《解 説》
一 本件の事案の概要は、次のとおりである。本件特別抗告事件の抗告人Xは、平成九年に東京地裁に提起された貸金等請求本訴、慰謝料請求反訴事件の被告兼反訴原告であった。Xは、同事件の第一審における審理中に裁判官忌避の申立てをしたところ、同申立ては却下され、Xは即時抗告及び特別抗告をし...
《解 説》
一 税理士Xは、損害保険会社Yとの間で、業務上の過誤についての顧客に対する賠償責任を填補する税理士職業賠償責任保険契約を締結した。Xは、顧客Aの納税申告事務処理に当たり租税法規の解釈を誤って過少申告をしたため修正申告が必要となり、顧客が受けることができた減算処理を受けることがで...
《解 説》
Xは宅地建物取引業者であり、宅地建物取引業法二五条に基づき、営業保証金の供託として地方法務局K支局(国Y)に額面三〇〇万円の割引国庫債権(償還期限昭和六二年三月二〇日)を供託していたところ、平成九年三月二〇日の経過により右国債の償還請求権が時効消滅した(なお、Xの供託物取戻請求...
《解 説》
一 本件事案の概要は、銀行が取引先の会社から手形割引の依頼を受けて約束手形を預かっていたのであるが、取引先会社が破産宣告を受け、その破産管財人が銀行に右手形の返還を求めたところ、銀行は、返還を拒絶し、支払期日に手形交換によって取り立てて、取引先に対する債権の弁済に充当したという...
《解 説》
一 本件は、血縁上の父であると主張する者が、子を認知するために、その前提として、戸籍上の父と子との間の親子関係不存在確認を求める訴訟であり、本件が一審に係属中に子を第三者の特別養子にする家庭裁判所の審判が確定したため、訴えの利益の存否が問題になり、最二小判平7・7・14民集四九...
《解 説》
一 弁護士である被告人は、不動産所有者らと共謀の上、裁判所が不動産競売の開始決定をした土地建物について、その売却の公正な実施を阻止しようと企て、裁判所に対し、賃貸借契約が存在しないのにあるように装って、土地建物は既に他に賃貸されているので取調べを要求する旨の上申書とともに、競売...
《解 説》
一 本件は、賃貸人である株式会社Xが、賃借人である株式会社Y1に対して、本件建物の賃貸借契約終了を主張して明渡請求等をしている事件である。Y1は平二法六四号附則六条一項により解散とみなされ、Y1代表者Aは有限会社Y2を設立しているので、Xは、Y2も建物の共同占有者であるとして、...
《解 説》
一 Xは、長年税務行政に携わったうえ、平成二年四月から平成九年三月まで、A大学において、法学部及び大学院法学研究科教授として、租税法の講義、演習等を担当しながら研究、教育に従事し、平成九年三月末日付けで同大学を定年退官した。Xは、同日B弁護士会に弁護士登録の請求をしたところ、日...
《解 説》
一 原告はえびせんべいの原料となるえび入り加工食品に係る実用新案権を有していた(平成八年一二月二日に存続期間満了)。被告らはえびせんべいの製造販売等を業とするものであり、えびせんべいの原料を一次焼成と二次焼成の二回に分けて焼成するいわゆる二度焼きの製法で製造したえびせんべいを販...
《解 説》
Xは中国人であるが、夫Aが昭和一五年一二月、日本軍関係の宿舎から脱出したところ、軍人によって発見されて連れ戻され、暴行を受けて死亡したと主張し、不法行為による債権の成立及び効力については法例一一条一項により不法行為地法である満州国民法七三二条、七三七条一項本文を適用し、さらに法...
《解 説》
一 本件は、東京都知事(以下「都知事」という。)の認可を受けて設立された信用組合であるA信用組合の経営が破綻したことに伴い、東京都、大蔵省、日本銀行等の間において策定された破綻処理のための処理スキームに基づき、東京都が、東京都信用組合協会との間で、破綻処理に伴う同協会の債権管理...
《解 説》
Xは、一般建築内装及び外装等の請負工事等を業とする株式会社であるが、宅地建物取引業法上の免許を有していない。しかしXは、Yが土地を購入し、同土地上にマンションを建築した上で販売業者等に買い取って貰うことについて、Xに対し、事業計画全般についての協力義務を委託し、その報酬支払合意...
《解 説》
一 本件事案の概要は、風俗店に勤務していた被告人が、被虐趣味を有する被害者(当時二九歳男性)に気に入られ、その指名により度々被害者宅に派遣され同人の求めに応じて下腹部を手拳で殴打する殴打プレイを行っていたところ、これに飽き足らない被害者から、現金八〇〇万円と引き換えに下腹部をナ...