《解 説》
一 Xは、長年税務行政に携わったうえ、平成二年四月から平成九年三月まで、A大学において、法学部及び大学院法学研究科教授として、租税法の講義、演習等を担当しながら研究、教育に従事し、平成九年三月末日付けで同大学を定年退官した。Xは、同日B弁護士会に弁護士登録の請求をしたところ、日...
《解 説》
一 原告はえびせんべいの原料となるえび入り加工食品に係る実用新案権を有していた(平成八年一二月二日に存続期間満了)。被告らはえびせんべいの製造販売等を業とするものであり、えびせんべいの原料を一次焼成と二次焼成の二回に分けて焼成するいわゆる二度焼きの製法で製造したえびせんべいを販...
《解 説》
Xは中国人であるが、夫Aが昭和一五年一二月、日本軍関係の宿舎から脱出したところ、軍人によって発見されて連れ戻され、暴行を受けて死亡したと主張し、不法行為による債権の成立及び効力については法例一一条一項により不法行為地法である満州国民法七三二条、七三七条一項本文を適用し、さらに法...
《解 説》
一 本件は、東京都知事(以下「都知事」という。)の認可を受けて設立された信用組合であるA信用組合の経営が破綻したことに伴い、東京都、大蔵省、日本銀行等の間において策定された破綻処理のための処理スキームに基づき、東京都が、東京都信用組合協会との間で、破綻処理に伴う同協会の債権管理...
《解 説》
Xは、一般建築内装及び外装等の請負工事等を業とする株式会社であるが、宅地建物取引業法上の免許を有していない。しかしXは、Yが土地を購入し、同土地上にマンションを建築した上で販売業者等に買い取って貰うことについて、Xに対し、事業計画全般についての協力義務を委託し、その報酬支払合意...
《解 説》
一 本件事案の概要は、風俗店に勤務していた被告人が、被虐趣味を有する被害者(当時二九歳男性)に気に入られ、その指名により度々被害者宅に派遣され同人の求めに応じて下腹部を手拳で殴打する殴打プレイを行っていたところ、これに飽き足らない被害者から、現金八〇〇万円と引き換えに下腹部をナ...
《解 説》
一 本件は、在留資格のない原告が、被告市に対し、国民健康保険被保険者証の交付を求める申請をしたところ、被告市が、原告には在留資格がなく、国民健康保険の被保険者資格を定めた国民健康保険法五条の「住所を有する者」に該当しないことを理由として、国民健康保険被保険者証を交付しない旨の処...
《解 説》
一 訴外K(金融機関)は、訴外会社S所有の土地及び同土地上の建物に共同根抵当権を設定した。訴外会社Sは、根抵当権設定後に右建物を取り壊し、Yは土地を買い受けて所有権移転登記をし、さらに右土地上に新建物を建築して保存登記した。訴外Kは、右土地について根抵当権実行による競売を申し立...
《解 説》
一 事案の概要 Xは、Aに対する貸金債権を被担保債権としてA所有の本件土地に抵当権を設定し、抵当権設定登記を経由し、右登記の登記済証を保持していた。AはXに対し、Xから借りた金員を返還するために銀行との間で融資の交渉をするのに、本件土地の右登記済証を示す必要があるのでこれを貸し...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告が、酒税法(以下「法」という。)九条一項に基づき、酒類販売業の免許を申請したところ、税務署長から、法一〇条一一号の規定に該当する事由(需給均衡維持の必要)があるとして申請を拒否する本件処分を受けたため、その取消しを求める事案である。
原告は、法九...
《解 説》
一 X会社は、甲野太郎及び甲野花子夫妻によって「甲野ガーデン」の名称で営まれていた生花販売業を会社組織化したもので、昭和五九年二月一八日に生花、鉢物の仲卸及び販売等を目的として設立された。花子は、太郎との離婚に伴い、平成元年一二月、いったんはX会社の業務から離れたが、翌年初めに...
《解 説》
本件は、人物絵の絵柄(本件絵柄)の著作権を有するXが、本件絵柄の使用許諾期間満了後もその使用を継続して右著作権を侵害したYに対し、Yの商品の小売価格の三パーセントに製造個数を乗じた額が右著作権の行使につき通常受けるべき金銭の額に相当する額(著作権法一一四条二項)であると主張し、...
《解 説》
一 本件は、原告らが被告に対し、商標権に基づいて、被告による標章の使用の差止め及び損害賠償を求めるのに対し、被告が、登録商標との類似性を争うとともに、被告商品に付された標章は、装飾ないし習俗的表示にすぎないものであり、自他商品識別機能を有する標識ではないから、商標としての使用に...
《解 説》
一 本件は、合資会社変更登記処分の取消の訴え(原訴訟)が提起され、右処分を取り消す旨の判決(東京地判平9・10・13本誌本号二三八頁)が確定した後に、右合資会社が行政事件訴訟法(以下「法」という。)三四条に基づき提起した「第三者の再審の訴え」である。すなわち、合資会社である再審...