《解 説》
Xは昭和六二年一〇月から平成元年二月までの間にYに対し一〇回にわたり金銭を貸し付け、その残元本は七一八〇万円余に達すると主張し、Yが平成六年四月に夫が死亡したことにより相続した不動産の共有持分について仮差押えを申し立てた。これより先の同三年三月、Yは破産宣告を受け、破産管財人が...
《解 説》
Xは、Aから都区内のマンション(床面積六一・二〇平方メートル)を月額二八万円で賃借し、これを平成二年九月五日以降Y2に月額三五万円余(後に三四万円に減額する)で転貸した。Y2は、排水管が詰ったことを理由に同三年八月分以降、賃料の支払を拒絶した。XとY2間の転貸借契約は同四年二月...
《解 説》
一 本件はローン提携販売により役務の提供を内容とする会員権を購入したXらが、役務提供業者が倒産して役務の提供が受けられなくなったことを理由として、右購入資金を融資した金融機関であるYとの間で作成された公正証書の執行力の排除を求めた事案である。右事案において、Xは役務提供業者が役...
《解 説》
一 本件は、いわゆる消費者金融業者が貸付残元金と利息制限法所定利率による遅延損害金を請求したところ、これに対し、被告は、右貸付は貸金業の規制等に関する法律(以下、「貸金業法」という。)に定める過剰貸付禁止条項に違反して無効であり、また、かかる請求は多重債務者を拡大再生産しておき...
《解 説》
一 事実関係
Y1は、明治四四年二月生まれの老女で、アルツハイマー型老人性痴呆にかかっており、平成五年三月、家庭裁判所から禁治産が宣告され、甥のY2が後見人に選任された。これに先立ち、同元年一二月、Y1からY2に対し、Y1所有の不動産を遺贈する旨の遺言公正証書が作成された。昭...
《解 説》
一 T市は、本件マンションを賃借し、昭和五三年二月一日以降、自治省からの出向職員の宿舎として使用してきた。Y2は、自治省出向の職員として、T市財務部長の職にあったが、その間、平成三年四月一日から平成五年四月三〇日まで、T市より本件マンションを宿舎として貸与されていた。その間の本...
《解 説》
一 本件は、予防接種とその後の症状との因果関係が争われた事例である。
原告X1は、小学六年生であった昭和五八年一一月、二度にわたってインフルエンザの予防接種を受けた。Xはそれまで順調に成育していたのが、同月下旬頃から、目をかっと見開くようになる、表情が乏しくなる、前傾姿勢にな...
《解 説》
本件は破産会社Aのした債権者Yに対する弁済が破産法七二条一号のいわゆる故意否認条項に該当するとして管財人Xが原状回復を求めた事案である。
昭和六三年七月末から同年九月末までの間に発生したYのAに対する売掛金債権は八〇五二万円余に達した。Aの代表者Bが自殺した後、AはYにこれと...
《解 説》
一 本件は、非嫡出子が住民票の続柄欄に「子」と記載され、嫡出子と差別されていることは憲法一三条、一四条、国際人権規約B規約二四条等に違反すると主張して、母X1及び認知した父X2が市長Y1に対し、住民票の続柄欄の記載処分の取消しと差別のない住民票の発行(無名抗告訴訟)とを求め、さ...
《解 説》
一 本件は、虫垂炎治療の首尾が争われた事例である。
ペルー人であるAは、あるペルー企業の極東営業所長として東京に駐在していたが、平成元年四月二四日頃から腹部に不快感を感じ、同月二七日から激しい腹痛に襲われるようになったので、同日午前中にYが運営する病院を受診した。応対した医師...
《解 説》
本件は、暴力団事務所の隣にある飲食店の建て替え工事にからみ、かつて暴力団の顧問弁護士を標榜していた被告人が、二名の幹部組員らと共謀して、組長のために、組の組織、威力等を背景にして、右工事の施主及び施工業者の各代表者から工事に伴う近隣対策費名下に高額の物品を喝取しようとしたが未遂...