《解 説》
事案の詳細については、判文に直接当たられたいが、原告らは、いずれも不動産仲介業者の従業員を介して、被告分譲のマンションを購入した者であるところ、被告が原告らに対して、一〇〇〇万円相当のサービスを提供すべき義務を負っており、また購入者から仲介手数料を受領してはならない義務を負って...
《解 説》
一 福岡市及びその周辺地域は慢性的な水不足に悩むことで知られているが、本件は、福岡市隣接のベッドタウンである志免町においてマンションを建設している不動産会社であるXが、水道事業者であるY(志免町)に対し、平成元年から二年にかけて三回にわたり建設戸数五四〇戸ないし四二〇戸のマンシ...
《解 説》
一 婚姻届を提出せずに夫婦生活をしているX1及びX2が二人の間に生まれたX3の出生届を提出したところ、Y1(市長)はX3の住民票に世帯主であるX1との続柄を「子」と記載した。当時は、嫡出子の世帯主との続柄は「長男」、「二女」等と記載されるのが例であったので、Xらが、右続柄の記載...
《解 説》
一 事案の概要
1 Xは、貸金業者Yから二〇〇〇万円を年利三六・五%の約定で借り受け(利息天引)、その際、公正証書を作成した上、その所有する土地建物に根抵当権を設定した。その後、Xは、当初の弁済期の経過後約一年間にわたって、約定の利息を支払うことにより(これらの利息を、以下「...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、本件建物の賃借人Xが、賃貸借契約締結に際し、前賃貸人(本件建物の前所有者)に保証金の名称で敷金を差し入れたと主張して、前所有者から本件建物を譲り受けて賃貸人の地位を承継したYに対し、賃貸借契約の継続中に、右敷金返還請求権の存在確認を求めるものである...
《解 説》
一 亡Aは、平成元年九月、X銀行に対する四億円の債務を担保するため、所有する不動産に極度額四億四〇〇〇万円の本件根抵当権を設定したが、その設定登記手続がされないまま、Aは、平成七年一月に死亡した。Xは、本件根抵当権について、仮登記仮処分命令(不動産登記法三三条)を得て、同年三月...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、被告との間で、原告が被告社員食堂の改革についてのコンペで優勝することを停止条件として、平成一〇年四月一日以降の被告社員食堂運営委託契約(本件契約)を締結したところ、原告はコンペで優勝したので右停止条件が成就したと主張して、被告に対し、原告と被告との間で...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは、不動産競売事件で、本件土地、建物につき最高価で買受けの申出をし、執行裁判所から売却許可決定を受けた。ところが、Xは、次の理由で売却許可決定の取消しを求めた。すなわち、本件競売対象土地上に建築物を建築するには宅地造成等規制法及び建築基準...
《解 説》
一 本件は、平成九年七月六日施行の東京都議会議員の選挙(本件選挙)について、選挙人であるXらが、平成八年一部改正(本件改正)後の東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(本件条例)が千代田区選挙区を公職選挙法二七一条二項の特例選挙区として存置した...
《解 説》
一 Aは禁治産者であり、Y1(Aの姉)はその後見人であった。Y1は、(1)A所有の土地を第三者に低廉に売却し、(2)A名義でBとの間でマンション新築工事契約を締結したが、これを解約してBに違約金を支払った。さらに、Y1は、Aの後見人として、弁護士Y2に弁護士報酬として五〇〇万円...
《解 説》
一 Xは、昭和五七年ころから、Y1の従業員であるY2などを通じてY1との間で商品先物取引を行ってきたが、取引に失敗して多大の損失を被って、Y1に対する仕切差損金も支払えなくなり、昭和五九年には、裁判所から七〇八万円の仕切差損金の支払を命ずる判決を受けるなどして、事実上破産状態に...