《解 説》
X(昭和五年四月生)は、母Aと亡Bの間に生まれた子であると主張し、Y検察官に対し認知を求める訴えを提起した。
第一審判決は、AとBの各父親が従兄弟同士であること及び両人が昭和四年ころ居住していた地区のみをもってしては、AとBの結婚ないし同居の事実を認めるに足りないこと、X、A...
《解 説》
事案の詳細は不明であるが、Yの社員がXに対し、Xが農地を取得して開発許可と地目変更手続を行った上で宅地にしてYに引き渡すとの契約の締結に向けて交渉を継続したところ、Yが計画を断念したので、Xが売買契約ないし予約違反による損害賠償を求めたというもののようである。第一審判決はXの請...
《解 説》
一 本件は、被害者が本件事故とは無関係の自動二輪車の自損事故により自動車専用道路に転倒していたところを普通乗用自動車が轢過した事故に関し、被害者の両親である原告らが、同車を所有し、運転していた被告に対し、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)三条に基づき、損害賠償を求め...
《解 説》
一 本件訴訟は、幼稚園の運動場用地の賃貸借について、借主であり幼稚園の経営者であるXが、本訴請求として、借地権の存在確認を求めたのに対し、貸主であるYが、反訴請求として、賃貸借の終了を理由に本件土地の明渡し等を求めた事案である。一審、原審における主たる争点は、①右賃貸借が建物の...
《解 説》
一 Aは、昭和四六年~五〇年分の各所得税について、Y税務署長から更正及び重加算税賦課決定を受け、その一部の取消しを求める抗告訴訟を提起したが、第一審係属中に死亡し、その相続人であるXら七名が訴訟を承継した。
Yが本件各処分の理由としたAの申告外所得は、大きく分けて四項目あった...
《解 説》
一 Xらは、商品取引員に委託して、取引所において生糸の先物取引を行っていたものであり、Y1は、生糸先物取引の公設市場である。
本訴は、平成元年二月頃から同年五月頃にかけて生糸相場の高騰のために先物取引で損害を被った売り方のXらが、取引所が生糸相場の高騰に際して取った規制措置あ...
《解 説》
Y1はXの居住する家の隣地において闘犬(アメリカンピット・ブルテリア種)五頭を飼育していたが、Xは右犬の吠える声による騒音にかねてから苦情を述べていた。Y1が代表者であるY2社は、騒音対策として高さ五、四メートルの工作物(スチール製パイプの組足場に塩化ビニール鋼板に発泡スチロー...
《解 説》
本判決は、強姦致死、殺人被告事件(原審認定罪名は、強姦、殺人)の控訴審判決である。
事案の概要は、当時一八歳の被害者が、昭和五六年六月二七日午後一一時四〇分ころから翌二八日午前零時三〇分ころまでの間に、当時居住していた大分市内のアパートの二〇三号室において、何者かによって強姦...
《解 説》
本件の事案は、Y(被告、控訴人)がX(原告、被控訴人)に対する債務名義に基づきXのAに対する給料債権等を差し押さえた後に、Xが破産宣告を受けたが、同時廃止となったため右強制執行手続が続行されたところ、さらにXの他の債権者が右給料債権等を差し押さえたので、第三債務者であるAが供託...
《解 説》
Xは京都市(Y市長)の市民であるが、京都市公文書の公開に関する条例に基づき、二回にわたり、市広報室とマスコミとの協議懇談に要した費用とその内容が分かる文書(平成二、三年度)及び市とマスコミとの協議懇談に要した費用とその内容が分かる文書(平成三年一二月二二日以降)の公開を求めたと...
《解 説》
Y1は証券会社、Y2はその社員であり、Xは顧客であるが、XはYらがワラントを無断で売買したと主張し、Y1に対して使用者責任若しくは債務不履行に基づく損害賠償又は預託金の返還を、Y2に対して不法行為に基づく損害賠償を求めて出訴した。右本案訴訟においてXはY1に対し、Y1が作成した...
《解 説》
本件は、主債務者が消滅時効完成後に一部弁済したことにより時効の援用権を失った場合、物上保証人ないし物上保証の対象となった不動産の第三取得者が消滅時効を援用し得るか否かが問題となった事案である。事実関係に争いがあるが、本判決が認定したところによれば、次のとおりである。
Xは、昭...
1 西淀川大気汚染公害訴訟(第二~四次)第一審判決
一 工場排煙と自動車排出ガス等による都市型複合大気汚染下における健康被害について、それらの排出する大気汚染物質が相加的に健康に悪影響を及ぼしていたとして、自動車排出ガスに含まれる二酸化窒素の病因性を認めた事例
二 汚染物質が入り交じって患者の健康を侵害している場合には、各排出源が主要汚染源でなくても共同不法行為規定を類推通するのが相当であるが、各排出源の間に強い共同関係がない場合は、その責任は自己の排出の寄与割合に限定されるとして、道路管理者に対し、沿道住民の健康被害につき、寄与割合に相当する部分に限定した損害賠償を認めた事例
三 道路沿道住民について、抽象的差止請求の可能性を認め、当事者適格を肯定したうえで、現状の大気汚染の程度や道路の公共性から差止の必要性を否定した事例
(大阪地裁平7・7・5判決)
《解 説》
一 非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一と定めた民法九〇〇条四号ただし書前段の規定(以下「本件規定」という。)が法の下の平等を定めた憲法一四条一項に違反するか否かについては、最近になって学説上大きく争われるようになった。
かつては、憲法は婚姻を尊重しているから本件規定は...
《解 説》
一 原告ら二名は、他の自衛官一名及び元自衛官一名とともに、昭和四七年四月二七日及び二八日、防衛庁正門付近及び芝公園で開催された沖縄返還協定粉砕等を掲げた政治的集会において、制服を着用した上で、判文にも掲げられたような過激な表現で、自衛隊の沖縄配備及び立川基地移駐に反対し、かつ自...