《解 説》
Y所有地上には二棟の建物があり、Xは昭和二七年五月ころ、そのうち公道に面しない北側部分上の建物をYから買い受けるとともに、敷地(甲地)をYから賃借し、残地(乙地)の西側部分を通行して公道に出ていた。Xは同三一年七月ころ、右建物を建て替え、他方、Yは平成元年春、自己の建物を建て替...
《解 説》
一 本件は、いわゆる福岡空港騒音訴訟と呼ばれる事件である。福岡空港(本件空港)は、JR九州博多駅等の主要な都市施設から三キロメートル以内にある総面積約三五〇万平方メートル、長さ二八〇〇メートルの滑走路を有する空港であって、空港整備法二条一項二号所定の第二種空港(主要な国内航空路...
《解 説》
一 本件は、Xが、夫(A)と同棲関係(重婚的な内縁関係)を継続したYに対し、五〇〇〇万円の慰謝料の支払を請求した事案であるが、X(大正8年11月24日生)とA(大正3年12月8日生)との婚姻関係は昭和17年7月10日に始まるところ(Xは22歳、Aは27歳で、その後、三子をもうけ...
《解 説》
判旨は、いずれも、商法二六〇条二項一号にいう「重要な財産の処分」に関する。
商法二六〇条は、昭和五六年商法改正により現行の規定になった。右改正の目的は、代表取締役等一部の取締役の不適切な業務執行のチェックのため、取締役会の形骸化を防止して、取締役会の権限の明確化、強化を図ると...
《解 説》
一 本件は、Y1が経営するゴルフクラブの会員権の購入等をしようとしたXらが、右会員権等の購入・販売をしており昭和六三年に破産宣告を受けたゴルフ会員権販売業者であるA会社及びその取締役であるBに金員・会員権を騙し取られたことにつき、ゴルフ場の経営会社であるY1に対し、A会社がY1...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年一二月一二日に死亡した訴外Aの長女であるが、Aの長男であるYに対し、Aが昭和六三年六月八日付公正証書でもってしたA所有の本件土地建物をYに相続させる旨の遺言(以下「先行遺言」という。)に基づいてしたYへの所有権移転登記について、Aが昭和六三年七月七日付公正証...
《解 説》
一 本件は、電話加入契約者以外の者(未成年の子)が、加入契約者の知らないうちに無断で有料情報サービス(いわゆるQ2)を利用した場合に、加入契約者に、その有料情報サービスの通話料の支払義務があるかが争われた事案である(なお、情報料は、結審直前に請求の放棄があり、本件訴訟の対象とな...
《解 説》
一1 本件は、XはY(国)が開設したT大学付属病院(本院)耳鼻咽喉科腫瘍外来で数年前から右頚部にあるリンパ節腫脹の受診をしたところ、A医師はこれを悪性腫瘍と診断し、治療のためT大学医科学研究所付属病院(医科研)での診察を指示した。医科研ではB医師が診察して腫脹を悪性腫瘍と診断し...
《解 説》
XはY1に金銭を貸し付け、その所有不動産等に抵当権の設定を受けたが、Y1は期限の利益を失い、Xは右不動産等の競売を申し立てた。しかし、右不動産には暴力団、政治団体等が占拠するようになったので、Xは民事執行法一八八条が準用する同法五五条に基づきY1のほか占有者と見られるY2らに対...
《解 説》
Xは、平成五年一月一八日、富山地方法務局登記官Yに対し、登記印紙六〇〇円を貼付し、郵券六二円を同封した謄本交付申請書を郵送し、土地登記簿謄本一通の交付請求をした。Yは、同月二一日付けでXの申請について、登記手数料令二条一項に定める手数料が二〇〇円不足であることを理由に却下した。...
《解 説》
一 本件は、担当医師が、原告が血友病Aであることに気付かないまま腰椎穿刺をしたため、両下肢に弛緩性対麻痺が生じたとして、損害の賠償を求めた事案である。本件の中心的な争点は、①担当医師の過失と②損害である。
二 本判決は、①については、担当医師は、二月一五日、原告の症状をみて出...
互いに主従の関係にない甲乙 2棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により 1棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長
《解 説》
一 本件は、拘置所及び刑務所に身柄拘束中の者に対する医療処置の妥当性が争点となった事案である。
二 事案の概要は以下のとおりである。原告は、昭和五九年八月五日ころ、自宅の台所の床に設置されている水道栓の点検口に転落した。そして、その翌六日、覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕され、...