《解 説》
交差点を右折しようとしたY1の運転する乗用車と対向直進してきたY2の運転する乗用車とが衝突し、その反動でY2車が歩道上にいたAと衝突してAを死亡させた。本件は、Aの相続人であるXからYらに対し、自賠法三条により損害賠償を求めた事案であり、XがAの受給していた厚生年金保険法に基づ...
《解 説》
一 本件は、五階建マンションの汚水管が、新築直後から詰まったり逆流したため、注文者たる原告が、工事請負人(元請人)を被告として、汚水管設備の瑕疵によって生じた是正工事費用等三二九万円余り(慰藉料を含む)の損害の賠償を求めた事案である。これに対し、被告は、注文者の「指図」に従って...
《解 説》
一 Xは、平成二年五月、破産宣言を受けたA会社の破産管財人であるが、A会社の第一回目の手形不渡り後に提起して得たA会社に対する貸金請求認容判決に基づいてYが平成元年六月にした債権差押及び転付命令の申立て及びこれに基づく転付命令等は、破産法七五条、七二条二号所定の行為に該当すると...
《解 説》
Xに対して債務を負っていたAは、昭和六一年九月二九日、地方裁判所支部に和議開始を申し立て、翌三〇日、Aに対し債務の弁済と担保提供を禁止するとの保全決定が発令された。しかし、担当裁判官は、その後整理委員の選任を行わず、一年以上経過して申立代理人と連絡をとろうとしたが、連絡がつかな...
《解 説》
本件は、債権者が、私立中学における過去数年間の入試問題に関し、当該中学から了承を得たうえ、当該問題を掲載するとともに、これに対する解説を加えた問題集を作成し、販売しているところ、債務者が、右解説部分の全部又は一部を無断で盗用し、問題集を作成して販売したとして、複製権の侵害を理由...
《解 説》
一 本件は、満員電車内で乗客のショルダーバッグ内から財布をすり取り窃取したとして起訴された被告人に対し、控訴審で破棄・無罪の判決が言い渡された事案である。
二 被告人は、被害者が「財布がない。」として騒ぎ出した時点で、右財布を所持していながらこれを秘し、電車が停まってドアーが...
《解 説》
Aは、Y市の設置経営する病院で出生し、保育器に仰向けの状態で収容されて保育されていたところ、生後四日目の哺乳時刻にぐったりとした状態(呼吸停止状態)で発見され、Y病院の医師と看護婦・助産婦が直ちに蘇生措置にあたったが、Aは、間もなく死亡した。
Aの両親Xらは、Aの死因は、Aが...
《解 説》
一 本件は、いわゆる残留孤児が戦争中、満一四歳の頃、中国東北地方で養女として売られていた中国人に強制的に挙式させられ、その相当期間経過後事実上の婚姻関係が開始したという場合に日本国籍を喪失するかが争われたものである。
二 旧国籍法(昭和二五年七月一日廃止前の国籍法)一八条は「...
《解 説》
一 Xは、東京都武蔵野市内でマンションの建設、販売を行っている会社であるが、昭和五一年から昭和五三年にかけて同市吉祥寺南町に「ヤマキマンション」を建設した際、Y1(武蔵野市)から、同市が制定した「武蔵野市宅地開発等に関する指導要綱」に基づく行政指導を受けたが、右指導要綱に定めら...
《解 説》
一 Xは、訴外Aの妻であるが、夫であるAがYと情交関係を持ち、いわゆる不倫関係となったことから、Aとの婚姻関係が破綻の危機に瀕して精神的損害を被ったとして、Yに対し慰謝料五〇〇万円の支払を請求した。
本判決は、YはXとAが婚姻関係にあることを知りながら情交関係に及んだもので、...
《解 説》
一 本件事案の概要は、原告(控訴人、被上告人)が被告(被控訴人、上告人)に対し、東京都公文書の開示等に関する条例(以下「本条例」という。)五条に基づき、「個人情報実態調査に関して警視庁から入手、取得した一切の文書」の開示を請求したところ、被告は、右開示請求の対象となっている文書...
《解 説》
本件は、昭和六三年七月二三日、東京湾の出口にある浦賀水道において、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」 (排水トン数二二五〇トン)と遊漁船「第一富士丸」(総トン数一五四トン)が衝突し、「第一富士丸」の乗客、乗員中三〇名が死亡し、一七名が負傷したという事件であり、当時の潜水艦の艦長と遊...
《解 説》
一 本判決は、親権者が子を代理して子所有の不動産を第三者の債務の担保に供した場合に、これが親権者の有する法定代理権の濫用に当たるか否かを扱ったものである。
事案をやや単純にして紹介すると、以下のとおりである。未成年者Xの母Aが親権者として(Xの父は既に死亡)Y(信用保証協会)...
《解 説》
Xは昭和六二年五月以降Aに金銭を貸し付け、同六三年九月、A所有の土地建物に共同根抵当権の設定登記を受けた。Aは、平成元年三月ころ右建物を取り壊し、同年六月新建物を建築したが、Xは同二年三月、新建物についても根抵当権の設定登記を受けた。その後新建物と敷地について競売が開始されたが...
《解 説》
本件は、深夜屋内に侵入し、睡眠剤(ハルシオン)を飲んで就寝したため抵抗することが極めて困難な心身の状態にあった被害者に、そのことを認識することなく、粘着テープで猿ぐつわをかませ、その両手首を後手に緊縛するなどの暴行を加えて姦淫し、負傷させた事案である。
当然、右暴行により被害...
《解 説》
Xは在日朝鮮人であり、昭和六〇年三月、市役所において外国人登録証明書の紛失による再交付申請をした際、外国人登録法(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)一四条に定める指紋押捺を求められたが、自己の良心及び信条に基づき、これを拒否した。Y2県警の警察署においては、同法違反被...