《解 説》
一 X会社は、平成九年三月、Xの店舗(パチンコ店)を目的として、Y保険会社と店舗総合保険契約(本件保険契約)を締結したところ、同年七月、Xの従業員Aが右パチンコ店に放火し、焼損等の損害が生じたので、本件保険契約に基づいて保険金を請求した。これに対し、Yは、AはXの実質的経営者で...
《解 説》
一 亡A女は、平成元年九月、五人の相続人(実子三人及び養子二人)のうちの三男C及び四男X1に本件不動産(軽井沢の土地建物)の持分各二分の一を相続させる旨の公正証書遺言をしたが、本件不動産については、同年一二月、Aから甲株式会社(Aの長男Bが代表者)に売買を原因とする所有権移転登...
《解 説》
一 本件の事実関係は、本判決が要約するとおりであるが、株式会社ユニマットの監査役兼代理人として、日本織物加工株式会社を対象とするM&A交渉に携わっていた弁護士の被告人が、M&A交渉に際し日本織物加工とユニマットらとの間に締結された秘密保持契約の履行に関して、日本織物加工の業務執...
《解 説》
一 本件は、控訴人主催の一九九八年ワールドカップフランス大会日本対アルゼンチン戦観戦ツアー(本件旅行)の旅行契約(本件契約)を締結した被控訴人が、控訴人において参加人員分の入場券(観戦チケット)が入手できなかったため、現地で抽選することになり、結果的には抽選に当たって試合を観戦...
《解 説》
一 事件の概要
1 原告は、脳性小児麻痺の後遺症のため、幼少時以来完全四肢麻痺で、現在も身体を自力でほとんど動かせない。二六歳ころ母の介護を離れて自立生活を始め、現在も生活保護を受給し、在宅介護による自立生活を営んでいる。原告の母は、生前、石川県心身障害者扶養共済制度条例に基...
《解 説》
一 本件は、遺言者Y1の推定相続人であるXが、遺言者Y1と当該遺言により受遺者とされたY2を被告として、遺言者の生存中に、当該遺言がY1の意思無能力や方式違反により無効であるとして、遺言無効確認を求めた事件である。
本件で特徴的なのは、第一に遺言者の生存中に提起された訴えであ...
《解 説》
一 本件は、被相続人Aの共同相続人であるB、Y1及びY2の間で成立した遺産分割協議につき、Bの債権者であるX(信用金庫)が、これが詐害行為に当たると主張し、Y1及びY2に対して、右分割協議を取り消すとともに、法定相続分に応じた持分となるようにBに対する所有権移転登記手続を求めた...
《解 説》
本件は、信用金庫である原告と信用金庫取引契約を締結したA会社の連帯保証人である被告に対し、A会社が平成九年に破産したため、割引手形の買戻債務の履行を求めた事案であるが、被告は、連帯保証契約締結の事情、A会社と被告との関係、原告とA会社との取引の経緯、連帯保証契約から本訴提起まで...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、帰宅途中の交通事故により負傷したXが、傷害保険契約(業務中及び通勤途上の事故について保険金を受けとるというもの。)に基づき、保険会社であるYに対し、保険金の支払いを請求した事案である。
2 Xは、得意先との新商品販売に関する打ち合わせを終えた後、...
《解 説》
本件の原告らは、神奈川県内の郵便局に勤務する郵政職員であるが、平成三年、関東郵政局が発出した胸章着用要綱に基づき胸章の着用が指導されるようになったにもかかわらず、これを着用しなかった。この胸章は、所属局、課、役職、氏名(姓のみでもよい)が記されたいわゆるネームプレートである。原...
《解 説》
一 本件は、被告の知事により、産業廃棄物処理施設の設置許可申請を不許可とする処分を受けた原告が、行政事件訴訟により右不許可処分の取消しを得た後に、知事が本件不許可処分をしたことには過失があると主張して、国家賠償法に基づく賠償を求めた事案である。
すなわち、原告は、被告の知事に...
《解 説》
一 Xは、平成七年六月、土木建築の設計・請負業者であるYとの間で、自宅建物の建築工事請負契約を締結し、Yに対し、契約金として一〇三万円を支払ったが、同年一〇月、右請負契約は、合意解除されたとし、契約金一〇三万円の支払を求めた。
これに対し、Yは、右合意解除の事実を否認し、Xは...
《解 説》
一 本件は、阪神・淡路大震災で被災し、損傷したマンションについての建替え決議の効力が争われた初めての裁判例である。
本件マンションは、平成七年一月一七日の阪神・淡路大震災で被災し、損傷を受けた。マンションの復興方法について、区分所有者間で、建替えによるのか補修によるのか意見が...