《解 説》
商標権の存続期間の更新登録の出願手続における特許庁の審決が長期間にされなかったことに伴う国家賠償請求事案である。本判決は、原審の大阪地裁判決が特許庁審判官の作為義務違反を肯定し損害賠償請求を認容したのを支持した。
Xは昭和四九年に登録された商標権を有し、昭和五九年に存続期間の...
《解 説》
一 本件は、被告である中間市長が河川法六条一項三号によって河川区域に指定されている原告所有の土地(以下「本件土地」という。)に係る固定資産税の賦課決定処分(以下「本件処分」という。)をしたところ、原告が、本件土地は地方税法三四八条二項一号所定の「公共の用に供する固定資産」に該当...
《解 説》
原告は、自己の経営するスナック付近で生じた傷害事件の被疑者として通常逮捕され、勾留延長の上、傷害罪で起訴された。
一審の大阪地方裁判所堺支部は、原告に対し懲役一年執行猶予三年の有罪判決を言い渡したが、控訴審の大阪高等裁判所は、第一審判決を破棄し、原告に対し無罪の判決を言い渡し...
《解 説》
一 本件は、抵当権の実行による競売によって不動産を買受けた申立人からの引渡命令が認められたので、相手方である占有者が、建物について差押前からの短期賃借人から転借していたと主張し、執行抗告を申立てた事案である。
本件の買受人取得の建物は三件(工場二、事務所一)であって、工場の一...
《解 説》
一 本件は、上告人会社が被上告人(中央労働委員会)による救済命令(再審査命令)の取消しを求めた事件である。救済命令の対象事項は多岐にわたるが、その中で、会社が①労働組合による組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しないこと及び②組合にいわゆる三六協定の締結適格があるかどうかを...
《解 説》
一 事件の概要
Yの経営する炭鉱において粉じん作業に従事していた労働者六三名は、じん肺に罹り、じん肺法により管理区分二ないし四の決定を受けた。右の者及びその相続人XらはYに対し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償として一律かつ包括的に慰謝料三〇〇〇万円及び弁護士費用三〇〇万円の...
《解 説》
一 本件は、阪神淡路大震災による自宅の崩壊によりほぼ同時的に死亡した妻とその実母との死亡日時の先後関係が問題となる事案において、右母の死亡日時の戸籍訂正の許可審判の申立てがあったのに対し、原審は戸籍法一一六条(確定判決による戸籍訂正)の規定によるべきものとしたのに対し、抗告審の...
《解 説》
Xは、クリーナーや洗濯機などに使用するホースなどのプラスチック製部品等の製造販売を目的とする会社であるが、昭和三〇年代から労使紛争が多発したので、安定した製品の供給を受けるため、Xの事実上の生産部門としてYを含む子会社四社を設立した。XとYの共通の代表者であったAは平成七年五月...
《解 説》
A、B、Cの三名は、北海道をレンタカーで旅行する計画を立て、Cがレンタカー会社Xに予約申込みを行った。Xは、Y保険会社との間で自賠責保険契約、D社との間で任意保険契約を締結していた。Aらは、約一か月後Xの事務所に現れ、Bが契約書に運転者及び借受人として署名した。北海道旅行中、レ...
《解 説》
XはAを債務者としてA所有の土地建物に共同抵当権の設定を受けた。その後Aは、建物を取り壊し、跡地に建物を新築して保存登記をしたうえ、直ちにBに所有権移転登記をした。その後Bは、新築建物についてC(代表者B)を債務者とする抵当権をDのため設定した。Xは、土地と新築建物の一括競売を...
《解 説》
一 本件は、子宮筋腫手術の際の手技が争われた事例である。
昭和六三年七月、Xは五〇代半ばであったが、子宮筋腫のため、Y1病院で、Y2医師の執刀により子宮全摘及び右卵巣摘出の手術を受けた。しかし、その後Xには腹部に引っ張られるような痛みが生じ、翌年二月頃からは排尿時に激痛が生じ...
《解 説》
一 本件は、保険会社が詐欺による保険契約の無効、給付金の請求に関する詐欺行為などを理由とする保険契約の解約を主張して契約の効力を争ったのに対し、原告が保険契約者たる地位の確認を求めた事件である。
原告は、平成元年一月二五日から同年一二月二一日までの間、生命保険会社との間の契約...