、利用の中止等を求める権利を保障するとともに、個人情報の適正な取扱いを確保することにより個人情報を保護することを目的として、個人情報保護条例が制定されており、この個人情報保護条...
《解 説》
一 中国の企業法人であるXは、日本法人Yとの間で道路凍結防止剤の売買契約を締結し、契約中で同契約から生じる紛争について中国国際経済貿易仲裁委員会の仲裁により解決する旨を合意した。本件契約の履行について紛争が生じ、Xが右委員会に仲裁を申し立てたところ、同委員会はYに未払商品代金等...
《解 説》
一 X1は、平成五年九月、妊娠している旨診断され、股関節脱臼のため自然分娩は難しいとされたが、自然分娩を望み、Yの経営する「府中病院」において分娩することにして、平成六年五月二三日、同病院に入院した。そして、同病院において、分娩誘発のため点滴投与を受けたが、児心音が低下し、持続...
《解 説》
一 X(債権譲受人)は、A(債権譲渡人)からAがYに対して有する債権を譲り受けた上、債務者に対する対抗要件を具備したと主張して、Yに対し、右債権の支払いを求めた。これに対して、Yは、右債権はAに弁済済みであると主張して、請求を争った。争点は、①AのYに対する債権譲渡通知とYの弁...
《解 説》
一 本件は、パソコンネットを開設・運営していた被告人が、わいせつ画像データ合計約四一八二画像分をパソコンのハードディスク内に記憶させて、電話回線に接続した右ネットのホストコンピューターの管理機能に組み込んだ上、電話回線を使用して、パソコン通信の設備を有する不特定多数の顧客に右わ...
《解 説》
一 M会社内にあるY1はM社の下請業者及びその従業員の福利厚生等を目的とする任意団体であり、Y2はM社の下請業者かつY1の会員、亡AはY2の従業員かつY1の準会員、Sは亡Aの内縁の妻であった者、Xは亡Aの相続人(亡Aの兄)である。
Y1は、昭和五六年二月、日本生命との間で、被...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告が、被告会社との間で商品先物取引を締結し、パラジウムやコーン等の商品先物取引を行ったところ、被告らの手数料稼ぎを意図したいわゆる「客ころし」の取引勧誘により損害を被ったとして、不法行為を理由に右損害の賠償を求めた事案である。
二 本件の要約
1...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである(詳細は判文参照)。
警察官らは、Aから、被告人が盗んできた自動車をA方付近に止めており車内に覚せい剤がある旨の供述を得たので、被告人が運転席に座っている自動車に近寄り、窓越しに警察手帳を示しながら職務質問を開始したところ、被告人は、突然に...